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度々、ルリの口調が変わってます。
商売する時(接客・診察・治療)は敬語。
普段は穏やかだが焦った時や感情が爆発した時は口調が荒くなる。(口が悪いのは育ての親の師匠に似ました。)
ルリは山菜を食べたのは人達について尋ねて、ルイーゼの家族は祖父以外全員とユースとアンが食べたと聞いて直ぐにルイーゼとユースを診察した。
「う~ん。とりあえず奥さんとお兄さんに異常は無いですね。安心して下さい。後は、奥さんのご家族なんですが、今ご自宅に食べた方全員いらっしゃいますか?見るなら早めの方がいいんですが」
「夫と義父以外は家に居ると思います。そろそろ昼食を食べに夫も一回家に帰ってくると思うので、その時に診察して頂きたいです!お金の方はきちんと払いますから!お願いします!」
そう言ってルイーゼは頭を下げてルリに頼み込んだ。
「落ち着いて下さい。何事も無ければ診察代は貰いません。治療やお薬が必要になった場合だけお金を頂きます。でも、奥さんからの話を聞く限りご家族は問題なさそうな感じなのでそれほど料金もかからないでしょう。でも、何かあっては大変ですから診察はさせて下さいね」
ルリの言葉を聞いてルイーゼも少し落ち着きを取り戻した。
その後は兄であるユースに治療代や薬代は支払って貰った。
「ま、魔女様。お支払がこんなに安くて大丈夫何ですか?俺もっと高いのかと思ってました。」
「ああ、大丈夫ですよ。基本的に平民向けの薬は安く設定してあるので。今回処方した薬には高価な薬草も使用して無いのでこの料金なんです。平民向けでも高価な薬草を使ってたら少し料金は上がりますけど、払えないくらい高額にはしないので安心して下さい。それに、妹の薬はそこまで高くないですが、治療に使った香や魔法で料金普通より高くしてるんですよ?だから安くは無いはずです」
ルリは治療で使った香の後始末やテーブルに並べた薬を片付けながらユースの質問に答えていった。
「そ、そうなんですね。それを聞いて安心しました。俺てっきり魔女様の薬は物凄く高いんじゃないかって思ってて魔女様所に行った時はどんなに高くても全財産出してでも妹を助けるって心の中で誓ってたんです」
「そう、妹想いなのね。兄妹仲が良くて羨ましいわ」
ユースは涙ぐみながらアンの眠るベッドの横に行き、優しく髪をすいてやった。
「アンは俺に残った唯一血の繋がった家族なんです。だから、死んでしまった両親の代わりにアンを幸せにして。いつかは幸せな家庭を築いたアンを両親の代わりに見届け様って決めてるんです。ちょっと過保護過ぎかもしれませんが・・・。」
そう言ってユースは優しく顔でアンの頭を撫でた。
「過保護過ぎは良くないけど、本人が嫌がって無いなら大丈夫なんじゃない?私には兄妹の距離感とか解らないけど、彼女が笑顔でいられるならそれで大丈夫でしょ。あんまり背負い過ぎるのも疲れちゃうしね」
話を聞いてたルイーゼも口を挟み、ユースに向かって微笑んだ。
「そうよ、背負い過ぎは良くないわ。近所には私も居るんだから何時でも頼んなさい」
そうこうしてるうちに後片付けや支払いも終わりルリはユースに軽く挨拶をして、後日薬が無くなる頃にまた診察をする約束を取り付けユースの家を後にした。
ユースの家を出た後は、ルイーゼの案内でルイーゼの家族が居る自宅に向かった。
やっとルイーゼ宅に向かいます。




