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主人公の言葉遣いが少々悪いですが、寛大な心でお読みくださるとうれしいです。
「クソッ!役立たずのババアが‼呆気なく死んじまいやがって、これから色々儲けさせてもらうつもりだったのに‼」
男はワイングラスを乱暴に扱いながら悪態を吐き口の中を赤ワインで満たしていく。
そして、同じテーブルに座り一緒に男の家族であるワインを飲んでる女や紅茶に大量の砂糖を入れて飲んでる少女も男の言葉に同調して悪態を吐いた。
「おい!お前、確かお前も薬を作れるんだよな‼今まで面倒みてやったんだ!今まで通り小屋で俺の為に薬を作り続けろ!わかったな‼」
男は唾を飛ばしながら大声でテーブルの正面に立っている黒いマントにフードを被り肩に小さな竜を乗せた少女に命令する。
男は返事をしない少女に痺れを切らして、テーブルにおもいっきり拳を叩きつけ更に怒鳴り付ける。
しばらくすると男は怒鳴り疲れたのか肩で息をして怒鳴るのを止めた。
すると今まで無言を貫いてたマントの少女がため息をつき、言葉を発した。
「あんたなんかの為に作る薬はない。私を拾って育てたのも薬の作り方を教えてくれたのも全てあんたの母親である師匠だ。あんたに何一つ恩を感じた事はない。師匠からの遺言が書いてある手紙と遺品は小屋に置いてきたから後は勝手にしろ。私は此処を去る。私の行く手を阻むなら容赦なく始末するから追いかけてくるなよ。それじゃあ、さよなら。馬鹿野郎ども。」
そう一気に喋り懐から転移石を取りだし魔力を込めて一瞬のうちに男とその家族の前から消え去った。
※転移石・・・文字通り転移ができる石。魔石に術者が魔力と共に座標を記録してできる。使用するさいは魔力を込めれば誰でも使用できる。