17【門番の兵視点】
今回はモブ視点です。
たぶんそのうち名前付けると思います。
その竜はいきなりやって来た。
「今日はやけに人が少ないなぁ。こっちは仕事が楽で嬉しいけど。この時期って何かあったっけ?」
「あぁ~確か隣の領地で祭りがあるんじゃなかったか?けっこう大きい祭りらしいから商人連中はこぞってそっちにいったんじゃね?」
「なるほど。そう言えばそんな時期か。良いねぇ祭り。俺も行きて~」
「相変わらずお前は祭りが好きだな。まぁ、俺も旨いものいっぱい喰えるから好きだけど。酒も美味く感じるしな」
そんな会話を同僚と交わしながらいつも通り街の砦で警備に当たりながら検問を行っていた。
そんな時
「りゅ!竜ーだーーーーーーーー!?」
突然上空に大きな竜が現れて周りが混乱し始めた。
「ざわざわ‼」
「キャーーーーーーー!!」
「この街はもう終わりだ!!!」
「死にたくないよ~~~!?」
俺は巨大な竜を見て硬直して動けなかった。
「ヤベェ!竜だ!どうする俺達だけで敵うのか!?」
(で!デカイ!!俺は死ぬのか?やっと結婚して、これからだって時にこんな所で死んじまうのか?いや、でも街には絶対入れさせはしない!!大事な妻が家にいるんだ!絶対通してなるものか!!!)
そんな決意をしていたら
「落ち着け諸君!!あの竜に危害を加えてはならない!あの竜は森に住む薬師の魔女殿の竜である!!此方が攻撃をしない限り危険はない!!」
砦の見張り台の方から砦に在中している兵隊長が魔道具を使って声を拡張させ、慌てている兵士や検問の為に並んでいた人達を宥めた。
(薬師の魔女だって?居なくなったんじゃ無いのか?それより、街は滅びなくてもいいのか?)
「お、おい!どうする!?薬師の魔女だってよ!俺、本物初めて見る!本当に実在したんだな!」
「お、おう。そうだな。先代の魔女が居なくなってからだいぶ経つからもう魔女はこの領地に現れないのかと思ってたぜ」
「魔女ってどんな人なのかなぁ?ヨレヨレの婆さんとかかな?俺的には美人なお姉さんがいいけどなぁ~。」
「お前は切り替えが早いな。俺はいきなり竜が現れたり薬師の魔女が現れたりで頭が混乱してるのに・・・。」
「人生楽しんだもん勝ちだからな!何時までもクヨクヨしてたりオロオロしてんのも時間の無駄だからな♪」
「ふっ。お前らしい。そう言うところは尊敬するよ」
「へっへっへ~。俺を真似しても良いんだぜ♪」
「ありがとな。でも、俺には無理そうだから遠慮するよ」
こうして街と俺の命の危機は去ったのだった。
今回、主人公一切出て来なかったですね。
すいません。




