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その男はある日突然やって来た。
「魔女様!!妹を妹を助けてください!?」
男は対岸の岸にあるボートで小島にやって来てルリの前に駆け寄り叫んだ。
「妹が全く良くならないのです!街で売ってる薬を飲ませたけど、熱も引かないし吐き気も止まらず食事も取れない状態なのです!魔女様の薬なら妹も治るかもしれない!お願いです!妹を助けてください!?」
いきなりやって来て叫びだした男にルリは驚いたが、直ぐに気配に敏感な竜のシロが反応していない事に気づき敵意が無いと判断して男に妹の病状や症状を聞き出した。
患者である妹の状態を聞いてルリは直ぐに毒草を摂取した時の症状と同じだと気づき男に再度質問した。
「貴方の話を聞く限り妹さんは毒草を摂取した可能性が高い。何か心当たりはない?」
それを聞いて男はしばらく考え込むと何か思い当たる事があったのか、ルリに話始めた。
「俺は普段冒険者として働いてて、家を留守にしている時は近所の妹と同い年の幼馴染がいる家に預けているんだ。妹が体調を崩した日の昼間にその幼馴染と一緒に山菜を摘みに行ったらしくもしかしたらその時に間違って毒草を摘んで食べてしまったのかもしれない」
男は事態の最悪な状況に気づき顔を青ざめた。
「山菜ねぇ~。それって他に食べた人はいるの?もし居るならその人達も危ないかもしてないね」
「山菜は我が家と近所の幼馴染の家で分けた。だけど、妹の幼馴染の家では体調を崩してるっていう話は聞いてない。今日も魔女様の所に行ってる間看病を頼んできたから」
「そう。一応、妹さんを診察した後で確認しましょう。とりあえず、直ぐに診察と薬の用意をするからちょっと待ってて。シロ!急患よ!外で飛べるように準備しておいて!」
こうして慌ただしく準備を始めた。




