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セリフばっかり、描写を文章にするのって難しい。
「えっと・・・」
いきなりの剣幕に驚いてルリは言葉を詰まらせた。
「旦那様落ち着かれませ、ルリ様が驚いておられます。旦那様がどの様な薬が欲しいのかもわからないではないですか」
「私としては薬を売るのは構わないのですが、セバスさんが言ったみたいに患者の容態や症状を聞かないとどの薬を売っていいのか分からないので詳しく教えてもらえますか?」
「オホンッ。すまない、少し焦っていた様だ。実は私の妻が病で床に伏せっていて薬が必要なのだ。最悪なことに妻には回復魔法が効きにくく、更に体調が悪くなる始末なのだ。だから、是非とも魔女殿に薬を売って欲しくて焦ってしまった」
ルリはキースから聞いた事を頭の中で整理しながら会話を続けた。
「回復魔法が効きにくいですか・・・。奥様の様な方は稀にいらっしゃるのですよ。特に魔力が高い方に多くいるみたいで、薬は基本的に値段の高い治療魔法や回復魔法が使えない庶民の方たち向けに売っていますが、奥様みたいに回復魔法や治療魔法が効きにくい体質の方にも売っているので私の薬で良ければ使ってみてください。ちなみに、奥様はどの様な病状や症状なのですか?」
こうして、ルリの魔女としての始めての仕事が始まった。
※この世界には魔法が実在しています。
基本的に魔法は貴族のものとされています。
庶民でも魔法は一応使えますが、基本的に生活魔法だけで、攻撃魔法はほとんど使えません。




