12話 4人は仲良し
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俺は今、3対の探るような目に晒されている。
ここはミーナの家の客間。
いま、目の前には、3人の容姿端麗な女性が座っていて、俺のことをジッと見ている。
こいつを見定めてやろうと言わんばかりに。
ちなみにミーナは俺の横に座っていて、あはは、と他人事のように笑っている。
はあ、ちょっとぐらいは支援が欲しいところだ。
改めて、目の前の女性陣を端から順番に見ていく。
右に座っている腰まである長いストレートの髪をした、俺のことを興味深そうにキラキラした目で見ているかわいらしい女性はクリステラさん。
前教皇の孫で信仰の聖女と呼ばれてるんだそうだ。
真ん中の金の髪をボブにした勝ち気そうな顔で、俺を睨むように見ている女性はラテリナさん。
癒しの聖女で伯爵家出身らしい。
最後に左端にいるのは、肩まであるまっすぐな髪をしたクール系の美少女。ジッと無表情で俺を見ているのはリスティアさん。
予言の聖女で侯爵家出身らしい。
一番身分が高いのは、リスティアさんかな、いや、教皇の孫ともなると、下手な貴族よりは偉いのかもしれない。
まあ、この中で最下位は俺だが。ミーナはこう見えて聖女様だしね。
……何言われるか分からないけど、言葉には気を付けよう。
「で。」
そう言って、ラテリナさんが口を開く。どうやら彼女が仕切るらしい。
「あんたがミーナの幼馴染のリト?」
あ、はい、幼馴染をさせていただいているリトです。
と、心の中で話し、一つ頷く。
「ふーん。あんまりパッとしないわね。」
そう言ってじろじろ見てくる。
ミーナが横から。
「ラテリナ、あんまりリトをいじめないであげてね。」
ラテリナはミーナに顔を向けて心外だというように顔を左右に振ると。
「いじめるだなんて心外ね。尋問よ。」
「あははは。」
汗を滴しながら、乾いた笑いをするミーナ。
いやいや、尋問ってなんだよ。
すると、クリステラさんが、バッと身を乗り出す。
「私はしっかりした方だと思いました! 先程から見ていて、端々のマナーから教育を受けられたように見えましたし。」
ハキハキと話す彼女にラテリナさんは、
「うーん、そうかしら。まあ、たしかに普通の村民よりはしっかりはしてそうだけど。」
と言って、こちらを再度見る。クリステラさんもこっちを見てきて、
「……ただ、貴族のものとは違うような感じはしましたが。それは、ご両親に?」
と聞かれたので、俺は……曖昧に笑って誤魔化す。
だって、両親はミーナもよく知ってるし、怪しまれるだろうけど、下手にしゃべるよりはマシだと思った。
まあ、上手言い訳が思い浮かばないだけなんだが。
次回は5/8の予定です。




