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29話 ひさしぶり

それではどうぞ。

美人の受付嬢の冷たい目にさらされること数分。


……こうやって美人にずっと睨まれていると変な性癖に目覚めそうだな。


ようやくフーリエが戻ってきた。


「リトさん、メリッサ様が会われるそうですぅ。こちらにどうぞぉ。」


「「え?」」


俺と美人の受付嬢の言葉が重なる。


「どうしましたぁ?会われるのですよねぇ?」


「あ、ああ。行くよ。ありがとう、フーリエ。」


いや、今日はアポイントメントだけで後日かなっとちょっと思っていました。


受付嬢の驚愕の顔を横目に俺は奥へと入って行った。



フーリエの後ろについていくと、ドアの前に案内された。


「ここですよぉ。ちょっと待ってくださいねぇ。」


フーリエはドアを数回ノックする。

ドアの向こうから声が聞こえた。


「はい、入っていいですよ。」


フーリエはドアを開けると、さあどうぞとドアの中に入るように促した。

俺はドアの向こうの見知った顔を見て、中へと入った。


「ひさしぶりですね、リトさん。お元気でしたか?」


「ああ、久しぶり。元気だったよ。」


「そうですか。それはよかったです。なんでも馬小屋で寝てたとか聞いてましたから、うふふ。」


俺はたらりと冷や汗を一つ流した。


何で知ってるの?

いや、情報源は一人しかいないのだけれど。


部屋の中には大きな執務机があり、その前に少し低い机とソファが置いてあった。


メリッサはソファにどうぞと俺に座すように促した。


「ああ、ありがとう。」


俺はメリッサに許可されてからソファに座る。

メリッサはジーっと俺を見ているのに気づく。


俺は頬を引くつかせながら。


「えーっと、どうしたんだ?」


メリッサは二コリを笑みを浮かべると。


「いえいえ、リトさんは私が許可してからソファに座られたものですから。冒険者の方は許可も得ずに座られる方がほとんどなのに。リトさんは辺境の村出身なのに行儀作法がしっかりされているなと思いまして、うふふ。」


ついつい前世の記憶のままに対応した俺はドキッとしながらなんとか取り繕う。


「あ、あははは。たまたまじゃないかな。たまたま。」


「そうですか、うふふ。」


さっそく、そんなつばぜり合いをしている中、それまでジーっと俺たち二人のやり取りを見ていたフーリエが話しかけてきた。


「メリッサ様、それでは私はこれで失礼します。」


「ええ、ありがとう、フーリエ。」


そう言った後、ドアを閉めてフーリエは帰っていった。

フーリエ、普通にしゃべれるんだ。

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