22話 勢い
投稿を始めてから約2カ月になりました。ここまで続けてこられたのも皆さんのおかげです。
ありがとうざいます。
それでは続きをどうぞ。
「リア、大丈夫か。」
ギルドの建物から出てだいぶ経っても手を離さずに進むリアに俺は声をかける。
彼女は少し冷静になってきたのか、立ち止まるとこちらを向いた。
「あはは、……リトさん、すいません。勢いあまって出てきちゃいました。」
メリッサさんに用があったんですけど、そう言って気まずそうに苦笑いを浮かべる。
「いや、べつに構わないけど。……ギルドに戻るか?」
まあ戻るにしても少し時間を置くか日を改めた方がいいだろうが。
「いえ止めておきましょう。本当はメリッサさんに目ぼしい素材があれば譲ってもらおうと思ってたんですけど……。」
なるほどね。
じゃあ、どうしようか。腕輪の木だったらそんなに上等でなくてもいいんだけど。
「うーん、せっかくここまで歩いてきちゃったので、外に出ましょうか、リトさん。森まで行けば木も手に入るでしょうし。」
周りを見ると、そこは王都の端、街の外に出るための門の近くまで来ていた。
露店から直接来たから売り物をそのまま持ってきているけれど、まあそんなに量があるわけではないし、……構わないか。
「えっと、日帰り?」
構わないのだけれど、日を跨ぐ準備はしてきていない。
俺はリアに確認してみた。
リアは少し考える。
「うーん、そうですね……。日帰りにしましょう。準備をしてきているわけではないですし。」
なら、問題ない。
俺たちは二人で急遽、街の外へ出ることにしたのだった。
◇
そこは、先日ミーナとやってきた森だった。
出てくる魔物はリアが魔術であっさり倒していく。
俺はそれを見ているだけ。
……まあ、俺に戦えと言われても何ができるというわけでもないのだが。
いざとなれば、スキルを使おう。
スキルがばれるのは嫌だが、命には代えられないしな。
周りを見ると、鬱蒼と木々が生い茂り、以前薬草を摘んだ辺りより深い場所にいるようだった。
魔物に会う頻度も以前よりは多い。
「この辺りで探しましょうか。あっ、リトさんは私から離れないでくださいね。この辺りの活動的な魔物は粗方片付けたと思いますが、残ってはいますので。」
……なるほど、激しい音がする魔術をはなっていると思っていたらわざとだったみたいだ。
「ええ、わざと音をさせて自発的に襲ってくるような魔物をおびき寄せていたんです。それ以外の魔物は自分から逃げるでしょうから。」
「いやでも、強い魔物が出てきたらどうするんだ?」
リアは突然驚いた顔をしてこちらを見る。
……いや、何? 俺、何か変なことを言った?
「いえいえ、この辺りの魔物だったら片手でも片付きますよ。そりゃ、運が悪くこの前のヴァンパイアみたいなとんでもないクラスが出てきたら難しいですけどね。」
なるほど、あの程度は簡単らしい。
……よく考えたらリアもミーナと同じ勇者パーティ、怒らせると駄目な人種だった。
いや、これはフラグか!?
ヴァンパイアには苦い記憶がある。
あのクラスのとんでもない魔物が出てくるのでは!?
だいぶ書き溜めがなくなってきました。
どこかで時間をみつけないと。




