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21話 ライバル?

ちょっと書き直すかもしれませんが、どうぞ。

カランコロン。


ギルドの建物の入り口にあるドアを開けて中に入る。


俺とリアを見て、中にいた冒険者たちがざわつく。


「また来やがった。」


そんな声が聞こえる。



周りを無視して受付嬢のところに向かう。

受付を見ると……どうやら今日はフーリエはいないようだ。


リアは空いている受付台に行って話しかける。


「ねえ、ちょっと聞きたいんだけど。」


「は、はひ。」


リアを見てびくっと驚き、不安そうに答える名も知らぬ受付嬢。

うーん、前に来た時も思ったけれど、リアって怖がられてる?


「メリッサさんはいる?」


「へ、副ギルド長ですか?えっと、アポイントメントは……。」


ああ、なるほど、メリッサに相談に来たのか。

たしかに、あいつなら相談に乗ってくれそうな気が……、いや借りが増えるだけのような。


それよりなにか聞き捨てならない単語が出てきたような……。


「そう副ギルド長よ。アポイントメントはないわ。」


メリッサが副ギルド長? え? マジ?


「いやでもいきなり来られても困ります。」


「少しだけ時間を作ってほしいの。メリッサさんいるんでしょ。」


おお!? いつもどおりの強気のリアだ。


「うぅ、そうは言われましても……。困ります。」


少し涙目になっている名も知らぬ受付嬢。


なんか俺たちがいじめているみたいだな、そろそろリアを止めるべきか……。


それにしてもこの対応を見ていると、フーリエって結構やり手なんだろうか

語尾はちょっと気になるんだけどね。



カランコロン。



そんな別のことを考えていると、後ろでドアの開く音がした。

足音から入ってきた人物はまっすぐにこちらに向かってきているようだ。


俺は後ろを振り向いて確認してみた。


うん、知らない人だ。


リアの方に向かって歩いてきたのはリアと同じぐらいの年の金髪の美少女だった。

しかも、明らかに貴族ですと言わんばかりの縦ロールだ。


あんな髪型ほんとにあるんだな。


そう思わずにはいられない。


「あら、だれかと思えば、リアじゃない。」


縦ロールがリアに向かって話しかけてきた。


……いやいや明らかにリアって分かってたよね。だって、入ってからまっすぐにリアのところに向かっていたから。


「え?……ヒルデガルドさんですか。……何か御用ですか?」


リアは相手がだれか分かると、声のトーンを落とし冷めた目でヒルデガルドさん?を見た。


あの口ぶり、どうも因縁のある相手みたいだな。


「ふふ、とくに用というわけではないですけど。ほら、ギルドのスタッフに絡んで困らせているみたいでしたからね。いったいどこの学のない人間かと思ったらリアさんでびっくりしていたところでしたのよ。」


「ちっ。」


明らかに絡んできたって感じだな。リアもかなりいら立っているみたいだ。

舌打ちまでしているし。


「まあ、仕方ありませんよね。そんな安っぽい杖しかもっていない貧乏魔術師では気も短くなるってものでしょう。まあ、優秀な血筋の魔術師である私のように優雅でないと。」


そういって、リアを見下すように見た後に、手を頬に当てると高笑いをした。


「おーほっほっほ。」


……いやーああやって笑う奴っているんだな。


俺はそう思いつつリアを見ると彼女は無言でヒルデガルドを睨みつけていた。


「まあ、それにしても本当に安っぽい杖ですわね。ほら私の杖を見てくださる。竜の骨で拵えた我が家に伝わる由緒ある杖ですのよ。」


「……。」


リアは無言で何かにぐっと耐えるようにしていた。


それを見たヒルデガルドはあからさまに侮蔑のまなざしをして嘆息する。


「はあ。まったく、言い返す言葉もないみたいですね。……まったく、それでは勇者様のパーティにはふさわしくありませんわね。」


それを聞いたリアはヒルデガルドを睨み返す。


「そんなことありません!」


「へえ、そうかしら。それでは私と決闘で決めませんこと?どちらが勇者様のパーティにふさわしいかを。」


「そ、それは……。そんなこと私だけでは決めれません。」


「へえ、怖いのかしら。自分に自信がないのね。それではやっぱり勇者様のパーティにふさわしくないのでは?そうでないのなら、私と決闘もできるでしょう。」


「そ、それは……。」


「私から魔術ギルド長に言っておきますわ。リアは魔術に自信がないって。そんな魔術師を勇者パーティの一員においておけるかしらね。」


「くっ。……わ、分かりました。ヒルデガルドさんと決闘をします。」


それを来たヒルデガルドはニヤリと笑みを浮かべる。


「ええ、それではよろしくお願いしますね。決闘の日は一週間後としましょう。」


「……はい。分かりました。」



リアは返事をした後、俺の方を見ると。


「リトさん、行きましょ。」


そう言って俺の手を引くと、ギルドの入り口に向かった。

背後から、ヒルデガルドが声が聞こえた。


「それでは決闘の日が楽しみですわ。せいぜい腕を磨いておいてください。まあ、その日が勇者パーティでいられる最後の日でしょうけれど。」


リアは無言のまま、ドアをくぐった。

金髪縦ロールっていいですよね。

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