表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/98

20話 依頼達成

いつもありがとうございます。

それではどうぞ。


俺たちは街に戻るとさっそくギルドに向かう。


ギルドの受付にはフーリエがだれてうつ伏せになっていた。



「フーリエ、薬草をとってきたんだけど……。」


薬草を手に持ったまま俺はフーリエに声をかけると、彼女はのっそりと起き上がる。


「ほえ。……リトさん!? あっ、ああ、依頼達成の確認ですねぇ。」


彼女は慌てて手元の書類をあさり始めた。


「あ、あった。これ、これですぅ。」


おっ、どうやら目的の物を見つけたようだ。

俺とミーナがじっと見ていることに気づくフーリエ。


「あ、……おほん。そ、それでは確認しますね。」


一つ咳ばらいをすると、フーリエは俺の持っていた薬草を受け取ると確認し始めた。


「なるほどぉ、ふむふむ。む?、むむむ。」



うーん、何を確認しているんだろう。

ちょんちょんと、腕を横からつつかれる。


横を見ると、ミーナが俺を指でつついていた。


「ねえ、何を確認しているのかな?」


俺はちらりとフーリエを見た後、ミーナの方に向く。


「うーん、やっぱり、薬草の質とかじゃないか?新鮮かどうかとか。」


ミーナは納得したような顔をして。


「なるほど、たしかにそうね。」


二人でそんなことを話していると、フーリエから声がかかる。


「はい、確認しましたぁ。たしかに薬草を依頼分採取していますぅ。」


うんうんと頷くフーリエ。そして、前にお金を置く。


「えっと、これは?」


俺は依頼達成の報酬とは思ったけれどいちおう聞いてみる。


「はい、依頼達成の報酬ですぅ。それでは薬草は教会の方に渡しておきますね。……えっと、聖女様が渡されますか?」


彼女はミーナの方を見ると、遠慮がちに聞いてきた。

俺もつられてミーナの方を見る。


「うーん、ギルドの方から渡しておいて。」


「はい、承知いたしましたぁ。」


「あ、私のことはミーナでいいわよ。聖女様って言いにくいでしょ。それに聖女って一人じゃないしね。」


「それではミーナ様で。」


さすがに呼び捨ては難しいみたいだ。まあ、リアも様付けだったしね。


「それじゃ、ミーナ、報酬を分けようぜ。」


俺はフーリエの前に置いてあったお金を受け取るとミーナに話しかけた。

ミーナは首を横に振ると。


「これはリトがとっておいて、私そんなにお金に困っていないから。それにあなた宿代も必要でしょ。」



うっ、それを言われると……。

いやでも、さすがに俺が独り占めするわけには。



そんな俺の思いを知ってか知らずかミーナは続ける。


「それにリトと一緒に冒険に出れたのが楽しかったしね。そっちの方が私にとっては大切だわ。」


そう言われると更に渡しにくい。



……はあ、ありがたくもらっておくか。



二人そろってギルドを出る。



「それじゃあ、私はここで分かれるわね。そうそう、また様子を見に行くから無茶したらだめよ。」


俺はおとなしく頷く。


「ああ、分かってるよ。」


ミーナは手を振ると、背を向けて歩いて行った。



さて、俺も帰るか。

……そういえば、聖女って一人じゃないんだな。あ、もしかしてミーナの言っていた友達って聖女だったりして。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ