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17話 到着

それではどうぞ。

誤字報告ありがとうございます。いつも助かっております。



王都の門を出て2時間ほど歩く。

遠くに目的の森が見えてきた。



「ふーん、ふんふーん。」



横ではミーナが鼻歌を歌いながら楽しそうに歩いている。


ミーナを見ていると、彼女は俺の視線に気付いたのかこちらに顔を向けた。



「リト、どうしたの?こっちを見て。」


「いや、ミーナが楽しそうだなと思って。」


「それはもちろんよ。だって私、いつかリトとこうやっていっしょに冒険に行きたいと思っていたの。」



……そういえば、まだ村にいたとき、ミーナといっしょに冒険に行こうと話をした記憶もある。

あれはまだスキルに目覚める前だったし、冒険者といえば子供にとっては憧れの的でもあった。



「ねえ、リト。大きくなったらいっしょに冒険にいこうね。」


「うん、ミーナ、ぜったいだよ。」


「ねえ、ミナ姉私もいく!」


「あはは、もちろんよ。アミスもいっしょにね。」



まあ、そんなことを言っていたなぁ、俺。


王都までの旅も冒険ではあったけれど、こうやって冒険者ギルトで依頼を受けてこそ冒険といった感じもする。



俺はミーナに頷き返す。



「そうだな、俺もそう思うよ。」


「やっぱり、リトも?」



俺も同じなことがうれしいのかミーナは小さな声でやったと言っていた。

こうやってみるとミーナ、かわいいよね。


そう思いながら先に行くミーナを目で追う。



あれ? ……アミスにばれたら拗ねないか、これ?

あいつ拗ねたらやっかいなんだよな……。





森に入り少し開けた場所に着くと、ミーナに薬草の形を教えてもらって、二人離れすぎないように散らばって地面に生えている薬草を採取をする。



薬草の形はミーナが知っていた。



ただ、俺が知らないことをミーナが知ったときには。



「もう、リトは薬草がどんなのかも知らないでここまで来たの?しょうがないわね。まずは私が一つ採るからそれを参考にしてね。」



と怒られた。


いや、だってねぇ、そんな薬草なんて採る機会なんてなかったんだもの。

ミーナはどうして知ってるんだろう?



「え?わたし?だって、聖女の教育で教えてもらったのよ。治癒魔法が使えないときには薬草を使うことだってあるからね。」



なるほどね。

ミーナもさぼらずにちゃんと勉強してたんだね。



「あのね、リト、わたしだってちゃんとしているわよ。」



ジト目で見てくる彼女からさっと目をそらした。


いや、ミーナ村にいたとき、そんなに勉強をするようには見えなかったので……。

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