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14話 予定

いつも読んで頂きありがとうございます。」

それではどうぞ。

何の覚悟かわからないが、俺は宿に入って行く。

ミーナの座っている机に近づいていく。


周りの冒険者が少しざわつく。



「(おい、あいつ近づいていくぜ。)」


「(あいつ、あれが誰か知らないのか?)」



こちらをちらちらと見ている視線を感じた。



ご心配なく、あれが誰か知ってますよ。と言うか知り合いで俺に会いに来たそうです。



俺が机に近づいたとき、ミーナがこちらを向く。

すると、それまでの冷めた顔が突然に笑顔に変わる。



「あ、リト。おはよう、起きてきたのね。」



周りのざわつきが大きくなった。



「(おいおい、どういうことだよ。)」


「(ああ、さっきの奴と同じように、また冷たくあしらわれると思ったのに。)」



なるほど。

どうやら俺が食堂に来るまでにいろいろあったみたいだ。



「ミーナ、おはよう。えっと久しぶり、っていうほどでもないか。」


「あはは、そうね。一週間ぶりぐらいかしら。」



楽しそうに笑うミーナ。

ミーナが村から出てから経っていた時間に比べると一週間はずいぶんと短い方だ。



俺は朝食を頼んだ後に、ミーナの向かいのイスに座る。



「それでどうしたんだ?朝からここに来るなんて。」


「ええ、昨日の晩にリアからリトのことを聞いてね。」



やっぱりか。

いったいどんな話を聞いたんだか。



「えっと、それってどういったことを?」



とりあえずは聞いてみるか。



「もう、そんなに身構えないで。そんなに大したことは聞いてないわよ。」



ミーナはぷくっと頬を膨らませる。

彼女は、はあ、とため息をつくと。


「リアがたまにはリトに会いに行ってあげて、っていうからね。」



それだけ?



そう思いつつ、彼女を見る。


「まあね、でもリアがそんなこと言いに来ることなんてそうそうないからね。とりあえず様子を見に来たの。」



ほっとする俺に問いただすように、ジーっとこちらを見るミーナ。



「……リトの様子を見ると、どうもやましいことことがあるみたいだけど。」



うっ!?

しまった、藪蛇だったか。



彼女は再度ため息をつく。



「はあ。……まあいいわ。とくに大きな問題は起きてないみたいだし。」



はい。心配をおかけしてすいません。



王都での生活を含め、村以外の暮らしについてはミーナの方が先輩だ。

それに心配して見に来てくれたみたいだしな。



「それとリアに聞いたんだけど、冒険者の登録したんでしょ?」



何かを期待するように聞いてくる彼女に俺は胸元に下げていた冒険者のタグを見せる。

彼女はそれを見て、うんうんと頷くと。



「それじゃあ、朝食の後にギルドに行って、何か依頼を受けましょうよ。」



うーん、朝食の後にいつも露店を出している場所に木彫り細工を売りに行こうと思っていたんだけれど。


……まあ、今日ぐらいはいいか。


彼女は嬉しそうな顔を見るとそう思うのだった。

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