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12話 ヒモではない

いつもよりすこし長くなりましたが切りが良いので。

それではどうぞ。

「はあ、驚いたわ。 まったくあの子はああいう話が好きなんだから。」


リアはため息をついた。 ただ、なんとなく彼女のことはよく知っているような素振りだ。


「えっと、フーリエとは仲がいいの?」


気になって聞いてみる。

リアはこちらに目を向けると。


「へ? ええ、そうですね。初めて冒険者に登録した時からの仲だから、もうずいぶん経ちます。ああ見えて結構やり手なのですよ、彼女は。メリッサさんにも一目置かれてますしね。」


なるほど。

メリッサの名前が出てくると説得力がある、気がする。


リアは、ポンっと一つ手を打つ。


「そうだわ。これから何か相談があれば彼女を頼るといいわ。なんだかんだ言って面倒見がいいですしね。」


おぼえておこう。


俺はフーリエが向かった先を見ながらそう思った。





登録が完了したらしく、フーリエから金属でできたタグをもらう。


「これはなくさないでくださいねぇ。」



俺は、わかったと頷くと首からかけておく。

それを見届けた後、フーリエは再度聞いてきた。



「それでぇ、リトさんの用はいったいなんですかぁ?」


リアはいま思い出したかのような顔をして。


「ああ、そうそう。リトに冒険者が使う安くて安全な宿を紹介してほしいんですよ。」


「安くて、安全ですかぁ? うーん、どこがいいでしょうかねぇ……。」



俺が口をはさむ間もなくリアとフーリエで話が進んでいく。


お!? どうやら決まったようだ。



場所を確認したリアがこちらに顔を向ける。


「それじゃ、行きましょう。」


俺もフーリエにお礼を言うと、手を振ってリアに続いて冒険者ギルドを後にした。





宿に着くと、リアが店主の女性と二人で話を進める。


リアがこちらを向いて確認してくる。


「リト、とりあえず3週間ぐらいでいい?」



え? いやまあいいけれど。


……今日だけでリアがけっこう気安くなってきている気がする。まあ、悪い気はしないんだけれど。


あと、お金が……。


そんな俺の意思は意見は無視して、彼女は店主にお金を渡す。



え?



「リト。さっき依頼した件から前払いで払っておきます。」


「いや、でもそれじゃあ。」



そんな俺の言葉をさえぎって。



「いえ、構いません。それよりもお願いしますね。」



そこまでしてもらったら、手を抜くわけにはいかないか。

……いや、手を抜く気はなかったけれど。


俺は気を引き締めなおした。



さて、素材には何を使おうか。

せっかくだから、この辺りにある木を使いたいところだけれど……。



リアは俺の悩みを聞くと。



「そうですね……。そういったことは冒険者に依頼を出すといいのですが依頼するにはお金もいりますし。」



そう二人で悩んだ後、今度、フーリエに相談しに行く約束をして別れるのだった。





久しぶりにベッドでぐっすりと眠ることができた俺は、朝、窓から入ってくる日の光でゆっくりと目を開く。



やっぱりベッドで寝ると疲れが取れるな。

いや、藁も中々よかったけどね。



ベッドから降りると支度をする。



さて、朝飯を食った後にいつもの場所に売りに行くかな。

今日も木彫り熊が売れるといいんだけど。



そう思いつつ、部屋から出て1階の食堂に向かう。

どうやら、ここは宿代に朝食代が入っているそうで、朝、時間内に食堂に行くと朝飯を用意してくれるそうだ。


いつも朝食抜きだった俺からしてみればありがたいことだ。

リアとここを紹介してくれたフーリエに感謝しつつ、階段を下りる。



食堂に近づくと、どうやら朝の食堂はそれほど騒がしくないようで、小さなひそひそ声が聞こえてくるのみだ。


食堂に入ろうとして見えた影の正体に気が付く、再び戻る。



え!? なんでミーナが食堂にいるの?

次回は久しぶりの幼馴染回です。

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