4話 行きつけの
よろしくお願いします。
リアに連れられて店に向かう。
どうやらここは冒険者御用達の食堂だとか。
リアも冒険者なんだよなあ。
村から王都までの旅では、俺の眼とか、アミスの木剣とかに驚いていたシーンしか覚えてない。
出てくる魔物はユウヤやラキが剣でばっさり倒していたし。
いや、たしか、あのヴァンパイアが出た村で、すごい音をさせていたような。
直接目にはしていないが、次の日に見たら、広範囲で地面が黒く焼け焦げていた。
ミーナが殲滅はリアの方が得意だとか言ってたっけ……
比較的大きな建物。リアに続いて入口から店に入ると、元気のよい女性の声がかけられる。
「いらっしゃーい、何人ですか?」
そこには、前世でいうウェイトレスだろうか。
俺たちと同い年くらいの女の子が立って、こちらを見ていた。
「お?」
その子はリアの方をじっと見ると。
「って、リアじゃん。またそんなローブを深々とかぶって。」
どうやらリアの知り合い?
よく来るのかもしれない。
そう言われたリアは顔を出した。
「はあ、もううるさいわねぇ。ほっといてよ。」
「あはは。……であんたの隣にいる人だれ? あんたが誰かと一緒に来るなんて……、初めてじゃない?」
こちらをジーっと見てくるウェイトレス(仮。
なんか答えた方がいい?
「あ、俺は……。」
「知り合いのリト。別に誰だっていいでしょ。」
遮るようにリアが答えた。
「ふーん。まあいいや。私は給仕のシーナっていうの。この店の看板娘ってやつ。よろしくね。」
彼女はそう言って俺とリアをニヤニヤ見た後、空いている席に座ってと言うと、店の奥に入っていった。
周りを見ると、夕飯には少し早い時間だからだろうか、席はまばらにしか埋まっていない。
リアは奥に進んでいくと、席に着いてこちらを見た。
俺も慌てて、リアの向かいの席に向かい座る。
「はあ、ごめんなさい。あの子、けっこう騒がしいから。」
「あはは、いいよ。別に。」
そう返しておく。
まあ、特に何をされたというわけでもないし。
「料理は適当でいい? 私が頼んじゃうわね。」
「ああ、それでいいよ。」
リアは、また俺たちをいじりに来たシーナに料理を注文して追い返す。
それにしても。
「えっと、結構多くなかった?」
そう、注文した料理の数が多いような気がした。
「え? そう? 男の子ってこれぐらい食べるんじゃないの?」
きょとんした顔でリアはこちらを見た。
……いや、まあ、食べれるけどね、ここ最近、ろくに食べれてなかったから。




