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25話 襲撃

よろしくお願いいたします。

村の外にはグールの大群、どうやらその奥にこいつらの親玉がいるらしい。



村の外と言っても周囲に壁があるわけではない。

小さな柵があるだけだ。



すぐに柵を乗り越えてやってくるだろう。



ユウヤ、ラキ、リア、それにアミスが前に出る。

……アミス、大丈夫か?


「兄さん、大丈夫だから。兄さんは私が守る!」


そう力強く言っていた。



4人が飛び出ると同時に、ミーナとメリッサの二人が併せて詠唱する。


すると同時に村全体を覆う光る膜。


結界?



「すごい!?」



思わず声が出る。

こんな大規模な魔術を見たのは初めてだ。


それが聞こえたのかミーナが自慢げにこちらを見て笑う。


「ふふ、そうでしょ。これで当分は大丈夫よ。あんなグール程度にこの結界は破れないわ。」


結界の外ではユウヤ達が、グールを倒していた。


アミスも頑張っている。



後ろからメリッサが聞こえるように呟く。


「アミスさんの剣、すごいですね。いったい何でできているんですか?」


アミスが剣を振るうとグールは紙のように切られていた。

並みの硬さじゃああはならない。



え? 家にあったとんでもない硬さの木を使っただけですよ……。



あれ、何の木だったんだろう。

そう思っていると、それまでアミスを見ていたミーナが手に持ったこん棒をじっと見る。


「リトの家のおじさんとおばさん、時々、旅に出ては変わったもの持って帰ってきてたものね。」



「そ、それよりも今は村人を避難させよう。」


今はそっちの方が優先だ。

話を逸らしたかったわけではない。



村人は最も大きな村長の家に避難することになっている。



俺とミーナは避難してきたみんなを順番に案内していく。



あらかた避難できただろうか。

そう思い、集まった村人たちをちらりと見た。


ん?


「どうしたの? リト。」


「あ、ああ、いやちょっと気になった。」


そう思い、村長に確認する。


「銀色の髪の女の子ですか?」


「はい、先日の夜に会って話をしたもので。」


「いやいや、そんな子はこの村にはいませんよ。何かの見間違いでは? そのぐらいの年頃の女の子はみんな揃っているようですし。」


そう言って集まっている村人たちを見渡す村長。



気のせいではないだろうが、確かに村人には見えなかったのは事実だ。



うーん、どうすべきか。

もしかしたら、どこかの家に隠れているのかもしれない。


黒幕ではないみたいだし……。


そう思った俺は、村長の家を離れる。


「リト、ちょっとどこに行くのよ!」


後ろから聞こえる声には答えず、彼女を探すために走り出した。

いよいよこの章も締めに近づいてきました。

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