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23話 敵情視察

いつもより少しだけ長いですが切りが良いので。

外に出て集まっていると、村人たちも集まってきた。

俺とメリッサ、ミーナが村長に事情を説明する。


ふと周りを見てみると、村人たちは怯えはしているものの、驚きはないようだった。



事情を話した後、ユウヤやメリッサ、勇者パーティが村長と集まって今後の対応を話している。


俺は少し離れたところでその様子を見ていた。



周りの村人も個々に集まりこそこそと話している。



俺の横にアミスがやってくる。


「兄さん、大丈夫だった? ケガはない?」


「ああ、さすがにヤバいかと思ったけど、ミーナとメリッサのおかげでなんとかな。」


「そう、よかった。」


「アミスも、あれについて聞いたか?」


そう言って、縛られている村人の格好をした男を指す。

いや、どうも村人らしい、元ではあるが。


「うん、グールっていうんでしょ。」


グール、これまたファンタジー小説に出てくる定番の魔物だ。

たしか、ヴァンパイアに血を吸われて眷属にされた元人間だっけ?


この世界のグールは自分の意識はなく、操られるままに動くらしい。


「今回の相手はヴァンパイアなんだってな。」


「うん。兄さんが部屋に戻った後に村長からこの村が強い魔物に狙われているって話があったの。」


なるほど。

ん? ヴァンパイアって分かってたのか?


俺の疑問に気づいてか、アミスが教えてくれる。


「みんな、当たりはついていたみたい。村人が何人も行方不明になっていて、村の外で干からびた死体があったらしいの。ヴァンパイアが近くにいる特徴なんだって。でも、こんなに早く動くとは思ってなかったみたい。」


運悪く俺が狙われたってことか。

って、なんで俺が?


うーん、一番弱そうだからか?


鍛えたほうがいいかな?

でも、ミーナや他のみんなみたいな強さになれるとは思わないし……。



あ!? そもそもさっき襲われた時、スキルを使えば良かったんじゃないか?



人間とっさにはスキルを使えないものなんだな。

やっぱり少しは鍛えることにしよう、……王都に着いてから……。


よし、終わり。



横を見ると、アミスも一人で何か考え込んでいるようだ。



「お兄ちゃん、大丈夫だった?」


後ろから声をかけられ、振り返る。

そこには、この村では珍しい銀色の髪をした女の子が立っていた。



「ん? ああ、ケガはないよ。ありがとう、心配してくれて。」


「そう、良かった。でもこれからどうなるんだろ……。」


「大丈夫さ。」


「え?」


村長と話し合っている勇者パーティのみんなの方を見ながら、そう元気づける。


「ほら、あそこにいる俺の仲間。勇者や聖女なんだよ。だから、すぐに片付くさ。」


彼女はあちらを見ると、みんなの顔を覚えるようにジーっと見る。


「そう、勇者なんだ。……だったら大丈夫だね、お兄ちゃん。」


こちらを見ると、にっこり笑った。


「もちろん。」


強く頷いた後、もう一度みんなの方を見る。

あれ? メリッサがいつになく真剣な目でこっちを睨んでいる。


……俺、何かしたっけ?

何もしてないよね。


目を逸らすように後ろを見ると、さっきまで話していた女の子はいない。

周りを見てみても、そんな子は見当たらない。


はっ!?


俺は前世の知識をフル活用して気づいた。

あれってもしかしなくても黒幕だよね?


そして今のは敵情視察か!

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