21話 今後
よろしくお願いいたします。
少し豪華な夕飯を頂いた後、俺は一人、寝泊まりする部屋に案内された。
どうも他のみんなは村長たちと込み入った話があるらしい。
うーん、今日、村の入り口で感じた雰囲気に関連した話かな?
また、魔物の討伐だろうか。
もしそうだとすれば、あの雰囲気から言って結構大物なのかもしれない。
ゴブリンぐらいだったらこの村だと倒せるか、冒険者を雇えそうなものだ。
そうそう、冒険者。
冒険者がいるのは知っていたが、王都に行けば冒険者ギルドがあるらしい。
どうやら大きな街にはあるらしい、とメリッサが教えてくれた。
俺の故郷の村にはギルドなんてなかった。まあ、小さいしな。
ちなみに冒険者というジョブがあるわけではない。
魔物を倒してその素材を売ったり、村々の困りごとを依頼を受けて解決する仕事を総じて冒険者と呼んでいるのだ。
たしか、メリッサもかなり上級の冒険者だとか言ってたよな……。
今度、冒険者について聞いてみようかな。
なにか代価を求められるかもしれないが……。
◇
特にやることもないので、前の村で少しもらっておいた木片を使って、久しぶりに木彫りの装飾品を作る。
合間を見て作りだめをしているのだ。
もうすぐ王都。
着いたら生活をするためにお金を稼がないといけない。
戦闘系のジョブではない俺は、魔物を狩って生活はできないだろう。
いや、兎ぐらいの大きさの小型の魔物は狩れるだろうが、まあ金にはならないだろうし。
薬草ぐらいは摘めるかな? いやいや、もし魔物にあったら……。
スキルを使えば何とかなるんだろうけど。
ダメだダメだ、こんなの使えばどうなることか。
まあ、当初の予定通り、この木彫り細工で一発当てて貴族のパトロンでも得て暮らすことを目指そう。
それまでは細々と露店で細工でも売るか。
そんなことをミーナに言った時には、彼女は胸を張り任せておけとでも言うように。
「リト、私が養ってあげるわ。これでも結構なお金持ちなのよ、私。王都に家もあるしね(……リトと暮らすために奮発して買ったのよね)。」
最後何かぼそぼそ言っていたけど、まあ、それは本当に最後の手段だ。
さすがに聖女のヒモは……、ちょっとね。
幼馴染で、元?婚約者だし別に大丈夫……、いやいやダメだって。




