13話 経験
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村の入り口に向かうと、勇者パーティの面々が戻ってきていた。
とくにケガはなさそうだ。
俺はミーナとアミスと見てそう思った。
そして、こちらをジーっと睨みつけてくるリアと目を合わさないようにした……。
村長がこちらに来て声をかける。
「勇者様、お疲れ様です。先ほど、声が聞こえましたがどうされましたかな。」
「ん? ああ、リアが突然その柵を見て声を上げてな。」
そう言ってユウヤはリアを見る。
「柵? ああ、先ほどまでリトさんが崩れたところを直してくださって。おや、見違えるようになりましたな。」
リアが呟く
「いや、見違えるようにっていうか、あれ別物じゃん。ていうか魔道具じゃん……。」
魔道具? ヤバ、力込めすぎた?
にっこりとした笑顔で見てくるメリッサが怖い。
後ろに竜が見える。
そして、聞こえないはずの声が聞こえてくる。
彼女は言っている、わたし、羽目を外し過ぎないようにって言いましたよね! って。
間違いなく。
リアはリアで、村長が俺の名前を出してから、更に目線が強くなったし。
「すごい、さすがリトね。」
そういってミーナが笑顔を見せた。
アミスもうんうんと頷いている。
ユウヤはといえば、
「ふんっ。」
俺が褒められたことが気に喰わないのかあからさまに不機嫌な顔をしていた。
俺の後ろにミリカがいるのに気が付くと、ニヤリと笑う。
ミリカもユウヤがこちらを見ているのに気が付くと、近づき労いの言葉をかけた。
「お疲れ様です、ユウヤ様。」
ユウヤはこちらに見せつけるように彼女の肩を抱き寄せる。
いや、そんなことされても、別に嫉妬はしないけれど……。
そんな俺の気も知らず、彼は彼女の肩を抱き寄せたまま自慢げに村の中で入っていった。
◇
俺はアミスに声をかける。
「どうだった? とくに問題はなかったか?」
「うん、兄さん。それにこの剣、ゴブリンをバッサリ。すごい切れ味だった。ラキさんも驚いてたよ。」
そう言って、自慢げに剣を見せてくる。
うん、とくに傷や欠けている部分もないようだ。
「それにね、ゴブリンだけじゃなくトロールもいたんだ。私、初めて見た。」
そう言ってはしゃいでいた。
そんなアミスをミーナだけでなく、リアやメリッサ、ラキも暖かい目で見ていた。
まあ、いい経験になったようで何よりだ。
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