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12話 やりすぎた

よろしくお願いいたします。

誤字報告ありがとうございます。

いくつかの木を受け取ると、柵の崩れた個所に戻る。


「さて、まずはここから直すか。」


そういって、木を手に取ると工具で削る。

せっかくだから、ただ直すだけじゃなくて、細工もしておこう。


ジョブは木彫り職人だしな。



そう思い、彫り物を木に施す。



「そうだ!」



せっかくだから、この眼を使って。

久々に魔眼を使った。





あらかた崩れていたところは直せただろう。


出来栄えに一人満足していると、後ろから声をかけられる。



「すごいんですね。」



「え?」



振り返るとそこには村長の孫娘の……、たしかミリカがいた。



「あ、すいません。」


「あぁ、いや。構わないです。」


うーん、なんか気まずい。

とくに悪いことをしているわけではないのだが、昨日のユウヤとの関係を見ているとちょっと……。


彼女は俺の直した柵を見ながら。


「見違えましたね。あのぼろぼろだった柵がこんなに綺麗になるなんて。」


ん?


たしかに補修した部分だけじゃなく、他の箇所もなんとなく綺麗なような……。



俺は柵を直す部分の使った木に、汚れがつかないように念じながら彫り物を施した。

まさか!? それが他の箇所にも影響を……。



俺は、冷や汗をかく。



彼女が聞いてきたことに生返事をしながら、これが、とくにメリッサにばれたらどうしよう、そう思った。

リアもまずい。たぶん、この柵、魔力があふれているのでは?


俺には魔力が見えないけれど……。



「それでリトさんはユウヤ様のパーティの一員なんですか?」


「へ?」


名前を呼ばれ我に返る。

俺、名前教えたっけ? あ、そういえばさっき名前を聞かれて答えていたような気も……。



いや、それより、パーティの一員かって?


うーん、俺ってどういった関係だろう。



「いや、パーティってわけじゃないよ。女の子が二人いただろ? あの二人が幼馴染と妹なんだ。俺はその付き添い。」


まあ、妹の方は義理なんだけど。


「まぁ、そうなんですか。えっと、聖女様と少し背の低い女の子ですよね。」


「うん、そうなんだ。」


へぇーっと感心していた。


感心されるようなことかな。

まあ、普通の村に住んでいると出会うことなんてまずないもんな。



そんな話をしていると、村の入り口の方から声が聞こえてきた。




「えーーーー! どういうことなんですか?」



あの声はリアだ。嫌な予感がする。

俺は自分で直した柵を見ながらそう思った。

次の投稿は明後日になります。

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