表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/98

4話 自慢

よろしくお願いいたします。

追記 誤字修正しました。報告ありがとうございます。

「木の剣?」


ラキが初めて驚いたような声を上げる。


「はい、兄さんに作ってもらったんです。ミナ姉のこん棒もそうだよね。」


そう言って、アミスはうれしそうに笑う、


「そうね。このこん棒もリトにもらったの。」


「へえ、そうなんですか。」


メリッサが興味深そうに剣とこん棒を見る。彼女はじっと見つめた後、こちらをニヤリと見た。


ゾクッ。


え、なに? もしかして鑑定した? て道具の鑑定もできるの?、あの魔眼。

いや、ミーナのこん棒は何度も見たことがあるはずだ、いったい……。


「リトさんが作られたんですね、うふふ。」


メリッサが意味ありげに見てくる。


「あぁ、ジョブが木彫り職人なんでね。」


ぼそぼそ声が聞こえてくる方向を見るとリアだった。


「(なにあの剣、魔力の塊なんだけど……。おかしいでしょ、ただの木製の剣が持つ魔力じゃないわ。いや、ミーナのこん棒もおかしいとは思ってたけど……。)」


何言ってるんだ?

彼女はじっと木製の剣を睨みつけていた。


「(木彫り職人?ただの木彫り職人にこんなことできるわけないし、特殊ジョブかしら。それとも使った木が特殊だった?)」


リアは木製の剣を見た後、こちらをじっと睨みつける。


なんか疑われている? やっぱりあの剣とこん棒も何か見えるのかな……。たしか魔眼を使っていろいろやった記憶があるし……。


ふと気が付くと、リア、メリッサ、そしてラキもこちらを見ていた。


「あはは、えと、何か……。」


気まずい。


「ふん、木製の剣だって?」


そこへ勇者が割って入ってきた。うーん、俺が注目?を浴びていたのが気に入らなかったようだ。


「そんな木で作られた武器なんて何の役に立つんだ? すぐに折れちまうだろ。」


「そんなことないわよ! 兄さんが作ってくれた剣を馬鹿にしないで!」


それを聞いたアミスが殺気立つ。

うーん、あそこまで煽るとは勇者すごいな。いや、確かに自分で作った武器が馬鹿にされるのは気分のいい話ではない。


ただ、自分以外が熱くなっているのを横で見ていると逆に冷静になってくる。


「ふん、木製の剣が鉄製に勝つわけないだろ。そうだ、王都に着いたら俺が剣を買ってやるよ。そしたらそんなもん捨てなよ。」


そう言ってアミスに手を翳した。


「あんた殺すわよ。」


アミスがマジ切れだ、ヤバい。


「「え?」」


リアと勇者が驚く。ん?何かあったのか?

リアがぼそぼそとつぶやいた。


「(嘘、なんであいつの魅了が効いてないの?)」


「……そこまでにしておけ、ユウヤ。」


おぉ、ラキが抑えた。大人だ。


「そうですよ、人の大切なものを馬鹿にしてはいけませんよ。」


メリッサも続ける。


「あ、ああ。」


歯向かうかと思いきや突然先ほどまでの勢いを失いうなづいた。

あぁ、そういえばミーナがおとなしいな。


彼女の方を見ると……、怒りもある点を通り越すと笑顔になるというやつだな。

次は日曜日になると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ