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1話 自己紹介

7/6改訂しました。

村から出て歩き続け日もだいぶ傾き始めたところで、今日はどうやら野宿をするらしい。

手分けして野宿ができそうな場所を探す。といっても経験のない俺とアミスは役には立たないが。


少ししてどうやらお目当ての場所を見つけると休むことになった。


勇者パーティと俺とアミスは焚火を囲む。


うれしそうな顔をしてこちらを見ているミーナに聞いてみる。


「なぁ、ミーナ。俺たち王都に向かうんだよな?」


「えぇそうよ。」


「どれくらいかかるんだ?」


「そうねぇ、だいたい1カ月ぐらいかしら。」


マジか!


1カ月も歩き続けることになるなんて今から気が滅入りそうになる。やっぱり村にいたほうが良かったかも……。


顔をしかめている。


「あはは、そんな顔しないで、リト。途中でいくつかの村にも寄るし、いつも野宿ってわけじゃないわよ。」


いや野宿に気が滅入ってたわけじゃないけど。

こんなに連日歩いたことがなかった俺の足はすでに限界だ……。

明日からもこんな日が続くと(しかもそれが一カ月も続くと思うと)ぞっとする。


「ふん、なんでこんな軟弱な奴を連れてきたんだ? ミーナ。」


おっくうな顔でため息をついていた俺にさっそく勇者様が噛みついてきた。

そんな勇者にアミスがむっとした顔で言い返す。


「ちょっと、兄さんは歩きなれてないのよ。それぐらい察しなさいよ。」


「じゃあ、なんで連れてきたんだよ。」


熱くなる二人を俺は黙って眺める。ここは前世で培った処世術。こういうときはみんなが冷静になるまでじっと聞くだ。

そうこうしていると、ミーナが笑いながらまあまあと勇者とアミスをなだめる。


俺たちがいない間もミーナはこうやって勇者たちと旅をしてきたんだろうか。

うまくやっているもんだと、村では見たことがなかった成長したミーナの姿に俺は感心していた。


「皆さん、せっかくですからリトさんとアミスさんに自己紹介しましょうか。」


そこへ横手から賢者、のメリッサが話しかけてきた。

言われて俺はあの賢者以外のパーティメンバの名前すら知らないことに今更気が付いた。


勇者は勇者って心の中で呼んでたし。いや、なんか名前を聞いたような気も……、まあいいか。


どうやら彼女から自己紹介を始めるらしい。


「それでは、まずは私から。メリッサと申します。元冒険者でジョブは賢者です。行く先々の村や街での人材発掘も国から任されています。リトさんとは村で少しお話ししましたよね、うふふ。」


ミーナが説明を追加してくれる。


「メリッサさんは元S級冒険者なのよ。知識も豊富で私もいろいろ教えてもらったのよ。」


「うふふ、たいしたことはありません。……それでは次にリアさんどうぞ。」


そういうと、メリッサはローブを羽織ったいかにも魔導士といった装いの少女に声をかけた。


「へっ? 私ですか? あ、えっとその……。ひっ!」


彼女はあたふたして俺と目を合わせると悲鳴を上げられた。


なぜに……?

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