表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/98

12話 旅の始まり

短編の内容はここまでになります。次の話から短編以降になります。

それではよろしくお願いいたします。

次の日、ミーナに呼ばれ村の広場に行くと、すでにミーナとアミスが待っていた。


「剣聖になったアミスは本格的に王都で修行することになるわ。私も少ししたら王都に戻らないといけない。それでお願いなんだけれど、リトにもいっしょに来てほしいの。」


ミーナは昨日とは真剣な眼差しをしていた。アミスも心配そうにこちらを見ている。


「あなたにも理由があって、この村から出たくないことも感じているわ。それでもお願いします。私たちといっしょに来てください。」


彼女たちは頭を下げた。


「いや、俺は……。」


そう言おうとして、ふと遠くにある木の影のメリッサと目が合う。


彼女はうっすらと笑うと小さく手を振っていた。


……昨日の晩のことを思い出し、ぞっとする。


少し冷静になる。


かわいい二人についてきて欲しいと頭まで下げられるなんて前世ではありえない光景だ。


……せっかく異世界に来たんだから、ちょっとぐらい冒険するのもありかな。


「ふぅ。」


一息、ため息をつく。


「二人とも顔を上げて。」


ビクッとして、恐る恐る顔をあげる二人。


「いっしょに行くよ。いや、俺の方こそ一緒に行かせてください。こんなチャンス滅多にないしな。」


そう言ってニヤリと笑う。


それを聞いた二人は抱き合って喜んでいた。


いや、けっしてメリッサの脅しが効いたわけではない。


それからはトントン拍子で事が進んだ。


両親も若いうちの冒険はしとくもんだと、快く送り出してくれた。

出発の日、村長や神父さん、知り合いに挨拶した後に村の入り口に向かう。

そこには既にミーナとアミスが待っていた。

メリッサも周りに気づかれない程度に小さく手を振っている。

これからみんなといっしょに王都に向かう。

平穏にこの村で暮らしていこうと思っていたけれど、どうやらもう少し幼馴染と義妹に振り回されることになりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ