廃夜
世界終末。
その言葉を聞くようになって、もう4年ほど経つ。
世界各国で少子高齢化が進んでいき、子供の数は激減。たくさんの学校が閉鎖されていった。
唯一残った学校にいる生徒の数は100人にも満たなかったという。
それが進んだ今、人の姿は見えなくなり、人類がまだ残っているのかさえよくわからない状況となっていた。
そんな中、俺はこの誰もいない世界で一人、誰かを探し彷徨っていた。
つい先日、知り合いで唯一生きていた人物がいたが、おそらく寿命だったのだろう。
気づいたときには、周りに人はいなくなっていた。
「よし…!」
そこに落ちていた背負えそうな入れ物に、そこら辺に落ちている使えそうなものを詰め込む。
最後に蓋をして、本に描かれているように、背中に背負う。
ここから俺の人探しの旅が始まった。
それからなんやかんやで時は経ち、今は大きなビルがたくさん立ち並んでいる場所にいる。
そこらじゅうに鉄や石の塊が転がっていて、本当にここに人がいたのかというくらい静かで、まるで世界で俺がたった一人取り残された様…否、取り残されているといった方が良いだろう。
「人、ここにもいないかな…」
ここならいると内心期待していたので、少しがっかりしたが、俺はもう少しこの辺を探索することにした。
なんたって、こんなに大きな街だ。何かはあるだろう。
そう考え、近くのビルに入る。
たくさんの物が散らばっており、とても広い。
人がもっといれば賑わっていたのだろうな。
片っ端からめぼしいものを探す。
だがしかし、落ちているのはガラクタばかりで、食料などは全くなかった。
「こんなに大きな街なのに食べ物がないとか…誰かいる以外考えられないんだけど…」
癖になった独り言を吐く。
すると、どこかから物音がした気がした。
ただのネズミかもしれないと思ったが、人がいるかもしれないという希望の方が大きく、その物音のする方に向かった。
物音のした方向に向かって走る。
ガタンと物の落ちる音。
その方向に向かって声をかける。
「誰かいるの」
先程走ったせいか、呼吸が荒く、吐息混じりに言った。
だが、返事はなかった。
俺は、意を決して、物音のした棚の裏を覗く。
そこにあったのは紛れもなく人の形をしたモノ。
まだ、きれいな人の死体がただ一つそこにあった。
こんにちは。今回初めて小説を投稿させていただきました。絵空瑞希こと露水です。
普段はpixivで二次創作をしているのですが、オリジナルは初めてちゃんと書きました。
タイトルは廃夜となっておりますが、イメージでは「夜」っていうか、「夜みたいに暗い」をイメージして書きました。
世界終末というテーマはなんか壮大すぎてとても壮大です。(意味不明)
文章力と語彙力は高校生級です。足りてなかったら目を瞑って流してくれると嬉しいですね。
もう結構書いたかな?ここまで読んでいただきありがとうございました。
では、次作があればまた会いましょう。