第一話 死亡、転生
※本編は私の運営する個人サイトWEB小説ニュース!に移転しました。読みたい方は↓のURLのサイトにアクセスお願いします。
https://www.miraizin.com/zisaku/tuihourenkin
(全話無料で読むことが出来ます)
ここではリックが転生するスピンオフ作品を掲載します。原作を読んでない方でも楽しめますので、興味ある方読んでみて下さい。
「……これで……出来るはずだよね」
リック・エルロードは、巨大な錬金釜の中をのぞきながら呟いた。
彼は世界的に有名な錬金術師である。まだ30歳ながら、数々の功績を残してきた。
現在、大活躍をしている勇者アレンのパーティーに、勧誘された過去もある。ちなみにリックは研究が忙しかったので、その時は断った。
リックは現在、『賢者の石』の錬成にチャレンジしていた。
未だかつて誰も作ったことのない、錬金術でのみ作れる道具である。
賢者の石の力は、『万物変換』であると言われている。
錬金術を使うと石を金に変えることが出来るが、これは無制限で出来るわけではない。固体は固体にしか変えることが出来ない。石で変換できる物質も、固体なら全部変換できるというわけではな。色々制約がある。
賢者の石があれば、その制約がほぼなくなる。気体からほぼありとあらゆる物質を作り出せるので、その場で何でも作れると言っても間違いなかった。
賢者の石を使わない錬金術では、変換できるのは無機物のみ。人間などの生物は変換できないが、賢者の石があれば、生物を別の物質に変えることも出来る。ほかの物質にされた生物は、当然だが死ぬ。
あらゆるものを作れるようになり、さらにあらゆる生物を殺す必殺の力を持つことになる。まさに神になれる道具と言っても過言ではなかった。
リックが賢者の石を作ろうとしている理由は、そんな圧倒的な力を手に入れたいと思っているからではなく、自分の理論が正しいと証明するためであった。
本当に出来るのか試してみる。純粋な知的好奇心だけにリックは付き動かされていた。
そのあと、賢者の石を作って、一体どういう使い方をするのか、そんなことは一切考えておらず、ただ作れるかどうかだけにすべての興味を注いでいた。
錬金釜の中の物体が、光を放ちだす。錬成が完了しそうな合図である。
「遂に……完成する……!」
期待に目をキラキラと輝かせながら、リックは錬金釜の中を覗き込んだ。
「ん……?」
いきなり変な音が釜の中からなり始めた。
あぁ……うあぁ……と、人が呻いているような妙な声である。
こんな声が聞こえてくるのは、論理的にはあり得ない。何が起こっているのか、リックは頭をフル回転させながら、釜の中を覗き込み続けていると、
「がぁあああああ!」
窯の中から大きな口が飛び出してきて、リックの頭を飲み込んだ。
自らが作ったものが何だったのか確認することなく、30年の生涯に幕を閉じた。
〇
(あれ?)
リックが目を覚ますと、女性の顔が目に入った。知らない人だった。
頭にクエスチョンマークを浮かべながら、女性の顔を眺める。
(あれ? さっきまで僕何をしてたっけ? ……確か……賢者の石を作っていて、そしたら……あ! な、なんか予想だにしないものが錬成されて、それに食べられて……え? し、死んだじゃないの?)
冷静に考えると、生きているのが不思議な状況だったが、現在意識があるという事は生きているという事。
リックは手を動かしてみる。スムーズには動かすことが出来ない。
何とか動かして、右手を目の前にやると、小さな手が視界にはいった。
(は?)
どういう事か意味不明だった。
左手も確認してみる。同じく小さかった。
あまりにもアレな出来事だったので、リックは夢だと思って二度寝した。
数時間後、起きたが状況は変わっておらず現実だと受け入れた。
(どうやら僕は……生まれ変わってしまったらしい……)
※前書きにも書きましたが、念のため
本編は私の運営する個人サイトWEB小説ニュース!に移転しました。読みたい方は↓のURLのサイトにアクセスお願いします。
https://www.miraizin.com/zisaku/tuihourenkin
(全話無料で読むことが出来ます)
ここではリックが転生するスピンオフ作品を掲載します。原作を読んでない方でも楽しめますので、興味ある方読んでみて下さい。