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幻焔の黄昏(トワイライト)~女の子に転生したらもっと大変でした~  作者: 夜空りえる
セイクリッド魔法学院編
41/49

38.氷の女王&斬月

バトル回が始まります。

この小説を読んでくれているだけで私は幸せにもなれますし執筆も頑張れます!

 

 生徒会長、アリサ・ローラン。生徒会長として結構の活躍をなさった完璧才女。

 そんな彼女は生徒会室(会議室)の奥の席に座り悩み抱え込んでいた。

 毎日、生徒たちの対策や事件、事故など魔法関連の事に大忙し。特に忙しくしていることは......


「三年A組中級科ソフィア・アストレア───一、二年次の時には大した問題は起こしていない。でも、やはり認めない!」


 ソフィア・アストレアの書類を見ながら大声で叫んだ。勿論、この部屋は外からは音が漏れないようになっているので安心である。

 彼女の書類、報告書などには嫌味、弱点などどうにかして退学に出来るか調べたが何も情報は現れなかった。

 このローラン家の情報門に掛かれば掴めれるはずなのに何れだけ調べても詳細は不明だった。


 流石はアストレア家ってところね。


 アストレア家は代々戦闘に特化した(あくまで裏情報による仮説)貴族集団の集まりである。

 アストレア家の傘下に入っているレインシィア家、ラグナルド家、そしてかの覇王として有名なフェルノート家。これらを合わせて四大貴族聖人つまり貴族連合ってわけ。

 それとマーガレット家やイグナイト家、更に帝国の一族でもあるクラウディウス家まで傘下に入れている。


 尋常じゃないわ.....そんなアストレアの姫君候補であるソフィア・アストレア。

 何故、能力値が低いのにこの学院に入学できたのか疑問を抱いていた。そして私の出した仮説は貴族連合が裏で隠蔽工作をさせたのだろうと考えていた嫌、そうに違いない!


「生徒会長殿、中にいらっしゃるのですか?」


 扉からトントンと音がなり外から丁寧な言葉遣いで発言した人物。


 誰なのかしら?この声は聞き覚えがない。


「入って良いわよ。」


 入室許可を出した。


「失礼致します。お初御目にかかりますね♪わたくしはローズと申します。今回は生徒会長殿、アリサ殿にお話があって此方に参りました。」


 丁寧に言葉遣いを気にして発する女性。当然、私より年上の方だった。ラフな格好を身に纏い髪を無造作に纏めていた。


「話とは何ですか?また国の案件?それとも魔法関連の?」


 彼女の正体はよく知らない。何せ今日、初めて顔を見合わせた初対面なのだから。

 ローズさんを椅子に座らせて話の本題が開始した。


「いいえ、国の案件でも魔法関連の話ではありません。私は貴女自信についての話をしに来たのですよ。《竜使い》殿」


(!?私自信の話。)


 彼女の問いは私に対しての何か言いたそうな感じてあった。

 私自信の.......まさかね。


「逆に貴女は誰でしょうか?」


 話を遮って逆に問う。彼女は何者なのかを。私にはわかる。この女性はとてつもない魔力、そして威圧感、自信がたっぷりと包み込まれたオーラを放っていた。

 ローズは黙り混み、それからちょっした笑みを浮かべてこう語る。


「私を誰だと思います?ええ、多分貴女は知っていると思いますね......当然、《竜使い》殿と一回だけ面識がありますから。」


 無造作に結んでいた髪をそーとほどき髪が垂れる。その姿は何処かで見た覚えがあった。

 そう────それは......


「あ、貴女は!」






 *


 ────学院西校舎側


「ソフィアちゃんどうしたの?ボーとして。」


 先程の特大のオーラは何処から────

 そんな事を考えながら走っていた足を止めた。それを不思議そうに見つめるアリア。


「な、何でもない。とにかく今は急ごう!」


「う、うん!」


 今、学院で何が起こっているのか?気絶していた私が目を覚ましたときには学院生同士で争いが勃発していた。

 アリアに聞いた限りでは生徒会長アリサ・ローランがこう宣言したらしい。


『全生徒諸君につぐ、これからセイクリッド祭の集大成を祝い、生徒諸君には上に登り上がれるチャンスを与えます。その条件として生徒同士で争い、勝ったものに勲章を渡しましょう!』


 と告げたのだ。その真意は良く知らない。一部からは?になったりどよめきなどが出たりして生徒会は何を考えているのかと思ったらしい。

 しかし、中には上に上がりたい人も居て共感した者もいた。

 そしてその後に続いた言葉は全校生徒に衝撃を与えた。


『しかし、ただとは言えません。負けたものにも対価は来ます。ええ、負けたものには退学してもらいます。この学院から去ると言うことです。因みにこれは全校生徒強制参加となっていますので無断に不参加をしたものには同じく退学とさせて頂きます!』


 この言葉をまた全校生徒に衝撃を与えた。強制参加に次いでに負けると学院を去る=退学となる。

 そんな理不尽なルールを押し付けたのだ。


 これには教師陣もどよめき今すぐやめさせるようにと対応し始めたが案の定、先読みをしていたのか教師陣は丁度外の見回りや巡回をしていた時間帯だったのだ。


 そしてアリサ会長の隣にいた人物が結界を張り教師陣を学院の中に入れなくさせた。


 そう、今この学院内に入るのは生徒のみ。そして生徒は結界のせいで学院外に出ることが出来ない。


「本当に理不尽な話.....だね。」


 思わず感情にのせて思っていたことを声に出した。生徒会の反乱に生徒会長の暴走。一部の生徒からは賛成の声。

 今、セイクリッド魔法学院は崩壊に向かっていた。


「私も出来るだけ皆に説得したんだけどやっぱり無理だった.....」


 落ち込んだ表情を見せるアリア。三年間共に暮らしてきた三年Aクラスの生徒の中にも欲望に負けた人も居て説得を無視どころか攻撃をしたらしい。


 目を覚ました私は当然それらを前からこうなるのではと予測し把握はしていた。しかし、このタイミングで実行したことは予想外だ。


 全校生徒がこれに賛同している訳ではない。中には説得をしようと動くものもいた。カノンやマリーたちとはその関係で別行動をしている。


 これが学校崩壊と言えるべき小さな闘争という訳か......やってくれるな。


「また敵が現れたよ!」


 アリアの声により振り向くと前方そして後方からにも敵が向かってきていた。

 どちらも先輩のようだ。

 その中に凄腕の魔術師が紛れ込んでいた。


「まさか貴女も居るとは本格的に私を潰しに来たって事ですよね?」


 その人物こそこのセイクリッド魔法学院の序列四位の《氷の女王》のセリシア・マーガレット。

 金髪ストレートのお嬢様であるに対して実はアルカディア凄腕の魔術師でもある。


 この方はアストレア家にも深く関わりを持っているともあり名前は知っていた。

 対面するのは今日が初めてであるが。


「良くわかってるですのね。わたくしも貴女のような方を傷つけたくはありませんの。本来なら戦うより共闘したいですが.....そうにはいきません。これはアリサ会長の命令などありません。わたくしの独断です!」


 強く宣言するセリシア。彼女の言葉には何処かしら悲しみじた部分もありそして私と武器を交えて戦う覚悟と決意が印らめていた。


「ええ、貴女の言いたいことははっきりとわかっています。ですが私もこんなところで負けるつもりは無いですよ。」


 それに対して此方も威勢に乗せて答える。本来なら戦わなくても良いのだが彼女の独断で結局は戦う羽目になる。

 だったらそれを俺は受けて立つ!


 腰にせよっていた鉄の剣を抜き構える。


「アリア、準備良いよね?」


「うん!ちゃんと準備万端だよ!」


 此方は二人係り。彼方は多分十五人は軽く居るであろう。 決死の覚悟で挑む準備を整えた。


「君たち!相手は並みの相手ではないのよ!心して挑みなさい。」


「了解です!」(一同)


 次々と相手側も戦闘体制の構えを取り始めた。セリシアも己の武装を召喚した。


「それは.....!」


 見たことのない形状。まるで俺の首に下げている黒い球体と同じく違う色の球体が挟まれていた武器を召喚したのだ。


 アーティファクト────古代に創られた魔導神器。希少価値が高いそれは普通の人は持っている訳でもなく。

 しかし彼女は.....


「多分、貴女は知っているでしょうね。」


「やっぱり何ですね。」


「?」


 二人の会話についていけないアリア。何を言っているのか知らないのは当然である。

 アリアはアーティファクトの存在を知らないのだから。


「セイクリッド魔法学院四天王が一人、《氷の女王》セリシア・マーガレット。それでは行きますわよソフィア・アストレア!」


「セイクリッド魔法学院三年Aクラス中級科ソフィア・アストレア。己のために貴女に剣を振るいます!」


 二人の掛け声で戦いは始まった。アリアのサポートがありつつ極力セリシア相手に剣を振るった。

 しかし、彼女に攻撃しようとしてもその他が遮ってくる。


「やはりそんなに上手くはいきませんね。」


「ええ、この子達はわたくしの騎士です。そう簡単にはやられませんしわたくしに近づくことは出来ません。」


 ただのモブでは無いって訳ね。セリシアの騎士の剣はとてもじゃないがそれなりに腕はあった。人数的格差なのか結構手こずってしまっている。


(こういう場合はどうすれば......)


 深く悩みながら戦う。アリアの弓の機動は前よりも良いがまだまだ命中率は低い。

 ここは一気にあれを使うべきかな。


「我が炎よ!」


 魔法を一節昌で魔方陣を展開させる。火属性魔法フレア。威力は五分五分でも俺には関係ない。


 周りにいた騎士たちを一掃していく。


「な、なんだこれは!」


「これはフレア?嫌、この威力はフレアではないばず!」


「へえ~。」


 普段のフレアと違いを知った騎士たちはどよめく。当然、普通フレアは一直線に発射する。しかし、俺の放ったのは。


「範囲型ですか。少々厄介な事をしてくれましたね。」


「それはお互い様でしょ。うぐっ......!」


 フレアを少し改良し範囲型として上手く操作した。それにより騎士たちの中には対応が出来ておらず諸に食らうものもいた。


(流石に甘くは行かなかったか。)


 突然横腹を抑えて膝につくソフィア。あの瞬間、同時に何が起こったのか理解が追い付けなかった。

 正確には攻撃を食らった。あの瞬間にそれも見えない速度で。


「ソフィアちゃん!!」


「これがわたくしの絶技───氷刃の舞。」


「か、刀......」

 突然口から血を吐く。

 彼女の手には刀らしき者を握っていた。魔術師だと思っていた彼女にはもう一つの顔を持っていたのだ。


「わたしく、実は.....居合い術を習っていましてね。本来は魔術師として使いたくはありませんでした。ですが.....アストレアの一族の貴女と正面で戦ってみたいのです♪」


 狂気に滲む万勉な笑顔。

 その印象は恐怖を押し付けられるような空気が漂った。


(こいつ、ヤバい!)


「正面ね.....それは本気ですか?」


 煽る形で言葉を言い返すが俺の頬には冷や汗など溢れていた。多分ソフィアは感ずいたのだろう。

 この場で正面衝突しても彼女には勝てないと。

 勝つためには己の能力を解放することしか勝ち目はない。ソフィアとしてアルフとしての力を─────


「このまま敗北しなさい!そしてこの学院から去りなさいアストレア!」


 彼女は刀を正面に向けてソフィアの脳天を目掛けて切り裂く。


「───アーク・テンペスト......」


「何、これは!」


 目の前の光景はあっと驚くものであった。セリシアの攻撃を受け止める形で刀を掴んでいた。

 そしてソフィアの右手からは赤と黒が混じった粒子が飛び散っていた。


「流石は先輩ですね。多分私の実力では貴女には勝てなかったでしょう。でもね.....私にも奥の手は山程有るんですよ。」


 顔をセリシアの方に目掛けて向ける。その眼は恐ろしい程の緋に輝いていた。


(ひやっ!彼女の眼が赤い?)


 その表情が恐ろしくなったのか一歩下がるセリシア。そしてソフィアの瞳はブルー色の碧眼である。が今は真っ赤に禍々しく輝く緋い瞳に。


「やってくれるじゃないの!まさかこのわたくしが怯えるとは.....」


 下がった後、もう一度ソフィアの顔を見る。


(青色?に戻っている!?何でしたの先程のは。)


「余所見している場合じゃないですよ!」


「なっ!」


 考え込んでいたセリシアの背後からいつの間にか移動していたのだ。先程まで視界に写っていた彼女はどうなって一秒も立たずに移動できたのか?


 俺は剣技(アーツ)一つ『エクストレイド』ど使用し相手に振り掛かる。『エクストレイド』は基本的にレイピアのようにツツク攻撃だ。高速に剣を振り相手に突き刺す!そういった技である。


「キャーー!」


 防御体制に入ったセシリアはその勢いに耐えきれず吹っ飛ばされる。


「あ!ちょっとやり過ぎたかも。」


 校舎の壁を破壊してしまったのを見て少しやり過ぎたと反省する。


「ソフィアちゃん、此方も終わったよ。」


 アリアはセシリアの軍勢の最後の一人を倒し疲れているのか息が荒い。だとしても倒すのは凄いと思う。


「良く頑張ったアリア。とてつもない強敵だったけど先を急ごう!」


「ちょっと待つんだな。君たち。」


「!」


 《氷の女王》を倒し先に進もうとした彼女たちの前に謎の声が響く。

 そして俺は感じた。まだ後ろに敵が居るのと、セリシアと同じく強敵であることを。


 後ろを振り向く瞬間、身体に衝撃が走る。


(足を斬られた!?あの瞬間で!)


「イテッ!」


「ソフィアちゃん!」


 膝をつき斬られた場所を押さえる。真っ赤な暑い血が少し垂れているようだ。


「ほぉ~本気で斬った筈なのにかすり傷程度だとはね。瞬発力───鋭さを持つんだな君。」


 感心している態度でゆっくりと歩いてくる男。特徴は体に傷跡が多く目元、片目には切り傷が残されていた。


「まさか《氷の女王》が負けるとはね。自分も想像してなかったさ。でもまだだろ?」


 男は壁の前で横たわっているセリシアの前まで向かっていく。


「ええ、確かに貴方様の言うとおりですわ。わたくしもまだまだでした。ですがこの程度の攻撃、かすり傷ほどではありませんね。」


 先程まで倒れていた彼女は平気な顔で立ち上がった。その口調、態度からしてまだピンピンとしていた。


「それでこそ学院序列四位《氷の女王》だ。」


「貴方様こそどうしてこの場に!別のルートにいらっしゃったのでは?」


「うん?ああ、君が手こずっていないか心配になってきただけだよ。お前に何かあったら俺が助けに行く!そういう約束だろ?」


 彼の言葉は彼女を照れされた。約束する関係で信頼できるととらえられる。

 それほど彼は彼女を助けられると言うのは自信満々であるということを示す。


 俺は先程の攻撃を見抜けなかった失態をしていたため誰よりも警戒をした。


「そう警戒しなくて良い。どうせ───君に俺を打ち倒すことは出来ないからなぁ!」


「う!」


 穏やかそうな表情が一斉にして顔付きが変わった。それを見た時、恐怖にかられる気持ちとなってしまう。

 若干後退に退こうとした瞬間、彼は目の前から姿を消す。


「.....後ろだ」


(え?後ろだと......いつの間に。嫌、それにこの距離はとにかくヤバい!)


 ほぼ彼と俺の距離は零地点に近い。彼の持った剣が俺の眼を目掛けて攻撃してくる。

 このまま何もせずにしたら多分この左眼に突き刺さり重症を負うだろう。

 当然、本気で俺の眼を失明されたりはしないだろうと他は思うだろうが俺の思考は違った。

 明らかにあの顔は本気!


(この距離を避けるにはあれを使わなければ百パー終わる!!)


「何!かわしたとは.....」


 俺はわざと体勢を崩しつつ彼の剣と同等な尋常のない速度で回避した。


「ふぅ~危なかったー。」


 回避できたとしても俺の心臓はドクドクと心拍数は高まる。結構キツイし呼吸もしづらい。


 先程使用したのは身体に異常をきたす物でありいわゆる固有結界を展開させたと言おう。

 一秒間だけ時を止めたことで己の心臓の心拍も一瞬止まり停止する。


 一番大変なのは使用者だということは忘れないでほしい。マジでしんどいから.....


「結構キツそうにしてるな。どうだ?降参しないか?」


「そうですね.....私的にも降参したいところです。多分私は貴方に勝つことはできないと思います。」


「そうか。それなら俺らも歓迎だ!さあどうする?」


「ソフィアちゃん......」


 不安そうに見つめてくるアリアの姿。そして彼らの微笑み。

 これ以上力を使えばどうなるか一番知っているのは俺だ。

 降参すべきなのか?それとも......


 深く悩み始める。それは究極の選択肢をせだまれているような感覚であった。

 彼女の選ぶ選択は勝機なのか?それとも────







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