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幻焔の黄昏(トワイライト)~女の子に転生したらもっと大変でした~  作者: 夜空りえる
セイクリッド魔法学院編
38/49

35.セイクリッド祭前夜

そろそろ学院の話も終わりそうです。今回の回は基本オチなど無かった。


※諸事情によりリーザの名前をカノンに変更致しました。

すみません!


無事三年に進級を果たしたソフィアは秋──冬を迎えていた。そして今年もこの時期がやって来た。毎年十一月に行われるセイクリッド魔法学院の最大のイベント───セイクリッド祭の開催。

そして今日はその祭りの前夜祭であった。


事前にクラスで何の出し物をするか話し合い決定したのが魔力で芸術品を作る事になった。

例えると魔力が込められた絵や小道具、結晶等。

これらを発言した人物こそ我らリーダであるエドワードとその一味であった。


クラスの皆からは賛成の票を大多数嫌───もろ全員が票を獲得した。

そんな中暇そうに見ていた私も取り敢えず賛成と言うことで手を挙げたことは言うまでもないだろう。



───学院中庭


学院の中庭では多くの生徒が準備に取り掛かっていた。何の準備かと言うと売店や屋台などの設置や何やら骨組みを組み立てたりなどそれに校門前では看板の貼り付けなどしている生徒もいた。


───そんな頃、私は中庭で他の者と一緒に切磋琢磨に準備をしていた───というのは嘘ではない。

紛らわしいね。


「アストレアさん──そちらは頼めるか?」


「──はい。わかりました。」


隣にいたクラスメイトの一人に頼まれる。それに対しういういと答える。

そちらとは、屋台の設置と言えばよろしい。私は一応Aクラスの準備委員会通称雑務委員会所属である。そして彼方にいる同じクラスメイトの彼ともう一人いる彼女も私と同じ委員会である。

そのような関係であるからこそ少々は話せる程度に仲が良い。


「アストレアちゃん!此方は出来たよー。結構大変だよね。」


必死に屋根を取り付けているところに例の彼女がやって来た。彼女の名はカノン・サーキュリー。私と同じ落ちこぼれすれすれの女生徒である。

そして先程の彼も同様───名前はフリード・テルノール。

この二人とは心境が同じだったのか結構打ち解け合った。

今では結構友達と言える分野に入ると思う。


「確かにね.....これだけのお祭りを毎年この時期にやるってのは良いんだけど準備は大変。」


この学院ならではの弱者は雑用させられるのが基本だと言う。そういった概念から強者からの圧力は凄まじい。

こうやって準備しているものの大半はそういった心境のある者だという。


「ぐだぐだ言っても拉致はあかないんだから僕たちは僕たちなりでやるだけ───さ!」


骨組みのパーツとパーツ同士を合体させるのが固いのか力を込めて入れていた。


「そう言えばアストレアちゃんは学院祭どうするの?」


「え?学院祭でどうするって.....」


唐突な質問がやって来た。勿論その質問は比較的単純な物で答えようと思えば直ぐに答えが出る。

しかし、この時点で私はまだ考えれていなかった。学院祭でどうするのかと.....


「良かったら私たちと回らない?一人よりか楽しいと思うよ♪」


彼女からのお誘い───それはとても嬉しいと感じた。何せ友達と一緒に学院祭を回ることってそれは青春!とても良い響きである。

勿論答えは決まっていた。


「うん───良いよ!去年もその前も一人だったから嬉しいよ。」


去年は一人であって一人ではなかったしその前は完全に一人であった。

今年こそボッチから抜け出したいと言う気持ちがあった。


「フリード君も一緒に回ろうね♪」


「わかった。その前に準備──頑張らないとな!」


彼はそう言葉を残し黙々と作業を続けた。そして俺と彼女は───


「──まだやるのー!」


文句を言い付けていた。結局は文句を言ったとしても作業をすることになったんだけど。

大変なのはこの後、クラスメイトたちのの買い出しにも行かなければならなかった。




セイクリッド前夜祭───その裏側で何やら動く一味が存在した。

校舎三階の会議室で四人の生徒が集まっていた。


「今年も盛り上がってますわね。セイクリッド祭。」


「そうだね───と言っても流石にはめをはずしすぎと言うか.....」


机に向かい合って会話する男女二人。何やら悩んでいるらしい。


「お前たちの気持ちはわかるが俺らは奴の命令通りにそろそろ動く───今ぐらいはめを外して楽しんでも良いんじゃないか?」


「確かに今回だけは貴方の言うとおりですね~♪でも.....」


ニコニコと会話していた女性が急に威圧感を漂わせた。それが何のサインなのかはこの中の三人は知っていた。嫌、よく知っていた。


「計画を邪魔するものが現れると言うのですね───わたくしも驚きました。」


「その水晶の通り必ず現れると示されている。それが誰なのか我々は判断できていないが。」


この四人でも今だその存在に気付いていない。それが誰なのか......

しかし、唯一危険リストに入っているあの方ではないのかと四人は考えている。

裏をかいて今までの事件などを解決したあの方───稀代の天才と呼ばれた人物。


「どうにかして私たちの仲間にしたいよねー♪ねえねえ出来ないの?」


のんびりした女の子はあの方を中間にしたいと証言した。それだけでこの場は沈黙する。


「取り敢えずこの話は一旦終わりで。僕たちはこのセイクリッド祭を盛り上げるだけさ。」


「わたくしたち四天王の力を学院に見せつけてあげますわ。」


皆がその掛け声に頷く。セイクリッド祭を盛り上げる───その言葉の真意は何なのかそれは誰も知らない。




「買い出し買い出し!」


「結構な量買ったよねー!ってまだあるの!?」


あれから作業を終らせクラスメイトたちの買い出しに出向いていた。フリードは嫌々でも結構乗り気な表情でカノンはまだ続くのかと文句を言っていた。


「ほらほらカノン。文句は言わないの。私たちがクラスに貢献できるだけで嬉しいことなんだからね!」


文句の言っていた彼女にひとつ慰めを入れる。本来はこのような雑用を私も好きではない。弱者にこのような事をすることは許させないことだ。

だとしてもこの学院ではそれは許されてしまう。そういった概念はいつ頃生まれたのか知らない。


「買い出しは次で最後だからね───がんばろう!」


「ほんとのほんとに最後だよね?──うん!私やる気出てきたよ。」


ようやくしてやる気を出し始めるカノン。これで良かったんだろうかと隣にいたフリードに目合図をする。

彼も同様に頷く。「良くやった!」と。


それから買い出しは何とか無事に終了し学院に帰ろうとしていた。

そんな時、ある現場に立ち合う。

何やら校門前で揉め合いのような声が響いた。


「何があったんだろう?」


疑問に呟くカノン。そして俺も次第に不安と面倒事であると悟ってしまう。


「取り敢えず様子を見に行ってみるか?」


(え!?行くの。)


心の中で行きたくなかった気持ちがあったが結局行くことに。

校門前に到着したところ男女二名と同じく二名が揉め合いというよりは言い合いをしていた。どちらも一年上の先輩だった。


「お前らのクラスが仕掛けてきたんだろ!俺は悪くねぇーよな?」


「そうよ!私たちは何も悪くないわ。それなのに言いがりはやめてよね。」


やや強い口調で向かって言った。今の言葉ではどのような経緯で起こったのか検討もつかなかった。

あちら二名の主張も聞こう。


「お前達が俺らのクラスに嘘の噂を流したんだろ!俺らのクラスのリーダーに迷惑がかかる───どうしてくれるんだよ!」


「それにあなた方のクラスは良く私たちに因縁をつけてくるよね。そこのところ悪くないって信じれないよね。」


その瞬間、互いは口喧嘩だけでなく物理攻撃を始めようとした。どうしても耐えられなかったんだろう。

確かに向こう側に因縁相手がいるとそれはムカついたりする。

でも周りの事も出来れば考えて欲しいと私は思った。


「やべーぞあれ。誰彼止めてやらないのか?」


「無理よ!あんなのに近づいたら私たちも酷い目に合いそうだし。」


周りにいた数人の生徒がぼそぼそと言い始めた。この揉め合いというよりもはや喧嘩となったこの状況で誰一人も止めようとしない。

それは仲裁に入ろうとした場合とおこう。それでその仲裁しに行った人はこの後、どうなると思う?

───答えは巻き込まれる。

皆がそれをわかっているがため止めたくても止めれないのがこの状況。

私やカノン、フリードもそれ以外の人達も理解した上で動かない。

ただ傍観するように眺めるだけであった。


「大変なことになっちゃたね.....」


「そうだね.....誰か止めてくれたら嬉んだけど。」


その途端、カノンが私の背中をツンツンとつつくように叩いてきたので振り向き彼女は心配そうな表情で小声で話し掛けてきた。

その辺、私も同様であったため誰でも良いから止めと欲しいと願った。

そしてこの喧嘩は益々酷くなっていく時、皆が願っていた事が起こるのだった。


「これは何事です!」


この場を一瞬にしてどきめきとさせる声───その声の主こそこのセイクリッド学院の覇者と呼べる人物、生徒会長のアリサ・ローランその人物であった。

その隣には今噂とされている次期生徒会長となる男がいた。


「あの!生徒会長.....これは別に」


「私たちはなにもしてません。ただこの人達が私たちの邪魔を.....」


誰もが逆らえないのか先程の威勢は何処かへ消え去ったのようかに聞こえた。

それだけ立場の差が違うのだろう。


「揉め合いというよりは喧嘩をしていたと聞いていたのですが何があったのか後で事情を取ります。よろしいですね?」


「はい......」


四人の生徒は同時に素直に返事する。ようやく事態は収まったと落ち着きを取り戻す周りの生徒たち。

当然、私らも一息はついた。


「また貴女ですか.....ソフィア・アストレアさん。」


何故か生徒会長と俺が目があったと言うよりか彼方から目をつけてきた。

その目は鋭く嫌みを持っているかのような目付き。そしてそのまたと言う発言。


(何かわかんないけど生徒会長さんに目をつけられているんだよね。一方的にあっちからだけど.....)


当然のごとく私は無視をした。関わりたくない一身で背けたのだと思う。


「その言いがかりはいけないと思うよ───アリサ。」


横から入ってくるとても可愛らしいソプラノボイスの声。この声には聞き覚えがあった。


「おねえ.....姉さん。何しに来たんですか?暇潰しに来たんですか?」


「一応そうだけど目的は別にあるから貴女には関係ないわ。それより最近、あの子に八つ当たりはやめなさい。」


「八つ当たり?そんなの関係ないです。Eランクは邪魔な存在で───」


「───アリサ!」


生徒会長とポニーテール娘の言い合いが繰り広がる。幸い、先程の事でこの場には人気はいなかった。


「ごめんなさい姉さん.....私行くから.....」


それから黙々と去っていく彼女をみて何やら大変そうだなーと思いつつ見ていた。


「ねえねえ?あの会長さんと話していた人って誰なのかな?」


「それは僕も思った。微かに似ているような気がしたけど───」


ポニーテール娘をずっと見ていた。あれから何ヵ月経ったのかわからなかったけど随分と姿が見違えていた。

そう───その正体は......


「ソフィアちゃ───ん!久しぶりぃ~♪」


手をこちらに向けて振ってくる。そして走りながら。


「こちらに近づいてくるよあの人。」


「ん?ソフィア.....ちゃん?」


見つめないで皆さん。こちらを見ないでください。

その人物の正体は卒業したであろうレナ・ローランであった。


「先輩少しは落ち着いてください。目立ちますから!」


「あら~?そうだった!ソフィアちゃん、結構目立つの嫌いだったよね。ごめんなさい~。」


いつまで経っても変わらないなこの人は。でも久しぶりに会えて良かったと思う。

結構仲良くしてもらった一人だったから私としてやレナ先輩には感謝している。


「少し場所を変えますか。こちらの二人も不安そうにしているので。」


「──確かにソフィアちゃんの言うとおりですね。誰かが見ているかも知れませんから───」


その言葉で大体の事は察した。二人を連れて彼女の行き先まで着いていくことに。

先輩は校舎内に入っていく。

そして落ち着く場所まで到着した。


「ここなら良いでしょうね。」



「アストレアちゃん、この人誰なの?アストレアちゃんの知り合い.....だよね?」


「そうだけど一応私の先輩と言ったらわかるかな?」


?と顔を傾けるカノン。良くわかりづらかったか。それにフリード君の方は何と無く察している雰囲気だけどこの際紹介することにした。


「カノン、フリード君に紹介するけどこの人はこのセイクリッド学院の卒業生で私の先輩に当たる人なの。ほら先輩、自己紹介。」


自然的に自己紹介させる雰囲気を作った。これに頷く彼女は二人と面を向かって口を開ける。


「えーと私の名前はレナ・ローランだよー♪勘の鋭い人なら色々と気付くかも知れないけど。」


レナは簡略に自己紹介していく。


「ローラン.....て!あのローラン!?」


「ローラン家といったらアルカディア公国の随一の技術者団体───R(ローラン)財団のあれか。」


二人とも何か知っている感じであった。その団体の名は聞いた覚えはない。

と言うか知らない。


「R財団って何?」


「知らないの?あの有名な技術者団体だよ!今、私たちが使っている武器や通信端末、乗り物も.....それ以外でも貢献しているアルカディアにとっての支えなんだよ。」


「へ、へぇ~~。」


良くわからなかった。この国の事は今だ知らない。言い換えれば理想大陸と呼ばれている理由はそれから来ていると言うことだけは何とか理解できた。


(そんな意味があったのか。)


深く感心し納得する。


「そんなローランさんがどうしてこの時期に学院に?卒業生だとしてもこの時期には来ないじゃないか?」


それは私もふと思ったことである。先輩が学院に来ることはよっぽどの事でないと来ないと卒業前に話していた。

それに今はお祭りムード真っ最中。

これは何かあるのかと考えた。


「まあ私がここに来た理由は二つあるんだけどね。一つは学院長と取引を.....とこれ以上は言ったら駄目だったんだった!ごめんね。」


こう言ったドジなところは変わらないねぇ~。

少し笑みな面持ちで見つめた。結構外見は美人になったと言えるが中身はまだまだ昔のままか。

正味がっかりした半面安心した。


この後、一旦クラスに戻って買い出しを渡した後、再び彼女のところに戻り、二人とも自己紹介し、少しの間お茶をして楽しんだ。


所々先輩の話が疑問に抱く所もあって気になったが今は深く考えないようにした。

それからも全校生徒は明日の学院祭に向けて励み、この前夜祭を楽しんでいた。


読んでいただきありがとうございます!良かったらブックマ登録してくれるかな?

してくれなかったらどうなるかわかっているよね♪


セイクリッド学院編───序章の終了も後、もう少しです。

今している話は本編開始前、ソフィアの行き先を描いている話になります。


活動復帰目指し奮闘中~

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