30.遺跡調査に出発......
『考えるな感じろ』小説執筆するとき考えても案が出ないときは何と無く深く考えずに書いてます。
ジオスの事件からやや時間が経ち俺は無事二年生に進級することが出来た。進級試験と言うものがあり、筆記、実技、成績といったもので進級か落第か決まる。そんな境目にいた俺はどうして進級が出来たのか.....
それは簡単のこと、筆記科目を全てパーフェクトにこなした成果だ。次いでに言うと実技ランクは過去最低のDを取ってしまって教師陣並びに同学年の生徒たちからは笑われた。
別に笑われたって良い。馴れていますのでね。
アリアとマリーはその時、不満そうな表情をしていた。今や私に対しての暴力による物理的な嫌がらせは無いものの陰口が多くなっていた。この学院は間違った風習が生徒たちに影響している。
『強者こそが絶対!弱者は弱者なりの己の弱さを恥と思い知れ!』
それがここの間違ったシステムだからこの一年で馴れたものだ。
「そう言えばあれから顔会わしていないなあ~。」
部屋のベランダで一人そう呟く。今は夜で月の輝きを放っている。丁度満月だったため覗きにきたが綺麗。
(いつ.....いつ私はあの村まで辿り着けられるの....)
静かに呆然として考えていたのは村の事、村とはライザート村(旧ルドラ村)の事である。その村の記憶が何故か最近消えかかっている。それだけ魔法破壊は脳に負担が掛かりそう言う症状になる。
(これ以上、不安定な固有魔法を使うのは止した方良いかも。)
こう空を見ると今は平和だと感じる私。アルカディアはそう言うところだ。このままの生活が続ければ俺の望みは.....
「もうこんな時間か.....明日に備えて寝よう。」
時刻は深夜の一時を回っていた。相当夜更かしをしたので疲れが貯まってしまった。眠気もしてきたので今夜はぐっすりと眠ることが出来た。
そして明日は───遺跡調査にあの二日前に探知能力で感じた懐かしい感覚を目掛けて一人で挑む決意をしていたのだ。
──二日前
その日は至って普通の日だった。買い物を済まして皆の晩御飯を作っていた最中だった。あの頭がとてつもない頭痛に襲われたのは。
「ふんふん~~~♪」
楽しそうに鼻歌を歌う俺。その歌は勿論セイレーンの歌をメロディーに合わせて歌っていた。
その少し離れたところにアリア、ステラ、アイラの三人が座ってくつろいでいた。
「ねぇあれ見て、ソフィアちゃんが楽しそうに料理作っているよ。」
「おひめちゃん、最近可愛いよね。何か前は堅かったみたいな雰囲気だったけど。」
「お嬢様可愛いです。」
本人に聴こえないような小声で会話する三人。
聴こえてるぞ全て。普通の人だったら聴こえないが俺の探知能力はそれすらも探知できてしまう。翌々考えたら怖いね。
今日は何故、張りきって料理を作っていたのはお客が居たからだ。その客はクレイグともう一人知らない女性が訪問してきた。その女性の名前はレティシアという。
何と聞く限りではアストレア家本家からの護衛だという。とても美人でスタイル抜群な彼女。見惚れてしまいそうになるほどの美しさ。
そうもあって美味しい料理をおもてなししないといけない!と感じ張り切っている。
「皆さん、もう少しで出来上がりますよ。」
料理は最終段階まで終了し後は味見と盛り付け味に関しては納得の行く味に、盛り付けをするためにお皿を出そうとした時に起こった。
「お皿お皿、う~ん!ここ届きにくいんだよね。」
背伸びして皿を取ろうとする。身長もっと高くなりたいなと思う。とは言え身長は高い方なんだけど。
「良し!取れた。盛り付けっう.......」
頭が突然電気が走ったような痛みがした。咄嗟に頭を抑えて皆に隠しながら歩く。
「最近.....可笑しいな。何処か悪いのかな?」
今も痛みは全然治まらない。というか段々と痛みが強くなっていく。食事終わった後、早めに休んだ方が良いかも。
何とか盛り付けを完了しテーブルに一つずつ置こうとしていた。流石にめまいがしてきたような.....
今の俺の状態は視界がぐるぐるとぼやけて今にでも意識が飛びそうである。脚に力が入らず震えるのでさっさと終わらせて休もう。
最後の自分の食事をテーブルまでに運ぼうとした時、またもや激痛の痛みが走る。
「ぐうぅ!」
もう無理だと力が抜けて皿を地面に落下する。パリンと音を響かせ皆が何事だと振り返る。そして俺は頭を抑えながら床に座る。
「「!!」」
「さっきの音は......ソフィアちゃん!?」
「お嬢、大丈夫ですか!」
倒れていた俺を心配して駆けつけてきた。体が麻痺して動かないので立てることすら困難。
「だ、大丈夫よ.....少しめまいがしただけだから。」
近くにある椅子を掴んで何とか立ち上がる。
「それよりお皿が割れちゃったね.....」
自分の心配よりお皿の心配をした俺。このお皿確か凄く高かったような覚えがあって血の気が引いてしまいそう。
皆には心配し無いように軽く笑う。
「な、何で....何で笑うの?もっと自分の心配してよ!」
「お嬢流石にそれは.....」
「あちゃーアリアが怒っちゃった。」
不穏な空気が流れ沈黙が続く。アリアの怒りを見たのは始めてだ。どんなときでも彼女は怒った表情を見せなかった。
「ご、ごめんなさい.....」
何してんだろう私.....こんなはずじゃなかったのに。
その後、一言「部屋で休むね」と言い残し部屋に戻る。その時の皆の心配と悲しみの表情が酷く辛そうに見えた。
「この頭痛はもう.....治ることは無いだろう。何もかも私から奪っていく....何れ私は力を使い続けると───」
力とは強大な抑止力だ。生前から引き継がれた力が上手く操れなくなっている。現在、不安定な状態が続いている、それはそう───。
「寝よう.....」
ベッドに横になる。頭痛はとっくにおさまっていたようなので気持ちが楽になる。
どうにかして力を抑える物があればなあ~。
そう考えてた時、何かを感じる。直ぐに起き上がり感じた方を見る。
(あの森から感じる。何かが、私を呼んでいるみたいな何かが.....)
探知能力で正確な場所を特定する。森の奥に小さな遺跡がありその奥底で誰かが俺を呼んでいる、そんな感じがした。
(これは行ってみる価値があるな。)
前々から森に遺跡があることは知っていた。確認しに行こうと考えていたがまさかようやくその日が来るとは。
これが二日前の出来事である。
「う、ふあぁ~~。」
体を起こし伸ばす。カーテンで遮られた窓を覗く。日射しはまだ差していなかった。
今何時なのだろうかと確認すると時刻は午前三時。たったの一時間しか眠れなかった。しかし、眠気は全くしていなかった。
「二度寝しても寝れないから起きよう。」
起き上がっては朝風呂に入り顔を洗顔し髪を整え今日は普段着と違った服装に着替える。武装を装着し冒険用の服装にコートを羽織る。一様胴に銀のメイルを着用する。
リュックを背負って完璧....嫌後は。
「冒険と言ったらこうでないとね。」
髪を束ねてリボンでツインテールに結ぶ。個人的にツインテ似合うからね。鏡を見ても完璧美少女。自分でいうのもなんだが可愛い。
「皆寝てるし起こさないように外を出よう。」
こっそりと玄関の前まで来る。丁度この時間帯なら皆にバレずに調査に行けると思い動くことにした。流石にあの事が起こってから一人で調査に行きたい!何て言ったら怒られると思ったし皆、アリアごめん!
「必ず帰ってくるから.....」
そう言い残し家を出ていった。調査に何日掛かるか分からない。生きて帰ってこれる保証もない。何故ならあの遺跡は昔、多くの犠牲者を出した魔境の遺跡なのだから。
不安定な力の俺が生きて帰ってこれる確率は四十パーセントに過ぎない。
「嫌、絶対に生きて帰る。どんな手段を使っても!」
そうして森の奥に入り込んでいった。
森の奥に遺跡があってそこは封鎖されてある。相当危険ってことだと感じさせてくれる。
「ここか.....私を呼んでいるのは。」
そこはどう見えても小さな遺跡というかどう見ても遺跡には見えない。というのもこの遺跡は地下に広がる死地である。中に入れば決して出ることは不可能。迷宮みたいで道に迷うので有名らしい。
ゴクリと喉を鳴らし緊迫感の中、ダンジョンに挑む決意をして中に入る。
「暗いなぁ~。燃えろ!」
持参したランプに明かりをつけるため指に炎を具現化し着火された。本来、光魔法の持ち主ならば炎など必要ない。
光魔法が使えないのが痛いところだ。
出来るだけ魔力の消費は避けたい。
「しかし、あれだけ奥に進んでもモンスターや魔獣の気配がしないねぇ。」
奥に進むに連れて道が分散されて行く。探知能力が感じる方向へと進むが確かに一歩間違えれば道に迷いそうだ。
歩いても歩いても再び分岐点の繰り返し。
「あれ?ここさっきも通ったような?おかしいなぁ。」
先程も同じところを通った道がそのままそっくり同じだった。段々と複雑になってきている。
「本当に辿り着けれるんだろうか....ちょっと休憩っと。」
近くの休憩出来そうなスペースに腰を下ろす。リュックからは水の入った容器を取りだし渇いた喉を潤す。
「ぷはぁ~。この水美味しい!」
この前、天然の川を見つけて摂取した水だけど問題なく飲めれたより普通より美味しい。
「しかし、こうもさっきからモンスターの気配がしない。もうこの遺跡のモンスターは狩り尽くされたのかな?」
ともあれ早く先を急ごう。時刻的にあれから二時間も経過している。食料や水分がいつ尽きるか分からない。そっと立ち上がり前に進む俺。
「ん?あれは.....」
俺の視線に入った物は遠くて見られない。近付いて見ると壁に何か彫られた跡があった。土を払って見るとそれは古代文字が現れた。
「古代文字.....何々、『魔導神器』?何だそれ。」
解読してみると知らない単語だった。
「魔導神器って神様の器みたいなもの?でも興味ないから別に良いか。」
この場を後にしようとして動くが良く見ると死体が多い。ここで力尽きたのだろうか自分もこうはならないように先を進む。
「本当に長い!流石に体力も無くなってきたしどうしよう。」
地下深くまで来たのか酸素が薄い。呼吸は何とか出来るが疲労が溜まる一方。
「でも、探知によると反応は近くなっている。モンスターも居ないから無駄な体力は使わずに済む......!?」
後衛から早い速度の何かが飛んできた。それは矢だ。
何処からか弓を撃ってきた。誰だろうと後ろを振り返るとそれは──
「アンデット!しかもこんなに大量に。」
数えるだけでざっと十五体はいるであろう。剣や弓を持っている奴等は俺に襲いかかろうとしていた。
何故、今頃になって出てきたのか、それとも最初から浸けられていたのか。ともあれ戦闘体勢へと移行する。
「アンデット相手に負けるわけには行かないからね。行くよ!」
盛大なパンチを喰らわせる。相手はアンデットなためこのような攻撃は効かないようだ。
でも一体ずつ頭部を狙って倒していく。
「火の精霊よ、十字の炎を司り、焼き尽くせ!『クロス・フレイム』」
三詠唱の魔法が展開される。本来は一詠唱で終わらせることが多いが今回は別だ。
詠唱の数が多くなるほど威力は大きく最大限に強くなる。アンデットを一掃するためにわざと三詠唱した。
「良し!今のうちに逃げよう。」
上級魔法『バースト』を発動し爆風で前に進み続ける。後ろを振り返るともうアンデットたちは見えなくなっていた。
「ふう~何とか逃げきれた。予想外過ぎたけどここから警戒して通った方が良さそうだな。」
魔力を消費してしまったし休もうとしたが......
「──おい!お前は何者だ!」
人間の人影か一つ。まさか先客が居たなんて。
「おい!聞いてるのか?お前は何者だ。」
「は、はい。すみません。それより貴方は誰ですか?」
目の前にいるのは男であった。それも若い。
年は十八歳だと思われる。そんな男が剣を俺に向けて厳しい顔で見ていた。
「俺はクロト......コノエ=クロト、冒険者だ。お前は?」
「私はソフィア。ただの見習い探検家よ。」(嘘ついちゃったけど大丈夫よね?)
目の前男の名前はクロトという。それよりも珍しい名前だと感じる。どちらが名でどちらが姓なのか?
冒険者と言う彼は剣を二本も所持していた。一つは普通の鉄の剣、もう一つは歪な形の見たことの無い剣。
それとこの国では珍しく黒髪と黒目。
瞬時に警戒心を働かせる俺。
「待て待て。そう警戒するなよ、俺が悪かった。」
そうして彼は鉄の剣をしまう。
「それより、君は子ども...だよな。どうしてこんな所に居るんだ?他の連れは?」
「え!?それは.....その~。」
質問が返ってくる。彼の言いたいことは分かる。私みたいな小さな子どもが一人遺跡にいるのは可笑しいことである。ともあれ面倒だな......
「く、クロトさんは何故、この遺跡に?」
「ん?ああ、俺はこの遺跡にある秘宝を探しに来たんだ。これと共鳴したからね。」
何とか話を変えることが出来た。それとクロトという男は秘宝を探しに来たと言う。共鳴?もう一つの剣を指してそんな事を呟いていた。
「その秘宝ってもしかして魔導神器の事をですか?」
「ほう。君も知っていたのか。君の言うとおりだ!」
この人は魔導神器という物を探していたらしい。この人はその魔導神器のことを何か知ってるのだろうか。
「その魔導神器ってどういった物なんですか?」
魔導神器についてこの遺跡から私の中で感じる何かと関係しているのだろうかと思い彼に質問した。
「ふむ。ここで出逢ったのも何かの縁だ。良いだろう、俺が知っている範囲を話そう。」
読んでくれてありがとうございます。ブックマーク登録宜しくお願いします。評価、感想受け付けています!
今日の一言 (雨か......)




