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幻焔の黄昏(トワイライト)~女の子に転生したらもっと大変でした~  作者: 夜空りえる
セイクリッド魔法学院編
31/49

29.不良野郎撃破

今回は盛り上がると思うよ。(多分)


「はははっ。ジオスの言った通りの作戦に動いているなぁ~あいつら。」


「よさんかガーゼル。御主もあの子らを甘くみてたら足元救われるぞ!」


ガーゼルと呼ばれた如何にも不良な男。そして現不良グループ『リベリオン』のリーダー。それと二十代前半の青年がいた。


「まあまあ、落ち着きたまえ。お前も大人しくしてろセンリ。それにお前は喋らねーんだなソラちゃんよぉ?」


青年の名前はセンリと言う。その横にくっついている女の子がソラという名前。二人ともこの世界では珍しい名前の持ち主。


「ジオスさんよ。本当に余裕ですなぁ~。でも.....そう言うのは嫌いじゃない。」


「はっ!やっぱりあんたらはおもしれぇーよ。手を組んで正解だったぜ。」


何処かの倉庫の中での会話。そうしてフードを被った黒ずくめの男女は消える。


「さぁ、人並み拝見しますか。」




ーーーー



「気を抜かず相手を駆逐しろ、ただし程々に。」


アルバートからの指示に頷く俺とレナ。目の前にいる集団の数はざっと三十人程度の大人数。流石に多すぎないかと思ったがそれだけ潰しに掛かりたいのだろう。


良い度胸だ!全員纏めて相手してやるよ。


拳を握り戦闘フォームを作る。


「「「オラァァァぶち殺せぁ!」」」


相手から突撃してきた。皆が皆、武器を持っており鉄パイプやらナイフやら金属系の物ばかり。下手したら怪我をするかもな。

でも、その前に倒せば良い!


「てやぁー!」


「ぐふぁ!」


一体を見事なパンチを顔面にクリンヒットさせる。バキバキのエグい音は変わらず聞こえて痛そうに思ってしまう。

しかし、そんなんで俺は容赦しない。殺しに掛かる勢いで突撃する。


「てやぁ!(よわっ!マジでコイツら弱くねえ?)」


随分と厳つくゴツい奴等をみて少しは引き締めようかと思いきや見た目に関しては弱かった。レナもアルバートも容赦なく無双しているしこれなら何とか.....


「おいおい。余所見してんじゃねーよ、ばーか!」


何?いつの間に後ろに。

後ろには大男が突っ立っており手に持っている金属製のパイプで俺の頭を思いっきり殴られる。


「そ、ソフィアちゃん!あ、あんた良くも。」


うう....ぐう!痛みを感じない、頭が熱い....赤い液体が血が流れている。

地面に倒れた俺は振動で立ち上がることが出来ない。脳震盪を起こしてしまったようだ。


「ははっ!雑魚が!呆気なかったなぁ~嬢ちゃんよぉ。」


大男は笑う。とてつもない殺意を持った顔で笑う。上から俺の顔を覗くかのように酷く目が腐っている男に俺は.....


「ほらほら仲間を助ける前に自分の身を守った方が良いんじゃねえのか?」


「また増えやがった!どうするレナ。」


「どうするもなにもソフィアちゃんが!」


二人とも.....逃げろ。俺は大丈夫だから。

今、動けないのと喋ることが出来ない俺にどうしようも出来なかった。間に合ってくれれば良いのだが。

実はあの時、パイプで頭を殴られる寸前で防御結界を展開することに成功していた。その為、血が流れているけどそれほどまでに傷は深くない。

早くこの振動が治まれば動けるのに!『自動回復(オート・リカバリー)』を最大出力で起動しているが時間が掛かる。


「ソフィアちゃん!しっかりして!」


「多すぎる。魔法を使用しないと勝ち目ないぞ!これ。」


ふう~ふう~。後、もう少しで完全に回復が完了する。二人とも持ちこたえてくれ。


「あんな怪我を喰らってまだ息をしているのかぁ?仕方ねぇーな。止めを刺してあの世に行かせてやるよ。」


そうして大男はパイプを俺に目掛けて攻撃してくる。


「ソフィアちゃーーーーん!」


回復完了。動けなかった体も動かせるようになる。後ろで俺を止めをさそうとしている奴のパイプを瞬時に掴む。


「な、なあにぃ。」


今、起こった事に周り全体が驚いている。先輩二人も目を開いて見ていた。無理もない....本気を、身体全体に三十パーセントの魔力を流したのだ。

奴のパイプに掴んだまでは良い。しかし、金属製のパイプが使い物にならないほどにまでグチャグチャと潰れていた。


「何だ!おめぇ、何しやがった!」


「なぁ、一つ聞いて良いか?これはジオスという奴の命令か?私を殺せと命じたのか?はははっあはははは!」


この場をどよめく卑劣で悪役ぽい俺の笑い声が周辺に響く。不良集団の中にはその姿を見て一歩下がるもの、怯えるものがいた。


「馬鹿かお前。そんな未熟な心で私を殺せると思ったか?ばーか!私を殺したいのならこうでないとなあ!」


握ったいた手を離し瞬間移動する俺。


「何処に行きやがっ......」


後ろで奴の首を握り手に持っている奴等から奪ったナイフを突き刺す。


「や、やめろ。し、死にたくない!」


「ハッ!呆れた。お前やっぱり弱いわ。やーめた。」


俺は手に持っていたナイフを捨ててこの男を魔法で空の彼方へとぶっ飛ばす。使用したのは『ゼロ・グラビティー』無属性魔法の一種だ。にんげんの体は重力によって地面に立っている。この魔法はその逆の無の重力を生じ体が空へと浮いてしまう。


「ふぅ~。よーし♪残りもぶっころしちゃうぞ♪」


「ひ、ひぇー」


「た、助けてくれぇ!」


大半の不良たちは何処かへ逃げていった。

度胸の無い奴らだな。とまああれこれで前が空いたので進むことにする。


「二人とも行きますよー!」


二人ともボケーと突っ立っていたが俺の声我に帰る。確かにやる過ぎたかも知れない。第一先輩たちにも力の秘密をしている以上あまり迂闊な行動を取らないで置こう。


「了解だ。行くぞレナ。どうした?置いていくぞ。」


「あ.....ちょっと待ってよ。今行くから。」


アリア救出に向けて何としても早く助けなければという強い思いが隠る中、レナとアルバートはソフィアを見てこう思った。


『何者なんだろねあの娘。見た感じじゃあまだ本気では無いようだけど。』(レナ)


『ソフィア・アストレア──やはり只者だな。』(アルバート)


二人が見えている彼女の後ろ姿が何時もの優しい彼女の姿ではなくおぞましさ、恐怖感をもたらす正しく狂人のように見えていた。考え込む中、目的の一軒の倉庫を見つける三人。

そこは森の近くに位置しており外装は寂れている。如何にもボロボロの建物といえる。


(ここがジオスのアジトか。)


さて、ここでどうするか、だ。このまま乗り込むのも悪くは無いが先程の奇襲を喰らうのは懲り懲りだ。そうなれば三人別の場所に別れてタイミング良く一斉突撃するのが先決だろう。

とにかく先輩の合図に任せよう!


アルバート先輩からテレパシー能力で耳元に声が聴こえる。


『全員良いか?俺の考えた作戦はこうだ。まず俺とレナが上から狙う。ソフィアは正面から突撃を頼む。それで大丈夫か?』


『私は問題無いわよ。』


『待ってください先輩。ここは三人で別れた方が良いのでは!?その方が効率も良くて素早く終わると.....やっぱり良いです。』


危ない危ない。少し暑くなっていたのか先輩の作戦を背いてしまっていた。あまり迂闊な行動をしないように決めていたのに助けたい一身で無気になっていた。


『そうか。では作戦開始だ!』


二人は倉庫の屋根に上るため魔法を使った。あれは風魔法『エア・ライド』だ。基本は空中に身体を浮かせるための魔法。空中戦闘ではお決まりの中級魔法。


屋根に上った先輩のたちにサインを貰い突撃の準備を開始する。


(はあ~準備を大丈夫。魔力調整良し、結界の準備良し!)


大きな扉を破壊する準備に取りかかる。普通に開けようとしていたら時間が掛かって相手にも見つかる。それならいっそのこと扉をぶっ壊して入った方が奴も突然の事に驚くだろう。


俺は鞄の中に入っている小さな蒼い宝石を取り出す。これは魔法石(マホウセキ)といって高価で貴重な代物だ。極大な魔法を使用するにはそのような触媒を使わないと魔力(マナー)欠乏症といった命に関わる症状になってしまうのと動けなくなるのが痛いところ。


「我は汝に能いせし者、我灯火を持ってその身に宿す者、太陽の断りを無し月の女神に許されし、理の反転を紡ぐ焔の陽炎───放て!イングニル・カルマルカー!」


両手から放たれた八つの魔方陣を展開され形成し太陽の力を持ってこれは威力が増大に増す。今は丁度お昼時だ。威力もそれに従い強力な神話級魔術と同等な威力へと完成することが出来た。


生前より威力は千倍落ちているだろうがこの際どうでも良い。この大八魔方陣を発動できればどうとでもない。


放たれた光線は瞬時に鉄の扉を熱で溶かしざっとオーバー八千度弱の熱を持っている。これが人に当たれば間違いなく生きて帰れないだろう。

これが俺の奥の手その一つ、イングニル・カルマルカーだ!




「今頃はこっぴどくやられてる所だろう。」


奥底の椅子に座って笑い上げるジオス。自信満々に誇ばしった様子。


そして私は目を覚まし気が付けば知らない建物なかでロープで体全身に縛り付けられていた。口には魔術(ルーン)が仕掛けられており声を出すことが出来ない。


何処かのここ?確か私は知らない人に無理やり.....そう、マリーちゃんはどうしたの?


周囲を見渡すがマリーらしき人物は見当たらなかった。というか知らない男の人が二人が奥底で何かしら会話をしていた。


「ジオスさん。もしかして逆に俺らの方がやられている場合もあるかもしれません!」


「何余計な心配をしているガーゼル。そんな筈はない、断じて無いはず!」


見た感じ二人で口論しあっていたように捉える。話の聞いた限りでは誰かが私の事をたすけようとしている!?そう思うと何だか気持ちが楽になってきた。

誰かはわからないけど早くこの薄暗い所から抜け出したいよ。


「よう!調子はどうだ、お二人さん。」


フードの被った人物が急に何もないところから現れる。私はそれを見て凄くビックリしてしまう。


「順調さ。俺の計画通りに進んでいる。」


「それはそれは良かったな。──でも残念なお知らせだ。」


「なにィ?」


フードを被った男はうっすら笑みをし、再び消える。最後に「まあ精々頑張れよ。」こう言い残し。


「チッ!何だって言うんだ。ジオスさん俺少し様子見てきますわ。」


半分機嫌を損ねたガーゼルは外の様子を見に行こうとした瞬間、扉の前で少し音がした。こう何かとてつもない違和感な感じが。


「ん?.....おい!避けろガーゼル。」


「何ですか?ジオ......」


鉄の扉が一瞬にして見えない速度で崩壊する。崩壊された扉をから飛んできたのは高出力の熱エネルギーの光線。一直線に進んで放たれているそれは秒ともならない速度はまるで槍のような攻撃。ジオスは何とか回避することが出来た。しかし、ガーゼルは攻撃を喰らい跡形もなく消え去ってしまった。


「な、何だよ....それ!」


外の方に一人の人影が突っ立っていた。


ソフィアちゃん?


そこにいたのは紛れもなくよく知る人物のソフィアだった。でも、何時もと少し様子が違った。彼女の目は酷く冷えきった鋭い目付き。色々と変貌した彼女の姿であった。



ーーーー


イングニル・カルマルカーを放ってから煙で良く前が見えない。ちょいっとやり過ぎたかな?


扉に目掛けて撃ったものの中の奥底にまで貫通しており穴が空いていた。


中に入るか.....


中には入ると最初に目が言ったのは誰かの痕が残っていた。これは人の.....

もしかして俺は人を。嫌々、そんな筈はない!


何処か納得した様子で次にアリアを捜し始める。右側に縄で縛り付けられているアリアを発見した。


その姿は少し涙目で俺を見ていた。やはり助けが来てホッとしたのだろう。

だが少し違った。


「大丈夫?助けに来たからもうだいじょ......」


「いやぁ!近付かないで!」


手をさしだして封じていた口を解除して次に魔法でかけられた縄を解除しようとしたがアリアは大声で怯えた様子で言った。


そう、俺の顔はあの優しく穏やかなソフィアではなく生前の人殺しの時の鋭さを持った怖い顔だった。ポーカーフェイスって言葉を聞いたことがあるか?正しくそれだ。

現在の顔は本来の顔である。何時もの優しい顔は偽りの私その者。


「ごめんなさい.....私の顔、怖いよね。」


酷く落ち込んだ俺は彼女に謝る。

どうして俺は怒っているのだろうか?

何故、そのような表情をしているのだろうか?


俺もようやく落ち着いたのか表情が元に戻る。


「大丈夫だよ。私は何時もの私だから。だから信じて。」


アリアも安心した表情に戻りようやく縄を解除した。


「く、クソォ。ソフィア・アストレア!お前、先程のあれは何だ.....」


「ジオス、貴方はもう終わりよ。」


「チェックメイトだ!」


二人で交互に武器を突き刺し余暇ならぬ行動をしないように封じる。


俺の役目は終わったか。後は二人に任せて.....


「ははっはははははは!まだ終わらない!俺にはこれがある。」


「何?まさか!」


「避けてソフィアちゃん!」


ジオスは魔法を展開させる。そうすると俺の足元に魔方陣が顕れる。これは爆破魔法!先輩方は離れているので大丈夫だかアリアは───


隣にいたアリアを範囲外に移動させ俺だけが範囲内に残る。


「ソフィアちゃんも逃げて!!」


皆の声を無視して魔方陣に目をやる。解読能力を使用しこの爆破魔法の形状、威力、構成等を解読する。これはジオスが作った固有魔法(オリジナル)だと言うことがわかった。


(何とか解読出来たからあれを使用できる。)


床に膝をたて左手で魔方陣を触る。固有魔法に対してあれを使えるかわからないが一か八かでやってみる。


固有魔法『魔法(マジック)解除(・キャンセラー)』の使用を確認しました。魔術回路を破壊します。


(なん....とか、成功した....か)


脳に衝撃を喰らいその場で倒れてしまう。最後に聴こえたのはアリアの私の名前を呼ぶ声だった。






次に目を覚ましたのは自分の部屋だった。目を覚ますとそこは朝日が登っていた。あの出来事がまるで夢だったように感じる。

でも夢ではない。服装や怪我の手当てを見る限りあの出来事は現実だ。


(あの後、どうなったんだろう。)


気を失っていた俺はあの後の事は知らない。ベッドから出てリビングに向かう。


リビングにはアリア、レナ、アルバートそれにステラとアイラもいた。

皆、酷く暗い空気の中、俺は勇気を振り絞って声をかける。


「み、皆。おはよう!暗いよ皆。元気出していこうよ。」


無理に明るく接する。俺に出来ることはこれしかなかった。最初に言葉を発言したのはアリアとレナだった。


「「どんだけ心配したと思ってるの!ばか。」」


涙目な二人に言葉を同時に重なった。


「ごめんなさい.....でも見た通りもう私は大丈夫だからへーき、へーきだよ♪いた!」


張り切って肩を回すがとても痛かった。


「あんまり無茶したら駄目だよ。もう~ありがとね。」


このやり取りが皆に笑いが包まれる。シルヴィア──俺は今、元気にしているよ。お前は元気にしているか?いつかまた逢える日が来たら───


あの後の事はアルバートから聞いた。ジオスは退学処分となったようだ。学院長があの事件を処理してくれたお陰で周囲に広まらずに済んだらしい。


実はジオスは独断に動いていたらしく今回は生徒会は関係無いとの事。


俺たちEランク同盟は一息の平和が訪れた。





───森の奥底の遺跡。遺跡の地下に光る何かが。


『ココハ・ドコ?ワタシハダレ.....アナタニアイタイ、アルフ───』





読んでくれてありがとうございます。ブックマーク登録宜しくね。評価、感想もどしどしと受付していまーす!


今日の一言 (小説読むの飽きたときは漫画読んだら面白い。結果、漫画の方が読むの疲れない。)

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