28.不良は突然にっ!
今回も何となく頑張った方。
「本日から調査開始するわよ~!気合い入れていこー。」
朝からテンション高いレナ先輩。本日は学園が休みの休日。昨日について調べた不良生徒ジオル・インバルクの調査をするため街の人たちに聞き込みするはずなのだが。
「おい、お前ただ遊びたいだけだろう。」
「え、そんな....ことはないよ?」
嘘つくの下手ですか。顔に出ていますし目が横に泳いでいる。分かりやすくて大変ありがとうございます。
とまあこうした休日の日に調査として来る前、今から二時間前に遡る。
「おはよう~。」
パジャマ姿のだらしない姿。リビングに向かい皆に朝の挨拶をする。
「おはよう、ソフィアちゃん。今日は随分と遅いね。」
珍しくアリアが起きていた。それも今日は部屋着とは違うお洒落な服装。お出掛けでもするのかな?
「これから友達とお出掛けしてくるから。後、朝食今日は私が用意したから食べてね♪」
リビングの机に朝食が置かれていた。アリアの料理か~久しぶりだな。それとこんな朝早くから友達とお出掛けねぇ。まあ楽しんできたら良いと思うけど。
「いってらしゃい、気を付けてね。」
背中を掻きながらあくびしてアリアを送り出す。
「うん、いってきます。後...だらしないところ人前に見せたら駄目だよ。」
最後に念押し&少し注意を受けてしまった。自覚しているけど休日の朝は怠くてしんどいのです。アリアに注意受けたの今回で何回目だろうか。数えきれないほど言われた気がするし一度も直そうとした覚えもないような。
考えても仕方がないので朝食を食べよう!と思うが.....
「ははっ!(わかってたけどこれは酷いなぁ~。)」
味はそこそこ美味しいのだか見た目は.....表現すると色々と突っ込みたい部分がややある。一番、見て笑えるのがトーストだ。トーストがどう見えても可笑しいダーク色のオーラを放っていて食欲は受け付けられない。なのに
「味は美味しいのが悔しい!」
額に手を抑えて悔しながら食べ進み完食し片付けを済ましてソファーにダイブする。寝転がりながら今日の予定を考える。
今日は近くの森を探検しようかと以前から計画していた。噂によると遺跡があると言われている。暇潰しに調査へと行こうかと考えていたがその時、近くに置いていた自分の端末が鳴り始める。
『~~~~♪』
怠そうに手を伸ばし開く。電話だ、しかもレナ先輩からの呼び出しコール。朝から連絡とか珍しいな。
「はい、もしもし?」
『もしもし、朝早くからごめんなさいね。ちょっとだけ用があって。今、暇かしら?』
「あ、はい暇ですよ。どうしたんですか?」
『良かったわー丁度今から昨日の説明したジオスの事についての調査をしようかと思ったの。だから街の中央の広場に集まってくれないかしら?』
レナ先輩からの電話は調査についての事だった。後、今から集まるってこと?まあ先輩の頼みは断れないし第一協力すると言った身なので断れない。俺の答えは当然───
「わかりました。それじゃあ今から準備してきますね。」
『ありがとう♪それじゃ宜しくね。それと.....私服期待しているから。』
最後にそう言い残し通話が途切れてしまった。はあ~また面倒な要求してきたなあの人。
肩をガクっと下ろして苦笑いする。そんなこんなで準備するけどここで問題が発生する。基本お洒落をしない俺としてこの場合、どうすれば良いのか戸惑いが生じてしまう。
「ん?どったのお嬢様。」
突然声を掛けられたのは護衛のステラ。一気に戸惑いが嘘のように消えた。まあこういう時は同じく女性として聞いてみても良いかもな!
彼女にそれについて相談することに決めた。
「──まあこのときってどんなコーデが萌えるんだ?」
自分で言ってて恥ずかしくなる。なんだよ萌えるって!普段使わない言葉を使ってて馬鹿みたいに感じてしまう。
「んーお嬢様の場合だとこのコーデがお似合いかと。」
取り出したのは水色のカーディガンに白のフリフリとしたワンピース。靴は普段履かないヒールだった。
「ほらほら早く着替えて♪」
「う、うん。わかったよ。」
取り敢えず言われるまま着替えることにした。本当にこんなんで可愛いと言えるのだろうか?もしかしたら彼女がわるじえでダサいのを選んだのだろうか。不安になってくる。
そうして着替え終えてステラにこの姿を見せる。下らへんがすうすうしてやはり落ち着かない。足の素肌だって丸見えですし恥ずかしい。
「ど、どう....かな?」
下を気にしながらモジモジと落ち着かない様子。頬は赤く染め顔をそっと横に向ける。
「流石がお嬢様、似合いますよ。──それと後は髪型を変えてみたらどうですか?」
うにゃん!髪型を変える!?確かに今の俺の髪型は癖のないストレートな長い髪。昔はツインにしてもらった記憶が少し思い出す。でも子どもぽいからやめたんだよな~。どうせ他の髪型を試しても子どもぽくなるし。(訂正、子どもでした)
髪を纏めてサイドにおさげをしてみることに。結果は大人ぽさが増した。
(うん!ちょっと納得納得)
コクっと頷く。今だ九歳の身である私は身長が一般的に高い方。そろそろ成長期ってところに入るので体つきが少々変わってきている、一様胸も。
「っと!もうこんな時間。ありがとうステラ。行ってきまーす。」
鞄を担いでヒールを履き扉を開いた───
とまあこういう経緯で今に至っている。実は先輩たちが待ち合わせに来るのが遅かったので安心したけど、取り敢えず今の格好変じゃないよね。やっぱり気になっていた。
「でも.....やっぱり私の思った通りだったわ。ソフィアちゃんとっても可愛い♪」
じーと見詰められる。やはり可愛いんですね、少し安心しました。
「ん....何ですかアルバート先輩?」
「あ、いや何でもないさ。」
ジト目になって見つめる。先程からアルバートの視線が俺の方向を見ては外しての繰り返し、気付いていないでも思ったのですか。顔が少々赤らめているのが見えて普段とは違った様子。
「じゃあ二人とも行くよぉー!」
気まずい空気を一気にぶち壊すレナ。今のところ助かったと言うかありがたいと思った。
彼女に付いていき色んな所に行かされた。最初は雑貨屋、ただのせんぱいが行きたかっただけなのではと思いながら中に入った。俺はそこの店長にジオスの噂を聞くことにした。店長曰く、最近は余暇ならぬ事はしていないらしいという。それよりか昔より増しになったと言っていた。
それよりも気になったのは.....
「ねぇねぇこれ可愛くない?アーくん。」
「ウサギ耳のリボンか。お前なら似合うし可愛いと思う。」
「そ、そうかな~えへへ。アーくんに可愛いって言われた。」
本来の目的忘れていないか?しっかりと調査の仕事をしている俺と対象に彼方側で仲良く睦まじく楽しんでいる二人を見て少々呆れた反面、応援したくなるような気分もまたしかり。
「先輩たち、次行きますよ。」
俺の掛け声で二人は反応する。それから雑貨屋を後にして次はすぐ近くにあった武具店に行くことに。
でも結局、それ買ったんですね。
レナ先輩の髪にリボンが結ばれていた。因みにポニーテールにしたという。先輩は普段男装している為、その姿は凄く自然だと感じた。女性ぽさも増した。
「ここの武器って良いもの揃っているのよね。私も良く通っているわ。」
「へぇ~そうなんですか。因みに先輩はどのような武装を使用しているんですか?」
先輩方の武装に興味を少し持っていたのてこの際に聞いておこう。
「私の場合は槍だね。でも私のはそこら辺の槍とは全然違うの。ずばり変形する特殊系。」
レナは自分の武装について簡単に説明していく。変形する槍、具体的にパーツ事が分離され別の武器に変わるという物らしい。それ以上は秘密だと言う。多分そのような代物を俺は見たことも聞いたこともない、となればレナの自作品だと言える。この事から彼女は技術者の一人だと推測できる。
「ソフィア、俺の武装は両剣だ。実は俺の武装は分離することが可能で二刀流にもなる。」
両剣とはまた珍しい物を。二つの刃が左右にある剣。そこまでは至って普通の物。しかし、先輩のは分離することで二つの剣になる二刀流となる。
「ソフィアちゃんはどうなの?」
「わたしですか?私は......」
質問したわりに今度は俺に降りかかってきた。俺の武装は今だ無いに等しい。とにかく今使用しているのを言おう。
「この拳に着けるガントレットですね。」
「ソフィアちゃん、もしかして拳で戦うの?武術とか格闘術出来るの!?」
あれ?何でこんなにも驚いているんだ。
先輩方は目を開いて驚きの様子で見ていた。やはり今時武道は可笑しいか、と思いきや。
「女の子なのに凄いな!今じゃ武術は軍で活用され軍用格闘術が主流となっている時代だ。」
「もしかして軍用も使えるの?」
「いえ、軍用は流石に九歳の私には使えませんよ。第一習っていません!!」
実は軍用格闘術も使えるとは流石に言えない。この歳で使用できたら何らかの疑惑や疑いが生じてしまう可能性を最小限に配慮するための嘘をつく。
「そうよね。ごめんなさいね変なことを聞いて。さあ、調査を再び開始するわよ!」
武具店をしているリックという人物に声を掛けるレナ先輩。やはり常連客だと言うことが一目でわかる。
レナが「ジオスの噂は最近どう?」と質問し、リックは「ジオスの野郎は問題を犯していないがどうだろうな。」と腕を組ながら言っていた。
そして話が終わったのか帰ってくる。
「無理だったわ。やっぱり良い情報は見つからなかった。」
「仕方無い、別の場所へ移動するか。」
別の場所へ移動し聞き込み調査を続けたが結局、進展な情報を獲得することは出来なかった。現在は丁度そこら辺にあったベンチで座って休憩中。疲労が貯まって色々と疲れた。
「次はどうしますか先輩。このまま続けても同じ繰り返しですよ。」
聞き込み調査をした人たちは皆が同じ事を言っていてきりがなかったそれほどまでにジオスという人物は余計な行動をしていないとなる。先輩も流石に諦めるかと思ったが認めようとはしていなかった。必ずジオスの裏を掴めれると確証していた。
俺は当然、諦めていた。
「ぜったいに!ジオスの奴は何かしら動いているわ。私は諦めないわよ!!」
「でもさ。ソフィアの言っている通りこのままでは拉致がないと思う。もっと良い情報があれば───」
「きやゃゃゃゃゃーーー!」
何だ!何事だ。突然の叫び声。声的に女性と見られるのと音量的にこの近くで何かが起こったのに違いない。
俺が先輩二人の顔を見る。レナもアルバートも警戒な体勢に入っており互いが見つめ合い頷く。
『この近くで何か起こったようね。』(レナ)
『どうする?様子を見に行くか?』(アルバート)
『確かにその方が良いと思います。事件に巻き込まれたかもしれませんし第一女性の叫び声です。助けに行きましょう!』(俺)
『了解』(全員)
そして直ぐ様、声が聴こえた方向へと走る。俺を入れた三人は厳重な様子でいつでも戦闘体勢に入れるよう身構える。
『見えてきたわよ。誰か倒れているようね。』
視線の先には壁のそこで横倒れている女性。見た感じだと大した怪我は無さそうに見える。
「貴方、大丈夫?」
「うう、はい、大丈夫です。それよりも.....」
レナ先輩の後に到着した俺とアルバート。その怪我をしている女性を見て見覚えのある人物だった。
「ソフィー?」
「貴方は....マリー!どうしてマリーが。」
この場所で身内にあって驚いてしまう。確かにここはあの叫び声がしたところだ。そんなところに何故彼女が.....ハッ!
『これから友達とお出掛けしてくるから。』
その言葉を思い出して嫌な感覚に襲われる。もしかして先程の叫び声は───
「ソフィー助けて、貴方にしか頼めないの。だからアリアを.....」
「大丈夫?ここで何があったんだ!」
良く見ればマリーの怪我は横腹に血が滲んでいた。見てて相当エグい。彼女は説明をしていく。まず、マリーとアリアはお出掛けをしている途中に不良集団に出会しアリアの手を引っ張って連れていこうとした。それを止めるべくマリーが対抗するものの集団相手には敵わなかった。そして戦闘不能になったマリーは集団に連れていかれる悲しい表情をしたアリアを見たという。
「大体の流れはわかった。どうします先輩。」
レナの意見を聞くことにした。
「多分その集団はジオスの元いた不良グループだと思うわ。つまり今回の犯人はジオスの可能性が高い。」
ジオスが動いたという訳か。でも何で俺ではなく無関係なアリアを狙ったのか。
「多分その子を囮にして誘き出す作戦だろうな。」
そういう手を使いやがったか!卑怯な奴め。
心のそこから俺は怒りが湧いていた。何せ大切な友達が傷つけられそれとアリアをまた護ることが出来なかった悔やみ。どうしてこうも上手くいかないのだろうか。
「わかったマリー。私らがアリアをすぐに助けに行く。良いですよね先輩。」
気合いを入れる俺。一様先輩たちにも頷き許可を貰う。取り敢えずマリーは近くにいる優しい商人に頼み跡を追いかけるように先に走る。
この方向に向かって言ったようだ。俺の探知能力で居場所を探り出す。この場所からそう遠く離れていない場所に奴等はいる。
後もう少しでと思った矢先に横から大人数の集団が現れる。
「あくまでここを通らさないつもりのようね。」
「まあ戦うしか無いだろうな。レナ、ソフィア!戦闘準備は良いか?」
アルバートに言われ引き締める。全員戦闘体勢に入り武装を顕現させる。因みに俺は今日は武装を持参していないため素手だ。一見不利に見えるけど大丈夫。
さあ、始めようか!お前らのクソッたれな悪事を止めてやろうじゃないか。
読んでくれてありがとうございます。ブックマーク登録宜しくね。評価、感想もどしどしと受付していまーす!
休日にジオスの調査を開始した私たち三人の前に突然事件が起こった。事件に巻き込まれたマリーとアリア。それでアリアは奴等に連れ拐われてしまう。三人はアリア救出作戦に乗り出す。
お願いアリア、無事で居て.....
次回、不良野郎撃破
(次回予告言ってみたかった。もうやらないけど。)
今日の一言 (休みの日って何だかんだ嬉しいけど暇ですよね)




