24.変わらない生活
前回が文章が長かったのですが通常通りに戻ります。(戦闘シーンの時は長くなるかも?)
「まさか学院最弱のEランクが勝ってしまうとはな。」
不良な生徒が荒っぽい口調で言う。
「私も驚きましたわ。実際に模擬戦をご覧になっていませんですがそんなにお強い方だったの?」
自慢の金髪をはらいながらいかにもお嬢様な女性。
「魔法を使用したのは一回だけ。わかったことは雷属性の魔法が得意と。ふむ、本当に不思議だね。明らかにあの魔法は上級魔法。一年生で上級を使うのは見たことがない。ましてや.....」
考える態勢で悩んでいる男性の姿。この場に座っているのは全員で五人の人物が席に座って会議をしていた。
「Eランクなのにあれだけの威力を放てるって疑問だよね~。不思議だよね~。ちょっとは興味持ったかも。でさぁ~君はどう思うよ~。」
怠そうに机にふせて語る女性が一番奥の席に座る人物に投げ返す。
「俺に話ふってくるのかよ。まあ、確かに謎だらけだな。確かアストレア家の人間なんだろう?」
腕を組ながら椅子に座っている男は微笑みんでいた。
「確か名前はソフィアだったな。」
「可愛らしい名前に可愛らしい女の子。一度お姿を見てみたいですわ♪」
キラキラと輝かせながらテンションが可笑しい金髪お嬢様。
「さてと....今後の事はお前に引き続き任せる。会議は終了。」
会議は終了し各自解散していく。部屋を退出していくがその中、二人だけ残っていた。
「おい!」
「ああ?先輩ですか。どうしたんですか。もう会議は終わりましたよ。帰らなくても───」
その瞬間、机をバン!と叩く音がした。叩いたのはこの先輩で不良のジオスという人物。いかにも怒っている顔だった。
「ああん?先輩に向かって嫌そうにひきつった顔すんなよ。殴られたいかぁ?」
制服の袖を捕まれジオスは拳を俺の顔面近くに持ってくる。これ以上怒られると殴られそうなので素直に謝ろう。
「すいませんでした~。で俺に何か用ですか?」
怒りも冷めてくれたので掴んでいた袖を離してくれた。再び席に座り崩れた袖を直す。
「お前本当に大丈夫なんだろうな?」
なるほどね。俺がしっかり任務を果たせるかどうか疑ってるのか。ほんと怖いねぇ。俺はこの先輩とは仲か悪く一方的に俺にちょっかいを出してくるので苦手である。
「大丈夫ですよ。それより先輩も変な手出しはしないでくださいね。後々、此方の処理も面倒になるので。」
「ぐう!」
そう言うと不良先輩は抵抗出来ない姿勢を取り出す。流石にこの人だとなりかねないと思い忠告した。あの人の指示無しで動くと怒られるのを先輩も存じている。
「わーたよ。たが、何かあったら俺は無断で動くからな。」
最後にそれを言い残し部屋を去っていった。Eランクの監視の他に一つ仕事が出来たかも知れないな。机に置いてある端末に目を向ける。
「ソフィア・アストレア....か。」
*
あの例のアリアを泣かせたあの野郎事件が無事解決した翌日。普段と変わらず四人で朝食を済ませ学院に登校する。今日は何故か珍しく護衛が働いていた。最初から働け!とツッコミたくなるけど別にどうでも良いか。特にアリアの──
「アリアちゃん。変な人が近付かないように護るからね。」
「アリア様。もしもの場合は私のこの剣で。」
アイラがアリアの前衛にステラが後衛で護っていた。後ろから剣を取り出すな。中には怯えて逃げる者や変な目で見られている。気付けば俺だけか孤立していた。
はあ~。出来れば俺も護って欲しいのにな。ある意味で。
ガクッと肩を下ろし怠そうに学院の校門を通る。教室に行こうとした途端。
「「「きゃゃー!!」」」
何々何事ですか?女性の罵声が聴こえ此方に向かって走ってくる。まさか俺に用なんじゃ。
しかし、俺の横を通り過ぎ後ろにいた超イケメン君と影薄いさん、後は使えない護衛の方向だった。
ですよね~。わかってましたよ。明らかに俺ではないと!わかってたさ。
もしや昨日の事で俺の成果が喚起的だった為か周囲の目が変わったのかとひやひやドキドキされられたがそうでもなかった。この場合喜ばしい事なのに何故か嬉しくないそんな気持ちになっていた。
「「おはようございます。エドワード様。」」
「うん。皆、おはよう。」(超笑顔)
挨拶を返し合うのに対してあのイケメン君はまたして笑顔を欠かしていない。眩しすぎてこれ以上見てられないのでこの場を去ることにした。
「......」
うん?何か視線を感じたけどまあ、いっか!
ステラは置いていき途中でアイラと別れ学院の中に入り一年A組の教室へと直行した。そのまま何時も通りに扉を開く。
「皆さんおはようございます。」
隣にいたアリアは元気良く挨拶を返すが無理している感が少し混ざっていた。クラスメイトたちはの彼女を見て。
「おはよう。アリア!」
「おはようですわよ。アリアさん。」
「わー!アリアちゃんだー!」
「「「うぉぉぉーアリア嬢のお出ましだ!」」」
女子はともかく男子たちも変わらずの態度であった。それよりか逆に教室内が騒がしくなる。
「みんなぁ......」
「アリア。心配しなくても大丈夫よ。皆、貴方の仲間よ。」
クラスメイトたちの中心にマリーが彼女の頭を優しく撫でた。
良かったなアリア。もう大事な仲間が出来たようで何よりだ。
頷きながら目立たないようにこの場を退散し机に腰を掛ける。
ふぅ~。これからどうするかな。
考え事をしていた。俺はあの模擬戦でどうやら本気を出し上級魔法を使用する醜態をしてしまった。今の肩書き状Eランクが魔法をまともに使用したことにより疑問を持つ者が現れたに違いない。
「私はどうすれば良いのかしら。」
「凄く悩んでいたようだけど大丈夫?」
「うんうん。私の今後の方式をどうするのかを──て」
私は先程から誰と会話していたの?確かとっても格好いい私好みの安定したイケボが聴こえたような。声のする横を振り返ってみるとエドワードの姿を捕らえた。
「.....なに?何か用ですか?」
先程までのテンションが嘘みたいに額落ちした。再び怠そうに聞き返す。
「あれ?反応違う。別に用というわけでは無いんだけど普段と違って険しい表情だったから心配しただけ。」
なぬ!こいつ俺の事を心配してるだと。イケメン君が俺に....嫌々こんな陽キャラ感満載が俺が脈ありは───無いね。
というか俺好みの爽やかイケメンボイスを聴かされるって理性が保てないんだけど。奥底からくる何かをそそぐる気持ち。
「もし良かったら俺が君の力になろうか?」
ズキューン!その言葉を聴いたとき心の奥底から吹っ切れた音がした。俺の心臓に突き刺すように感じた。鼓動が早く少し身体が熱くなる。
私ったらもしかしてこれは口説かれている!?別に好みじゃないのに何でか体が締め付けられる。これは明らかに好意があるって受け取った方が良いのかしら?嫌、そんなはずはないよソフィア。エドワード君はたらし、女たらしなのよ。騙されたら駄目よ私。
でも───
『俺はお前の力になりたい。』
『エドワード君.....ポッ。』
違う違うちがーう!頭に浮かんでいた妄想を速攻消して我に帰る。少し遅かったらメロメロで洗脳されるところだったと思う。第一こんなイケメンはタイプじゃない。俺はもっと可愛い美少女が良い。
「別に気にしなくて良いよ。ははっあはは。」(苦笑い)
無理矢理感だけど何とか「そう?もしも困ったら言ってね。」とイケメン君はクラスの友達のところに行ってくれた。本当に疲れるんだよ。本来は平和な日常を過ごしたいのにこれ以上目立つのは避けたいところだ。
確か今日の授業は武器を使用した初の実践科目だ。
セイクリッド魔法学院には接近タイプ・遠距離タイプ・援護タイプが基本的人選だ。接近はいわゆる剣。遠距離だと弓、銃が基本。援護は杖等...まあ説明すると長くなるので省略する。
予鈴が鳴り各自席に着く。先生、この場合は教官とも言った方が俺はしっくりくるので今度からそう言おう。扉を開け教室に入室した。グレン教官殿のお出ましだ。
「皆、今日も元気だな。そんな君たちに今日は魔法以外の訓練を今日から開始する!先ずは訓練場に移動してくれ。」
合図を掛けられ皆が皆動き出す。魔法使う者にとって大切な授業となるであろう実践科目。魔法と武器をリンクさせる特訓とも言えば分かりやすいだろう。それを今からするのである。
「ソフィアちゃん。行こ♪」
「そうだね。今行くよ。」
アリアに呼ばれ席を立ち教官の跡を追いかけた。
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(今日の一言) 明日も頑張ろ。




