22.厄介事に巻き込まれました。
面白いそうな展開を書きたい。
セイクリッド魔法学院に入学してあれから二週間程経った。その間、出来るだけ目立たぬように実践授業では皆と距離をあけて端の方で訓練していた。
訓練といっても魔法を既にマスターしている俺にはただ暇みたいなものだった。その間、クラス全員の情報を把握した。
皆は若さながら凄腕の才能ある人材だとわかった。だが、どいつもこいつも基礎が出来ていない。
その為、魔法発動に失敗する者、怪我をしそうになった者も居て呆れてしまった。
クラスとは馴染まずアリアに誘われた時には悪いが断ったりしていた。
グレンの授業はとてもわかりやすく感心させられた事もあった。暇がある時には先輩方、アルバートとレグルス──レナ先輩と集まったりしていた。
今日はというと授業を終え放課後となる。放課後では魔法訓練を自主的に出来る時間で大半の生徒は闘技場に集まったりしている。
少し覗いてみるかな?
生徒はどのような自主訓練をしているのか気になる。これからはもうすぐ武器を使用する訓練も開始される。俺も用意しておく必要がありそうだ。
闘技場は歩いて八分の距離に位置する。大きさはそれなりに大きい。全校生徒分は入れると言われていると。この前アルバートに聞いた。
「ほわぁ~デカい!」
聞いた通りの建物だった。綺麗なホワイトの塗装が施され形はドーム状。真ん中に学院のシンボルである一匹の獣のエンブレムが垂れている。
「中が広すぎ。」
中に入ると広かった。武器倉庫が置かれて色んな種類の武器が丁寧に並べられていた。天井を見るとガラスで出来て日差しが当たる。日差しをカットする機能もあるとの事。
そして天井が開く事もあるそうだと。管理者の人が説明してくれた。
「ここから少し見てみるか。」
観客席を見つけ上から生徒たちの自主訓練を覗いてみる。上級生は勿論、俺たちみたいの新人もいた。その中にアリアと同じクラスの連中も含んでいた。
『楽しそうにしているなぁ~。』
アリアの周りには男子たちの群れ。アリアは相変わらずおどおどして男子たちは熱心にアプローチしているように見える。
『ほらほら苦笑いしてる。』
若干退いているようにも見えた。ここじゃ良く会話が聞き取れない。そう思い聴力を上昇させる。これは便利なのだが無駄な雑音まで関知するから普段は使用しない。
「アリアさん。俺と一緒に練習やりませんか?」
「僕が先です。」
「いーや。俺が最初に言ったんだ。お前らは引っ込んでろ。」
「僕が先なんです。ぶひ(やはり可愛いー!)」
「あはは。皆さん困ります。私はあの子達と練習しますので.....。」
予想通りこうなってたか。
男子たちは皆個性ある人物だった。あのデ....太っとる男は見てて気持ち悪いし発言がもはや受け付けれない。君たちは物語のモブのモブ以下の存在だと思うよ。
「だから皆さんごめんなさい。じゃあ。」
「おい!待てよ。折角俺たちが君を誘ってやろうとしているの明らかに俺たちを避けようとしやがって。女だからと言って舐めとんのかぁ?」
一人、先程まで紳士的な態度を取っていた男が急に性格が変わったように一変にしてする。
その男に続いて他の三人も態度も変える。
不穏な空気が流れ他の生徒たちは何事かと注目し始めた。アリアの友達、マリー・クルシュアンがとっさに揉め合い止めに行くのをとらえた。
「何があったの?アリア。」
「この女が折角の俺らの誘いを断り、その後、俺らに暴言を吐いてきやがったんだよ!」
「ち、違う。私はそんな事言ってないよ。断ったのは友達がいたからだけで.....。」
少々涙目なアリア。普段からおどおどして天然な彼女は弱々しく体を震えている。
「ちょっとあんたたち。流石にそれは言いがかりじゃないの?」
アリアの様子を見て反撃を開始するマリー。だが、相手もそう大人しくならない。魔法を発動させようと態勢を取っていた。
仕方無いなぁ~。
別に大したことがなければ傍観するつもりだったがアリアを泣かした罪は重いぞ。
全身に魔力を流し身体能力を強化される。観客席をから飛び越え地面に目掛けて落下する。上手く着地し、誰も目で捕らえることが出来ない速度でアリアたちの場所に向かう。
男の魔法が発動される。
間に合え!
ギリギリ到着し防御魔法『レジスタンス』を使用する。魔法を一瞬にして無効化にする。
「ぐう。何だ。煙で前が良く見えねぇ。」
「何が起こったの?」
現在の状況を把握できていないようだ。その間に力を抑え元の状態に直す。
やがて煙は消え前が視界が良く見えるようになる。
「ねぇ君たち。少々やり過ぎじゃないかな?」
俺はそう語る。相手も誰なのか気付いたのか口を開く。
「お前はあのEランクの!」
「どうしてここに。」
「ウソぉ~あの落ちこぼれが何で。」
「これは何事!?」
周りのざわめきも強まる。こうなることは想定済みだったが流石にキツいな。でもこのまま退くわけにもいかない。
「ほおーアストレア家の落ちこぼれ姫じゃないか。」
「何?アストレア家。」
「あの有名な貴族の一角、アストレア家の。」
「ああ、情報によると名前はソフィア・アストレア。この学院で三人目のEランク。才能無しのお姫さんだ。」
少しうるさいな。部外者はちょっと黙って欲しいな。あっ。この場合俺も部外者だけど。
「酷い言われようだな。僕もまさか君が仲裁に入ってくるとは思わなかったよ。」
「私も最初は傍観するつもりでしたけど状況が変わりまして。」
笑顔ながら言葉を返す。出来れば事態が大きくならないことを祈りたい。そうした一心で動いたのだけどこの有り様だと教師陣も後に続いて来るだろう。
「はぁ~。英雄気取りですか?このEランク風情が!」
その瞬間、背後から殺気を感じた。まさか後ろに敵が。
背後にお仲間二人が魔法発動態勢にの状態で待ち構えていた。彼方側の会話に気をとられて気付かなかった。
退けられるか?嫌、退けてやる。
華麗に回転し後ろ回し蹴りをして奴らの魔法を粉砕する。これを見た相手は驚く。
「何だよ.....それ。」
「う....。」
思わず使用してしまった。この技は無闇に使うなと生前から言われていた。しかし、あの状態だったからこそ以下仕方ないと。何とかして誤魔化そう。
「あ、あれだよ。体術の一環。私、昔体術習ってたから...あはは。」
冷や汗をかきながら無理矢理誤魔化した。
「ま、まあそんな事よりあの女が全て悪いんだ!Eランのお前も見ていたならわかるだろう?」
見ていたさ。でも嘘はいけない。俺はしっかりあの会話を聞き取っている。全て君たちが悪い証拠を此方は掴んでいる。
「本当にそうかな?」
「何が言いたい。」
動揺仕切った顔。目が横に泳いでいる。わかりやすいタイプだな。このまま相手の口から真実を吐かせるのが目的。さぁ観念した方が身のためだ。
「ぐぬぬ。(全てお見通しかよ。こうなったら最後の手段だ。)」
「(本当にやるのか?あれを。)」
「(このままだと俺たちの負けだ。奴の明らかに証言を持っている。だからさ力を押し潰せば良い。)」
「(それは良いな!生憎奴はEランク。魔法何かまともに使いやしねぇ。)」
四人がかりで相談している彼ら。アリアは震えながら泣いている。友達の人がが何とか慰めている。もっと早く駆けつけていたら泣かずに済んだのだろうか?今になって後悔が生じる。
教師陣もようやく駆け付けてきて何事かと急行していた。アリアはマリーと共に医務の教師が医務室に連れて行かせた。
教師陣にもEランクを嫌う者が居てまるで事の発端は俺が悪いと勘違いしている様子。視線的に俺を睨んでいる。
『仲裁しただけなのになぁ.....』
思わずため息をついてしまう。でもこれで事態は収まった。この後は教師たちに連れていかれ事情聴取されるだろう。勿論俺も。
「先生!待ってくださいよ。俺たちは何も悪くないんです。悪いのは全てあのEランクが。」
おい!あの野郎。セコいぞ。
どうしても自分たちが無実になるように俺を売り教師に直談判する彼ら。流石の教師も引っ掛からないだろうと思いきや───
「なるほど。そう言うことですか。確かに貴方らがこのような事をしないと思ってましたよ。私も怪しいと思ってたんです。貴方らを信じましょう。このEランク風情が!貴方のせいで余計な時間が増えたじゃないですか。」
眼鏡を掛けた憎たらしい教師を仲間にした彼らに俺は反論できない。反論すれば謹慎、または退学になるかもしれない。ましてやEランクの俺にとって手出しも出来ない。仕方無い。諦めた方がまだ罰は軽いかもしれない。
と思ったが。
「だから先生。奴にチャンスを与えたらどうでしょうか?流石に可哀想だと思いますので。」
にやけながら何か悪巧みを考えていそうな彼ら。俺にチャンス?何が目的だ?
「俺ら四人と奴一人の決闘で奴が勝てたらこの揉め事は無かったことにしたらどうでしょうか?」
「ふむ。良い提案だなぁ。良いでしょう。その決闘を許可します。ふっ。」
奴らの考えを納得できた。あくまで俺に濡れ衣をさせて悪者にさせる。そして教師を仲間に有利の立場を手にした奴らは俺の事を可哀想と言った。
Eランクに無理な戦いを持ち掛け勝てば無かったことになる。一見それは彼らの株が上がり、一方俺の評価は下がる。
奴らの策略に乗せられてしまった訳か。
この状況から形勢逆転するに辺り決闘を申し込まざる得なかった。
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作者の休日何してるか教えていなかったので教えます。声真似の練習をしたりしてます。
そんな事よりも主人公、早く本気出してー!と思いますが次回は 少しだけ 本気出しますよ。




