21.Eランク同盟またの名はイラン同盟結成!
サブタイトル寒すぎる。Eランクだからイランって良くできてるねぇ~。
手を差し伸べてくれた。俺はその気遣いを受け取りその男の手を掴む。引っ張り上げてくれて体を立ち上げた。
「ありがとう....ございます。」
お礼を言い床に置いてある鞄を持つ。
「酷い目にあったね。」
酷い目にあったねじゃないですよ。助けに来てくれても良かったんじゃないですか?俺は少し不満な表情をする。
「まあ軽い怪我で良かったよ。正直、オレもね。助けには行きたかったんだけど色々と事情があって。」
「それでもこうやって倒れていた私に気遣ってくれたでしょ。それだけでもありがたいかも。」
この男、笑顔を欠かせず気軽に接していける感じだが何を考えているのかさっぱり不明な為、ただならぬ雰囲気を漂わしている。こういう相手こそが一番怪しさ全開だ。
もう一人の男の方は一言も語らず、ずっと俺の方を見ている。警戒の態勢を取る。
「おい。この娘警戒しているぞ。何かしたのかレグルス。」
「別にオレは何もしてないよ。ね?君もそう思うでしょ?」
特に悪い人でもないのはわかる。だが、その笑顔で近付かれると流石に怪しい。貴方の連れの片の方へ逃げ背中の後ろに隠れる。
「やっぱりお前、何かしただろ。大丈夫だ。お兄さんたちは別に君に危害を加えないから。もしも、あの不審者に何かされたら俺が守る。」
この人好い人そう。ちょこんと顔を出して睨む。
「オレ.....もしかして嫌われてる!?」
「そういう事だな。諦めろ。それより話したい事あったんじゃないか?」
思い出したようにハッとした表情をするレグルスという男。話たいこと?何の事だ。
「その前に自己紹介だ。俺の名前はアルバート・オルディス。この学院の上級科五年だ。そしてこっちが。」
「怖がらせてごめんね。オレの名前はレグルス・ローランだ。あっちのと同じ学年。それとこう見えて性別は女性なんだ。」
上級科五年、先輩方ですか。アルバートという男は体格が良く体術が得意だろうと思われる見た目。一言で言うと格好いい男性。
同じく上級科五年の笑顔を欠かせない先輩。衝撃的なのは女性だったこと。確かに見た目的に男性にしては髪は背中に掛かる長さでおさげに結んでいる。
肉体的に男性のごわごわ感でなくふにふにと滑らか。翌々考えたら何故、男性に見えてしまったのだろうか。男の制服を着ているから?一人称がオレだから?
「その反応だと驚いているようだな。まあ、俺も最初は騙されたさ。」
「あの時は面白かったねぇ。アー君がオレが女だと気付かずにあんなことやこんなことを。」
何か凄いエピソードを聞いてしまった気がする。あんなことやこんなことってこの人は何を。視線をアルバートの方に向ける。
「誤解だ!あれはお前が女だと知らずに....。それと別にやましいことなんかしてないぞ。第一、お前から仕掛けてきただろ。」
「あれぇ?そうだったかなぁー?」
何もなかったように惚ける。二人とも笑いながらイチャイチャしている。その光景を見て微笑ましくなる。
「ふふっ。先輩たち、面白可笑しな人ですね。」
俺の笑いで二人とも黙って赤らめる。本当に仲が良いですね。見ているだけでわかる。
「ま、まあそれよりレグルス。」
「はいはい、わかってますよ。後、レグルスじゃなくて今はレナって呼んでよね♪
では....本題に入ろうか。」
一変にして真剣な顔付きになる。ようやく話とやらを聞く事ができるのか。それより俺にどう関係があるのか気になるところ。そっーと深呼吸して返ってくる言葉を待つ。
「先ず君に用があったからオレたち君には近付いた。それはね。君とオレたちが同類だからよ。」
同類?それを聞いて理解できなかった為、首を傾げた。
「簡単に言うと俺もこいつも君と同じEランクって訳だ。」
このお二人方も俺と同じEランクだと知らさせる。なるほどな。近付いてきた要因はそれと言うことね。後、後ろでこいつ呼ばわりされて不満な御方が一人居ますよ。
「もう~!こいつじゃなくてレナでしょ。君も薄々感ずいているでしょ。この学院にFランクは存在しない。実質Eが最弱と呼ばれている。」
先輩の言ってる通りそこのところは感ずいていた。魔力試験の時に皆の反応を見ていたら誰だってそうだとわかる。
「この学院にAは五人、君たち新入生を合わせると9人になるのかな。Aは学生の中で最強ランク。その逆もしかり、Eランクも存在する。それがオレたちって事だね。」
「レナはEランクの仲間が増えて嬉しいんだと。今まで俺たち二人だったが新たにEが入ったと聴いたから来たというわけ。」
詳しく説明をしてくれた。つまりEラン仲間が増えて嬉しいわけね。俺を入れて三人目となるのか。
でも可笑しい。この二人にはどうしてもEランクになると思えない雰囲気がする。例えるとそれは俺と同じように......。
「でもねぇ。新入生にEランクが居るって噂を聞いて直行したらこんなに可愛い美少女って誰得。ちらっ。」
明らかにアルバートさんの方を見ましたよね。
「お前は少し落ち着け。」
「落ち着いてますよ。」
激しく俺の姿を至るところ見つめてくる。見つめるだけでなく顔や手を触ってきたり髪も弄ってくる。
「超サラサラ!羨ましい。どうやったらそうなるのぉー?」
圧力が強い。もう帰りたい。
「お前は少し相手の気持ちを考えろ。」
レナ先輩の頭を目掛けてチョップしたよこの人。痛そうな音したけど大丈夫なのか?心配そうに見る。
「いったいよぉー。何するのさ。少しは手加減ってものを───」
「てなわけで俺たちはこいつの試案により三人で同盟を組もうと話になった。」
彼は同盟を組もうと提案してきた。別に俺もこれから一人ってのも心苦しい。先輩たちの提案に乗ってやろうじゃないか。あっさりと了承した。
「ありがとう。宜しく、ソフィア。」
「宜しくね。ソフィア。これからはオレたちは三人、Eランク同盟───またの名はイラン同盟結成だぁ!」
Eランク同盟だからイラン同盟って寒い。スベってるけどこの同盟大丈夫かな。ますます不安になるのだった。
*
学院の学院長室前で一人の少女が立っている。この場所は滅多に許か無くては入室は不可能。厳重な設備で整っており防犯対策も万全。そんなところに何故、居るのかというと学院長に話があるからだ。
私は深呼吸して扉にノックする。その合図で中から「どうぞ。」との声が。扉を開き礼儀正しく扉を閉めある人物を見つめる。
「学院長、話があります。」
険しい表情で一言語る。
「何かな?生徒会長殿。」
そう、紹介するのを忘れたわね。私の名前はアリサ・ローラン。このセイクリッド学院の生徒会長を務めにいるわ。竜使いで名が高い私だが別に凄くはない。至って普通の一生徒。
学院長にめがけて率直に主張を始める。
「学院長!何故、今年もEランクの御方をお招きしたのですか。この学院は魔力の力こそが全て。私にとって力のないものは足手まといと思います。」
私のしている発言は心苦しい。力のないものに酷い目にあって欲しくない。そう言う配慮をするためにあえて厳しい言ってる。
「第一、他の生徒からの虐め、軽蔑の態度を見ていたら心苦しいです。私は生徒会長です。だからこそ生徒一人一人の気遣いをしなければなりません。Eランクの人たちを解放しても良いのではないでしょうか?」
少々厳しめの声で学院長に訴える。そうした方が穏やかで優しい御方でも考え直してくれるだろうとの理由。いつ見ても優し過ぎるのですよ。貴方は。
「そう言われてもな。君はわしにどのような判断を下せば良いと考えてるのかね?」
学院長は悩みながら私に聞いてくる。勿論貴方に下してもらいたい判断とは。
「Eランクを強制退学をさせてください!その方が幸せだと思います。」
「ほう。学院を辞めさせた方が幸せだと?」
「そうです。才能の無い人間は無理に魔法を学ばなくとも他でも色んな分野はあります。」
魔法の才能がなければ剣術を極めたり商売人とか兵士を目指した方が良い。それか普通に働いた方が。そんな事を思っていると学院長の口から今までに無い以上の低いトーンの声が出る。
「君は少々あの子達を甘く見とる。まあ、精々足元をすくわれないようにな。生徒会長アリサ殿。」
穏やかさが一変、嫌みを言うような睨む表情。このような学院長を見るのは初めての事。学院長の言葉の意味にどのような思考が隠れていたのか理解できなかった。
あの子達を甘く見ている?
あのようなEランクをどうして庇うのか。頭の中がパニックになる。少し怒りで冷めきった私はそのまま部屋を退出するように逃げた。
『呆れた。貴方はどうこう言っても私は認めませんからね。』
この世界は力こそが全て。どんな手段を使ってでも学院を辞めさせてあげますよ。
アルバート・オルディス、レグルス・ローラン、そしてソフィア・アストレア。世の中の地獄を見せて上げる!
私の中で一つの決意をする瞬間だった。
*
あの後、先輩方と別れて帰宅途中。今日は少し長かったような大変だったようなそんな感覚。これがこれから毎日続くのは御免だ。
明日から授業でもサボろうかな。でもそうしてしまうと入学早々に問題児扱い&益々噂が広まり居づらい環境になりかねない。第一、アリアが悲しみそうなので却下する。
考えながら歩いて気付けば我が家の前に到着していた。
「ただいま~!」
扉を開け鞄を無造作に置きリビングのソファーに座り寝転がる。制服のネクタイをほどきボタンをを一つあける。
「あーしんどいしだりぃ~。」
疲労のあまり思わず口に出る。それを聴いたアリアは此方に来て。
「おかえりソフィアちゃん。それより大丈夫?何か呟いていたけど後、おじさん臭いよ?」
元々は中身おじさん何ですよ。心配しに来てくれたのは一様助かるが。料理も作らないといけないし倒れている場合でもない。直ぐ様立ち上がり鞄を持ち部屋に戻る。
着替えを済ませて夕食の支度を開始する。
「それより今日は大変だったよね。あの.....ごめんなさい。全然配慮出来なくて。」
「別に良いよ。アリアちゃんは友達出来たでしょ?私の心配しなくても良いから。」
流石にアリアが介入してきたら厄介な事になりそう。折角クラスとも良い関係になっているのに俺のせいで壊すのは致し方無い。
「でも無理はしないでね。私はいつでもソフィアちゃんの味方になるよ!」
「アリアちゃん......。」
良い親友を持てたと思える。なんて良い子なんですか。元気湧いてきた。
そう言えばステラって俺の護衛何だよな。今日全然働いてないじゃん!今頃になって護衛の存在を思い出した。
「でもでも災難だったねぇお姫ちゃん。私のところまで噂広がってたよ。」
確かアイラは中級科三年だったな。何でこの情報を知っているのかは秘密だ。
「今日は色々と疲れたよ。先輩方には目つけられるし大変だった。魔法学院って基本この感じ?」
一様先輩のアイラに聞いてみることに。
「この学院だけだね。厳しいのは。前居たところは厳しい印象は無かったけどね。」
厳しいのは納得できる。何せアルカディア大陸中心部王都の隣ですから他とは違うでしょうね。
味付けを完璧に全員分を盛り付けして完成。四人揃って『頂けます』と食事を始める。
「「「やっぱりソフィアちゃんのお料理美味しい。」」」
そう言われるだけで幸せな気分になり一日を終えた。
読んでくれてありがとうございます。話執筆するのは本当に大変です。まだまだ本を読んで勉強する必要があると実感します。
ブックマーク登録は気軽に。頑張って100は行きたい。




