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幻焔の黄昏(トワイライト)~女の子に転生したらもっと大変でした~  作者: 夜空りえる
セイクリッド魔法学院編
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18.新たな始まり②

流石に時間掛かった。


皆さんこんばんは。ソフィア・アストレアです。さて、何故俺が解説しているのかと言いますと現在、ちょーと面倒な状況に至っています。料理を作ろうと厨房にいた時、ある人物が訪問してきました。


それがクレイグの言っていた入居者の一人。名前はアイラ・アイスベルン。彼女のことは正直に言って嫌いです。そんな彼女とアリアは知り合いだったのです。


そしてもう一人の入居者が来たことにより何とか事態はおさまってくれました。


今はというと......。


「この料理美味しい。」


「確かに美味しい。」


「上手いにゃん!」


皆仲良く夕食しているところ。勿論料理は俺が作りました。案外美味しく仕上がったので上出来だと思える。


「シェフは何処?シェフを呼びなさい!」


『何処の時代の人ですか貴女は!』


ツッコミたくなるけどあえて抑える。俺もそろそろ食べようとエプロンを脱ぎ机に座る。


「あ、そうそう。聞くの忘れていたけど貴女誰?」


漆黒の綺麗なサラサラした長い黒髪が特徴の可愛らしい女性。歳は俺と同じだろう。くりくりとした瞳。背は俺より高いが見た目せいか大人ぽく見えたり見えなかったりと。


「うにゃ?どったのソフィアちん。」


「そ、ソフィアちん?」


少々顔を引きつってしまう。変なあだ名までも作れた。マイペースに続き馴れ馴れしいのが来たと感じる。


「ああ、そゆことね。おっほん!」


ようやくを察したのか馴れ馴れしい女性が咳払いをする。そうした途端、表情をガラッと変え雰囲気も変わる。


「私の名前はステラ・A(アーク)・レインシィア。アストレア家本家からの要請により本日から貴女、ソフィアお嬢様の護衛を任されることになりました。今後とも宜しくお願い申します。」


先程までとは一変違った態度を取る。丁寧な言葉遣い。そしてこの歳で護衛に任されているという。


レインシィア家───生前、聞いた限りではアストレア家の分家に当たる一族であり古くから護衛一家としてその名を刻めている。今の俺にとって彼女は親戚に当たる人物になるのか。


「でそんなところで私の紹介は以上になりますね。そゆことだから皆もよろよろ♪」


再び軽い感じに戻る。どちらが素なのだろう?


「それよりアリアちゃんも学院に入るとはね。初耳~。」


マイペース女子アイラは口を開く。やはりちょっと苦手です。

アリアは再会を嬉しそうに。


「アイラちゃんも何でここに?」


「私は転入ってやつかな。それと学年的に先輩になるから敬いなさいね。」


転入生なのか。道理で俺達より歳上だったので入学は可笑しいなと思ったが理解できた。それよりもこの人が先輩って嫌だな。先程から目線も此方の方に見てキラキラとしているし。それに怖い。


「でもでも間近でお姫ちゃんが見られるとか本当にヤバい。もふもふしたい。」


何か怪しいこと考えて結果、怖い。


「もう!アイラちゃん。ソフィアちゃんは私の親友なんですからあまりそう言うことはやめてくださいよ。」


アリアが俺を庇ってくれたとガツンと言ってくれた。マジ天使ですか?アリアは。


こうして楽しい夜が続き就寝する時間。俺は寝る前にある事を考えていた。明日の入学式について。学院について。そして何より.....クレイグの忠告を思い出す。


『君たちが行くセイクリッド魔法学院は厳しいところだ。それはとてつもなく。中には挫折して中退したものもいる。二人とも無理はしないでくれ。』


これは何を意味しているのか。厳しいとは何処までが厳しいなのか?たかが魔法を学びに行くところ。多分大丈夫でしょう。目を閉じて寝付こうとする。


「......」


寝られない。明日が不安と緊張で寝られない。何で緊張しなければならないのか。寝よう寝よう。何もかも考えずに再び目を閉じて今度こそ寝ることが出来た。



ここは何処なのか?俺は知らない空間にいた。そして次第に視野が広がる。そこはまだ見ぬ学院の中。


多くの生徒が集まっており魔力判定機が置かれており一人ずつ並び手をかざしていた。次第に俺で出番が来る。判定機の上に手をかざして魔力を込める。


俺は何の迷いもなく判定を終わらせた。結果は────。


「う、うう。」


目を覚ます。カーテンでおおわれた窓からうっすら光が指している。もう朝なのか。


「ん。はわぁ~。」


体を起こし大きなあくびをする。女性にとってははしたないけどあくびは誰だって出るもの。


『何か現実味のある夢を見たなぁ。』


今までこんな現象は一度もない。今回が初めてである。それよりも今の時刻をみる。現在は午前五時。起きるにはまだ早い時間帯。


俺は何時ものように鏡に向かい髪の寝癖を整える。その次は洗面台で顔を洗う。肌のケアーは忘れずにと。


済ませた後は四人分の朝食を手軽に作る。昨日の料理が美味しかった為、料理係に任命されてしまった。正直に言って面倒です。


「良し!今日も良い出来だ。」


最後に味見をして納得のいく味だったのでエプロンを脱いでソファーにゆったり座る。


やるべき事を終えて暇になる。何か暇潰しにないかと部屋を物色しているとラジオらしき物が置かれていた。丁度良いから何かでも聞こうと起動させる。


『皆さんおはようございます。今日も朝のモーニングコールのお時間です。今回は朝の癒しをと持ちましてセイレーンさんの曲を流したいと思います。』


曲が始まる。セイレーン?初めて聞く名前だ。流れてきた音はとても癒される歌声。入学式前のリラックスには丁度良い感じ。


目を閉じて聴いていると何か違和感を感じた。


「あれ?この曲何処かで聴いたことがあるような?」


昔、何処かで聴いたことのあるメロディにそっくりそのまま。歌詞については知らないがテンポやリズムには覚えがある。何時だったかな?思い出せない。でも───何でか懐かしい気分に包まれる。


村の近くにあった海の波の音。朝日が登りキラキラと輝く青色の景色。穏やかな優しい声。と気が付けば曲は終わっていた。


「おはよう~。」


「おはようございます。」


眠そうな顔をしている天使と悪魔が中央のルームに来た。天使はアリアで悪魔が───アイラだ。


「ちょっとお姫ちゃん。何で私だけ遠回し何ですかあ!」


寝ぼけながら怒鳴ってくる。おっと、貴女はテレパシーが出来るんですか?俺、口に出していないと思うのですが。


「わぁーソフィアちゃんのおりょうりだー。」


「お姫ちゃんだーいすき!」


作った料理を見て喜んでいる二人。こらこら勝手に中身を見るな。


「二人ともだらしないよ。だらしない人には朝食抜きです。」


「「えー!」」


ただこねていた二人を無理矢理と部屋に戻る。入学前に力を消費してしまった。二人を持ち上げるために魔力を上げた。


俺の魔力はちょっとばかり強力なため一度使用するだけで消費が激しい。俺もそろそろ制服に着替えよう。


部屋に戻り新着の制服を取り出す。ワイシャツにベージュ色の上着。ネクタイにどう見ても際どすぎるスカート。これを採用した学院は本当になに考えているの。


これじゃあ男子どもからは鼻の下を伸ばしてしまいますよ。あっ俺も元男でしたので気持ちはわかります。


ぱぱーと着替えてネクタイを整える。待てよ───こういう時って普通にネクタイするのか?それともリボン型に結ぶのか?まあどちらでも良いやと適当に解決する。


「良し!バッチリ。身だしなみも良し。後はこの月形の髪飾りを着けてと。」


部屋から出てきたところで皆が制服に着替えていた。朝食も済ませて学院に向けて出発する。


学院に続く道には学生がぞろぞろと。新入生から上級生など。見た限りどの人も強者揃いの予感。もう一度身を引き締める。


「ほえーここが。」


立派な大きな建物。時計台が建っており訓練用の広場、スタジアム、など様々。流石は国立ってほどだ。国が運営している学院な為、豪華である。


受付を終え会場の中に入ると近くの椅子に座る。ざわざわと騒がしい。人は集まっていき満席になっていた。


「皆ども静粛に!」


誰かの掛け声で周り全体が静かになる。壇上に立っているのはこの学院の学院長らしき人物。年寄り白髪なじーさんなのに何処か.....。


『渋格好いい~。』


そんな事を思っていた。入学式が開始され順々に進行していく。意外だったのは生徒会長は竜使いのアリサであった。


順調良く入学式を終えるはずであったのにも関わらずまさかの出来事がこの時降り注ぐ。


「あ、それとこれから君たちには魔力試験を行ってもらう。ここは基本魔力によって上下関係が変わってくる。心して挑むように。」


何?それ聞いていないよ。魔力試験?何故そんなものを測定しなければならないのか。一番衝撃であったのは夢と同じ現象は重なっていたこと。


こうして魔力試験が行われるのであった。



読んでくれてありがとうございます。

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