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11.ピンチ

今回はシリアス展開ありです。


この男の子───名前聞いていなかった。まあその子の父が洞窟探索に行ってから三週間帰ってこなくなった。その事情を知った俺達は奥に進み、魔獣ミノタウロスに遭遇する。


「グオォォォォァー!」


何で寄りによってミノタウロスが居るのかな。不幸だ。最悪だ。俺はやれやれと頭を抑えている。他の皆はミノタウロスの叫び声で動かなくなる。兎に角今は逃げよう。


「取り敢えず逃げよう!勝ち目がない。」


と言って非行とした瞬間、ミノタウロスの右手に持つ刃物で攻撃してきた。とっさに回避した俺達。危ないだろう。こんなもの食らったらあの世行き確定だよ。


「でもこの先に父さんが。」


「そんな事言ってる場合ではないよ。このままじゃ死んでしまう。」


下手に近付いたり威嚇させると確実に死確定。でも俺ならこいつに勝てるんじゃないか?そんな期待は薄々感じる。本気を出せばの話だが他の安否を優先したい。


「ソフィアちゃん、私は....闘うよ。」


「駄目だよ。私達に敵う相手じゃない。」


アリアが武器を取りだし戦闘態勢に入ろうとしていた。それを見て必死に止める俺。駄目だ、今のアリアは完全にやる気状態だ。


「止めないで。この先にこいつのお父さんが居るんだよ。助けないと。」


「お前....」


仲が悪かった二人。今はこの男の子のために頑張ろうとしている。でも俺は.......。


ミノタウロスがこちらに向かって攻撃してくる。


「アリアちゃん前!避けて。」


俺の方に視線を向けていたアリアの後ろでミノタウロスの大剣が斬りかかろうとしていた。俺の声で気付いたのか何とか回避する。これを見た三人組の二人は怯えこの場から逃げ出してしまう。ああ、良い判断だ。後はこの二人を連れて地上に出たいところだが.....変わった。


「アリアちゃん、そして....ゴメン今更だけど名前は?」


今更聞く。この男の子の名前がわからなくて扱いしずらかった。この際聞こう。


「おい。今頃かい!」


盛大な突っ込みありがとうございます!!


「俺の名前はシュンだよ。でっどうするの?」


「私も闘う。シュン君は闘えない代わりに相手の弱点探して。アリアちゃんは私の援護をお願い!」


的確に指示を出す俺。


「わたったよ。」

「頑張ってみる。」


二人は了承し言われた通りの配置につく。俺は剣を取りだし魔力を五パーセント解放させる。これである程度の魔法の使用が可能となった。身体能力も強化しようやく戦闘開始だ。


「行くよー!はぁぁぁー!」


ミノタウロスに斬りかかる。当然相手も馬鹿デカイ剣で受け止められる。チッ無理か。じゃあこれならどうだ。


「食らえ火炎の槍(ファイア・ランス)


火の槍を複数顕現し放つ。殺傷力はそれなりに低いけど特殊能力?威力をを二倍にする謎の力がある。通常より効果は強い。


「グォォォン!」


どうやら効いていたようだ。もっと行くぞ。


燃える斬撃(バーニングスラッシュ)!」


この魔法は剣に炎を纏い攻撃する至って単純なもの。殺傷力は高い方。


「斬!」


「グォォォン!」


「す、すごい.....。」


「アリアちゃんも攻撃して!今が狙いどころだよ。」


「う、うん!」


アリアが敵を正確に狙い胴体の疎かになっている部位に貫通する。流石は鷹の目だ。これなら勝てそうかもしれない。そう気が抜いた瞬間。


「ソフィアちゃん、前!」


そう言われ前を向くとミノタウロスはスキルを発動させる。なあ。防御が間に合わない。


「ぐあ!」


大攻撃を食らい体が吹っ飛ばされる。何とか防御することが出来たが出血が大量だ。その姿を見たアリアは。


「ソフィアちゃん、血が。」


「大丈夫.....こんなのかすり傷、痛!」


この体では痛みに慣れていないのであろう凄く痛い。そして呼吸も荒くなる。正直キツい。後、ヤバい。先程の攻撃で右手がびくとも動かなくなり使えなくなってしまった。


「でもこんなところでやられる訳には。」


右手が支えなかなった以上左手に剣を持ち変える。ミノタウロスは本気で俺を殺そうとしている。俺に限らずアリアとシュンもだ。もう一度立ち上がり決死の覚悟でミノタウロスに挑む。


「グオォォォォァー!」


「うるせぇ───」


小声でボソリと言う。二人には聞こえない程度に。身体能力強化を更に上げる。


「これでどうだ!」


ミノタウロスの体が固くこの武器では歯が立たない。ははっこれは勝ち目無いわ。


「グォォォン!」


再び攻撃を食らい吹っ飛ばされる。先程の怪我もあり今度こそ立ち上がれないほどの怪我をする。ミノタウロスは徐々に凶暴化し止められなくなる。


もう終わったな──────さよなら.....。


目をつぶって死を覚悟した。だが俺は生きていた。徐々に目を開くと目の前には見知った女の子、アリアが立っていた。


「アリア......ちゃん?」


「私が.....守って見せる!」


アリアが守ってくれたお陰で助かった。でもアリアが危ない。ダガーと大剣では明らかに耐久度が違う。このままだと武器破壊され斬撃をもろに食らってしまう。


必死に止めるべく声を出そうとするが一声も出ない。体全体は動かなく何もかも無理状態。その時、フラッシュバックした。


「おい!俺を置いて逃げろ。このままだとお前が。」


「私は逃げない!!何があっても貴方を助ける。」


一人の女性は俺を守った。でも奴の魔法は強力で防御も破られそう寸前である。


「やめろ....やめてくれぇー!」


バキンと覆っていた防御壁が破壊される。そうして彼女は───────。


意識が現実に戻る。昔の事と状況が少し被ってしまったせいか思い出してしまった。このまま終わりを迎えると思った瞬間。


「はぁぁぁー!」


良く見知った大人の男が現れた。俺の私のよく知る......ああ。助かったのか?


「大丈夫か!ソフィア。」


私はその声を聞いて少し微笑んだ。

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