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10.危険到来


今日も朝から特訓───ではなく、久々に遊んでいた。父から毎回訓練せずにたまには女らしく遊んできなさいとの事。俺とアリアが庭で遊んでいる。


「これってどうやって遊ぶのかな?」


ボールを持っているアリア。遊び方が良くわかっていないらしいく戸惑っていた。パスをして遊ぶ事しか俺も知らない。本当にこんなもので楽しめるのか不思議である。パスを続け途中で飽きてしまった。今度は砂でお城作ろうと提案され作ることに。


「う~ん中々難しいな。」


「そうだね。崩れてしまいそう。」


頑張って水を少々使用し固め形を作る。結局は崩れてしまった。


「お前ら何、遊んでんだ?」


急に声を掛けられた方に視線がいく。そこにはやんちゃそうな男の子と気弱な男の子、普通の何も特徴のない男の子。三人組だった。


「砂遊びだけど.....。」


素直に答える。ここで嘘をついても意味がない。俺が答えると次第に男子たち三人組が笑い出す。


「はははっ何だよそれ。今時砂遊び。」


「お前らにお似合いだな!」


言いたい放題言われる。別に良いさ。ムカついたり反撃したりはしない。こんな馬鹿には相手にしない方がマシだ。と思ったが。


「貴方たちには関係ないでしょ?それとどうして私達に話しかけたのかなぁ?もしかして...構って欲しかったとか?」


反撃したアリア。その表情には何処か曇った感じと逆に自信がある態度で接した。ニヤニヤと悪意のある笑みのアリア。


「ぐう.....」


「ほらほら何か言い返して見なさいよ。」


一方的にアリアの方が優先的。三人組は言い返すことも出来ない。取り敢えず凄い。


「そ、そうだよ!お前らが可愛いからお近づきになりたかったんだよ。悪いか!」


リーダーの男の子が白状した。おい。本音出てるぞ。可愛いからお近づきにってどっかのナンパと同じじゃん。俺もアリアそれを聞いて呆れてしまう。


「な、何か言ってくれよ。その反応はやめてって。お前らまで。」


仲間であった二人も痛い目で見ていた。あらら。お仲間さんにも飽きられているし。可哀想な奴だな。


「ふふっ面白いね君。最初から言えば良かったのに。ツンデレだね。」


俺は思わずツボり笑い出す。俺が笑ったことに皆が釣られ笑う。


「「はははっ」」


「「ふふっ」」


「はぁ~。良かったら仲良くしよう!」


笑いが止まり俺は三人組と仲良くしたいと思い声を掛ける。案外悪い人たちでも無いとわかったからね。


「えっ良いのか。」


「別に構わないよ。アリアちゃんもそう思うでしょ?」


俺は一応アリアの確認を取ることにする。俺が構わなくてもアリアが駄目とか言い出しそうな予感がするけど。当然、予感は的中する。


「私は嫌だよ。こんな奴ら何か調子乗ってるから嫌い。」


「何だよ!俺らが信用できないのか!」


「「そうだそうだ!」」


リーダーの男の子とアリアが言い合いになる。また面倒な事が起こりそう。この場から逃げたい。でも懐かしいなあ~。


昔、ゼノンとミサが言い合いして喧嘩していた事を思い出す。俺とノエルが喧嘩を仲裁してたっけ.....。


それでも言うことを聞かずに対応には困ったものだ。と言ってもミサはゼノンの事が好きだったらしく素直に慣れなかった事を俺は知っていた。なるべく協力しようと頑張ったけどどちらとも不器用なのかどれも失敗したな。俺が死ぬ前も喧嘩してたし最後くらいは素直になって欲しかったなと思う。


........


「...ちゃん!ソフィアちゃん!」


「え、ゴメン何?」


昔を思い返していて周りを見ていなかった。これが所謂現実逃避って奴か。まだあの時の事を悔やんでいるのだろうな。後悔しか残っていない。


「もう~ちゃんと話聞いてる?」


「ゴメン、それで何?」


「ここにいる男子たちと一緒に洞窟に行こうって言うのよ。」


俺が気づかないうちに話は進んでいた。洞窟に行こう?何故今更。此処等の洞窟は難易度も低くモンスターも雑魚が多い。洞窟へ行こうと提案したのはリーダーの子。何が目的で......。


「洞窟に行って何するの?」


素直に本人に聞くことにした。


「.......別に良いだろう。探したいものがあるんだよ。」


一瞬黙って顔をしたに向け答えた表情は先程より弱々しい。探したいもの?それが目的なのか。俺はこの時、何か察したのか提案したことを乗ることにする。


「良いよ。アリアちゃんも未知の洞窟の中気になるでしょ?」


「まあ確かに気になるよ。ソフィアちゃんがそこまで言うなら行くよ。」


洞窟へ行くことに決定した。一応危険はないと言うが万が一の為に武器は持っていく。支度をし、俺、アリア、三人組達は出発する。


洞窟は街から出て歩いてから五分ほどに掛かる。冒険者達が昔、探索されておりモンスターも数少なく残ったのは雑魚ばかり。うっすら暗闇で前見えないので松明を持参している。


「炎よ!」


俺の魔法で灯りは照らされる。初級魔法『フレア』を使用する。ちょっと威力を抑えつつ展開させる。これを見た男たちは。


「スゲェー!魔法だ。魔法使えるんだ。」


と興味を示している。この子たちは魔法を見たことが無いのだろうか?


「魔法見たことがないの?」


「ああ。俺達、魔法の才能が無いから見ることが滅多にないんだ。」


才能が無い。その言葉を聞いて普通は心を痛めてしまうが俺は羨ましく思える。良いよな。才能の無い人間は闘うことをせず、幸せに暮らせるのだから。この世界は魔法で動いている。だからこそ才能のある人間は戦場に駆り出される。これが今のルール。人は魔法に憧れるがそれは違う。その先に待ってるのは地獄と絶望。


「どうしたのソフィアちゃん。少し顔色が悪いけど。」


「あ、うん大丈夫。先に進もう。」


嫌なことを思い出したせいで体調を悪くしてしまったらしい。昔の事はもう忘れよう.....。


先先進んでいく俺達。途中でモンスターに遭遇するかもと思いきや一匹すら居ない。可笑しいなぁ~こんなに薄暗い洞窟なのにモンスターが沸かないとは。安全を配慮して進んでいたけどどうやらこの洞窟にはモンスターがいる気配は感じない。安心感で少し気を抜く。


それより長い洞窟だな。歩いても歩いても奥が見えてこない。


「中々奥まで着かないね。」


「そうだね。.......ん?どうした。大丈夫?」


「あ、ああ。」


体調が悪いのかリーダーの男の子は元気がないように見える。確かに相当奥まで来たし呼吸もキツくなってきたのかな?酸素の量も上手く届いていないところまで来てる。


「引き返した方が良い?」


「嫌だ!」


大声で否定する。その声を聞き最初から様子が可笑しいと勘づいていてようやく確証した俺は「わかった。」と素直に探索を続行する。奥まで見えてきたところで下に降りる階段があった。どうにもその階段は隠し部屋見たいでつい最近開かれた形跡がある。


「これって......。」


「ああ。」


誰かがこの下に降りたってことになる。階段の下から漂う危険な何か。これ以上は危険すぎるので引き返そうと皆に言うが。


「折角ここまで来たんだ。行こうって!」


リーダーの男の子は危険だとわかっていながら進もうと提案する。この際だから俺らをこの洞窟に連れてこらした真意を聞いてみよう。


「ねぇ。どうして私達を連れてまでここに来たかったのかなー?」


多分この子は俺達に近づいた理由は友達になりたいとかそんな理由ではなく最初から俺達を利用するために近づいた。俺とアリアは魔法を使えたり武器を扱えたりできることをこの子は知っていたんだと思う。それとこの地下には。


「君のお父さんが居るんでしょ?」


「何でそれを!!」


その反応だと当たりか。彼のお父さんは多分元冒険者なんだろう。この隠し部屋と言い普通の人なら見つけることは不可能に近い。


「......父はもう三週間も帰ってきてないんだ。数多くの洞窟を研究している父はこの洞窟行ってから失踪しちゃった。街の人達に捜索して欲しいと頼んだけど父は嫌われていたらしく皆、助けようとしなかった。」


なるほどな。それで大人たちは無理だから俺達の力を入れてお父さんを助けようと計画した訳ね。


「何よそれ、酷い。」


「........」


アリアの気持ちはわかる。俺も凄く苛立っている。嫌われているから助けない?何だよそれ。それだけの理由で見捨てるって。今、悲しんでいる人が近くにいる。俺の正義感が働いたのか決心する。


「助けよう!下に何がいるかわからないけど私たちで。」


「うん。そうだね。」


「「だな!」」


俺の掛け声で皆が同意する。


「ありがとう。」


こうして下の階に降りることにした。下に近づくほどに神殿ぽい内装に変わる。一つのデカイ扉があり「準備はOK?」と確認を取り開ける。


「何も.....ない?」


中は薄暗い空間に包まれていた。松明で奥に進んでいく内に何やら物音が聴こえる。


........


ドスン、ドスンと音が近くなり物影が見える。松明を照らし見るとそこには。


「グオォォォォォー!」


一匹の牛型のモンスター、魔獣のミノタウロスだった。


「み、ミノタウロスだとぉー!?」


驚き声をあげてしまう。何で...何で、B級ランクの魔獣がこの低ランク洞窟の奥底に居んですか!


このメンバーでは正直俺は終わったなと思いました。

読んでくれてありがとうございます。次回はミノタウロス戦です。メンバー的に勝てなさそうでピンチ。ブックマーク登録よろしくお願いします。良かったら評価、感想、アドバイスも欲しいです!

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