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プロローグ
この荒廃した世界で、誰も平和を望む者はいない。権力あるものが軍を持ち、その地を支配する、この世界の奪い合いは終わらない。あの日までは・・・・・・
***
夕暮れ時、ある少年は、自身が拒絶するような光景を目にした。いつもの帰り道、人通りの少ない路地を一人歩いていた。死にたくなるような光景が目の前にあった。そう思った時には、少年は死んでいた。
「一緒に・・・せい・・・・・」
少年をナイフで刺した少女は、自分の腹をナイフで抉りながら言った。
「せ・・ん・・ぱい?」
それが少年がこの世界で発した最後の一言だった。