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『スノウと熊』






大きな熊が、雄叫びを上げる。ビリビリとして、森の木々も揺れた。これは………かなり強いんじゃないか?



「ひっ! に、逃げましょう!」


「ネーヴェ、シャルー、九十九!」


「きゅ!」


「!!!」


「はい!」



一拍おいて……



「周りの普通の熊、よろしく!」


「きゅきゅ!」


「♪!!」


「ですよねー」



ん? なんか九十九が泣きそうな顔をしているが、どうしたのだろうか? まぁ、気にしたら負けだな、うん。



「きゅ!」


「!!!」


「『天突く白槍を今ここに━スカイ・ランス』 はぁ!」



ネーヴェが氷の針を無数に飛ばし、シャルーが熊の身体に体当たりして噛みつき、九十九は白く光る馬上槍(ランス)を創りだし、そのまま熊に突き刺した。


魔法かな? 武器を創りだす魔法系スキルなんて聞いたことないので、種族特性かな? 兎に角、気になるので後で聞いてみよう。


さて、俺のほうも戦闘を開始することにする。


大きな熊……鑑定してみると“返り血に染まる紅蓮狂乱熊クリムゾンマッドネスベア”と出た。



「グルルルル」


「………」



何故か、俺から目を離さない。隙を伺ってるのかな? しかし、俺には関係無い。隙を伺ってもしょうがない。


うちの流派は様子見はせず、打ち合いの中で学ぶものなり


じいちゃんの教えはそんな感じだったので、俺もそれに習う。


姿勢を低くして、熊に突撃する。



「グルァ!」



熊が長く鋭く伸びた爪を振るってきたが、空中横回転でひらりと避ける。


ザンッ! と、地面が抉れた。


これは相当の威力だな。そんなことを考えながらも、横回転のまま鉄扇で熊の顔を斬り裂く。



「グラァァァ!?」


「『爆炎』!」



符で追撃しつつ、空を蹴って距離を取る。



「『土槍』!」



もういっちょ符を投げつけるが、符から出た土の槍は腕の一振りで破壊された。


熊は、爛々とした紅い瞳で俺を睨む。


にしても、俺の攻撃力ってやっぱりそんなに高くないんだよな………元々、巫女という職業に加えて、天女という種族も、どちらかといえば器用さや、敏捷、精神系統のほうが上がっている気がする………まぁ、隠しステータスだから詳しくは分からないが、速度をのせないと通常攻撃力では、ヘイルやルキエさん、ライラに負けている気がする………


まぁ、対人戦では強いだろうが、モンスターとの戦闘にはあまり向かない。どうしたもんか……



「グルァ!」


「………」



とりあえず、熊の攻撃を避ける。


この熊、かなりタフなようで、しかも術系統の技も通りづらい気がする………


少しでも攻撃力を上げるために、【舞い】スキルで筋力を上げていく。



「グルァ!」



『キンッ!』



爪と鉄扇が当たって、金属同士がぶつかったような音が鳴る。


うーん。本当にどうしたもんか………



《お知らせします》



へ?


突然のアナウンスに一瞬動きが止まりかけるが、危ないと感じて直ぐに熊から距離をとる。



「『岩蛇縛』」



数少ない拘束系の符の中で、一番効果が高いものをぶつけて置く。


地面から岩の蛇が現れ、熊に巻き付き拘束する。



《条件を満たしたため、スキルの進化、改変が可能になりました》


《【鉄扇術】━[進化]→【鉄扇術・熟練】》


《【鉄扇術】━[改変]→【剛扇術】、【柳扇術】》


《【舞い】━[進化]→【舞い・熟練】》


《【舞い】━[改変]→【舞闘】》



このタイミングで!?


少し驚いたが、好都合でもある。


進化のほうは、前までのスキルがそのまま強化される感じで、改変のほうは、特化型になったり全然違うものになったりするらしい。


とりあえず、【鉄扇術】のほうはそのまま進化させる。攻撃特化の【剛扇術】にすると、受け流す時、武器の耐久が前より減ってしまうし、受け流しや回避に特化した【柳扇術】にすると、攻撃力が弱くなってしまう。なので、そのまま進化させる。



《スキルポイントを5消費して、【鉄扇術】を【鉄扇術・熟練】に進化させました》



さて、次は【舞い】スキルだ。


気になるので、【舞闘】スキルについて調べてみる。


【舞闘:Lv1】

戦いの中に、己が求める“舞”を見いだした者が開眼する“舞”のカタチの一つ。

他者を魅せるための舞いではなく、己を高めるための舞いを踊り、自身の能力を大幅に上げられるようになる。

さらに、舞いを一つの戦技に昇格させた、“舞闘技”を習得できるようになる。



採用。



《スキルポイントを5消費して、【舞い】を【舞闘】に改変させました》



「グルォァァァァァァ!!!」


「む」



《“舞闘技”の属性を選択してください》



ごめん。そんなことしてる暇ない。適当に選択



「グルォァァァァァァ!!」


「……」



避ける。


ステップが楽だ。


流石は戦闘用の舞い。戦闘に適したステップや、動きが舞い認識されるようになるみたいだな。


そして、舞いをすることでゲージが貯まっていっている。どうやら、このゲージが満タンになると“舞闘技”が使えるらしい。


現状一つだが、選択した属性が地味に俺に合っている(・・・・・)



「『爆炎』!」


「グルァ!?」



九十九達はまだ戦闘中らしい。


さて、“舞闘技”使ってみますか。


それにしても、楽しいな。






やっとスキルの進化、改変ですよ。

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