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『なんか最近ボス弱くない?(汗)』






ふぅ。とりあえず置いておこう。“無限之風”は、最も動きを阻害しないイヤーカフスにしておく。にしても、どんどん敏捷上がってくな。走ったらソニックブーム出せるんじゃないか?


ここで、【風之主】を使ってみます。



「!? スノウが浮いた!?」



うーん。なんというか、風を足場に出来るって感じかな? その場に浮くというより、透明な床を足元に作り出してるっていうのが、しっくりくるな。



「今度は飛び始めたよ!?」



お、空を飛ぶってのはこういうことなのかな? なんというか、味わったことのない感覚。何処も接してないという違和感バリバリで、不安定な感じだけど、そこは慣れだな。


“飛ぶ”というか、スキルの字面からして“風に乗る”感覚に慣れるために、帰りは飛んでいきます。一瞬。他の人にも使えるのでは? と思い試してみたが、無理でした。扇風機の気分は味わえたが。しかし、風の強さは自由なので、トンでもない強風で上に吹っ飛ばすようにすればいいんじゃ? と思ったが、リューニャ以外から「やめて!」と言われて断念。まぁ、危ないからな。リューニャは暫く駄々をこねたが。



「スノウちゃん。逆さまに飛ぶのはやめて」



現在頭を地面に向けて飛んでるんですが、クノから注意されました。なんでかな?



「スカート捲れてるよ」


「成る程。これでどう?」


「なんで逆さなのにスカートが元に戻るの………」



【風之主】便利です。発動に時間はかかるけど、魔力消費もないし、風っていう限定的な能力だけど、符を飛ばすのに役立つし、空気の確保も利用すれば出来ると思う。だけど、どうやら使ってる間はお腹が空くのが早くなるらしい。とりあえず、リンゴをもぐもぐ。



「というか、逆さで平気なの?」


「ん。大丈夫」



じいちゃんに逆立ちしてやる訓練を何度もさせられたことあるからな。慣れると以外にいけるよ。まぁ、そろそろ逆さはやめますかね。


そんなこんなで、拠点に戻って来ました。しかし、次は何処に行こうかな?



「次はね、キレイな所に行きたい!」


「「「キレイな所?」」」



キレイな所ねぇ。それなら、“宝晶の山”かな? カラフルな水晶があるし、宝石や鉱石も沢山とれるし、イベント限定で最後にEP(イベントポイント)に変換できる、“珊瑚結晶”もあるしな。後、あそこのイベントボス倒してないし。


という訳で、“宝晶の山”に行くことになりました。拠点から行くとお昼を過ぎてしまうので、作ってから行くことにする。でも、何にしようかな? ここは無難にサンドイッチにしておくかな。とりあえず卵にハムレタス、変わり種で白身魚のフライに、森で取れたベリーのジャム。これぐらいでいいかな?


という訳で、歩いて行きます。のんびりてくてく歩いて行きます。道中の敵は、血の気の多いうちのマスコット達が倒していくので、気を配る必要があんまりない。だけど、【風之主】を使って周囲の音を集めるという警戒をしてみている。気配まで風に乗ってくる(・・・・・・・)のには驚いた。


という訳で、着きましたよ“宝晶の山”。


ちなみに、途中で食べたサンドイッチは好評でした。


山肌は黒に近い茶色で凄く地味だが、色とりどりの鉱石や水晶がむき出しになっているので、対比から綺麗に見えるきがする。見えない人もいるみたいだが、さてさて二人はどうかな?



「凄い! 凄い! キレイなのがいっぱい!」


「うーん。ちょっと微妙なのです」



リューニャは目をキラキラ輝かせているが、リリルィは対比が微妙に見えるらしい。


とりあえず、“珊瑚結晶”を見つけたらアイテムボックスに入れておき。先に進んで行く。目指すは、イベントボスのいる場所に行ける頂上だ。


時折出てくるモンスターは、水晶の鱗を持つ蛇や、岩と一緒に宝石や鉱石を纏う蜥蜴等、この山らしいのが出てくる。


ここで、リューニャとリリルィはどのくらい戦えるのか気になった。なんせ、“精霊の泉”に行く道中や帰り道では、戦っていなかったからだ。まぁ、ネーヴェ達がどんどん倒していったせいだが。という訳で、戦ってもらう。



「ふふん。しっかり見てなさいよ。『コフィン』」



リューニャがそう呟くと、地面から蓋の開いた棺桶が現れ、周囲のモンスターを吸い込むと、蓋が閉じて地面に消えた。怖っ!?



「リューニャ様の得意とする魔導で、【暗黒魔導】なのです」



魔法スキル最上位の“魔導”で名前が暗黒とか………まじかよ。ちなみに、他にも光系統を除く“火”、“水”、“土”、“風”、等の基本的な属性を魔法まで習得しているらしい。


そして、リリルィは━━



「基本はメイドなのです。でも、吟遊詩人としてのスキルも少し持っているのです」



吟遊詩人は知らないので、リリルィに聞いてみると。特殊強化職である吟遊詩人は二次職であり、【魔奏曲】というスキルを使って、曲が聞こえる範囲にいる味方全体にバフをかけたり、逆に敵全体にデバフをかけることができるらしい。ただし、歌や演奏の上手さに左右される職業らしく、適正がある人しか基本ならないらしい。


と、こんな感じで山を登ること三十分くらい。やっと頂上についた。



「うわっ! 聞いてはいたけど、深いわね」


「ですね。底は一応見えるけど」


「行こ」



頂上にあるのは大きめの穴。この山は中に大きな空洞があり、そこにイベントボスがいるのだ。おそらくだが、名前の通り大きい亀なのだろう。


という訳で、全員一斉に飛び降りる。誰かの悲鳴が響くがそれを気にせずタイミングを図る。地面ギリギリの時を狙って、【風之主】を使って下から上への強風を作り出し、全員をふわりと浮かせて安全に地面に降りる。ちなみに、ネーヴェはシャルーに乗って、大福はフクロに掴んでもらって降りてきた。



「着いた」


「えっと、あの小山になってるのがそうかな?」


「多分そうね」



そんな話をしていたら、地面が揺れだし小山が動き始めた。そして出てくる前足と頭。ミドリガメのような顔ではなく、カミツキガメの顔に牙を生やしてさらに凶悪にした感じだ。さらに、甲羅には沢山の宝石や水晶、鉱石がついている。


なんというか………その………固そう。



「行くわよ! 魔方陣展開20、『ブラックボム』!」



気合いの入ったリューニャの言葉の後に、亀の周囲に、くるくる回る模様のついた円の形の………リューニャのセリフからして魔方陣が現れて、その全てが黒色の爆発を起こした。大音響とともに煙が亀の巨体を包む。


あれ? この威力ヤバくね? やられちゃったとかないよね? 大丈夫だよね?


煙が晴れると、やられちゃってはいなかったが、宝石等が殆どふきとんで、甲羅にひびが入っている程だった。



「む。倒せなかったー! 今度は━━『影よ、夜よ、あまねく闇に属する者達よ……」


「あ、止めさそうとしてるのです」


「ちょっと! 一発はいれるわよ!」


「ん」


「はい!」



とりあえず、『爆炎』の符を三枚程投げつける。



「『クロス・シャイン』!」


「『疾風旋突』!」



クノは【光魔術】の中でも威力の高い、輝く十字架を放つ『クロス・シャイン』。


ライラは数少ない“魔剣技”の一つで、竜巻のような風を纏わせ突く『疾風旋突』。


リリルィは次のリューニャの魔術スキルの威力を上げる、『魔戦の序曲』を奏でる。


そして、リューニャの方の準備ももうすぐ終わりそうだ。ん? ボスの亀の攻撃見ずに終わりそうだけど…………ま、いっか!



「『━━この世のモノを奪い去る深淵を今ここに! “アビス・ディザスター”』!」



リューニャの魔術スキルが完成すると同時に、亀が黒いナニ(・・)かに包まれる。おそらくだが“闇”だろう。それが暫く蠢いた後、霧散する。“闇”が霧散した後の亀はズタボロだったが、まだ生きてる。そして、口を大きく広げて大技の姿勢。



「うええぇぇぇ!?? これでもダメなの!?」


「大技撃つ前に倒せるか……」


「とにかくやろう!」


「私はもう戦力外なのです」



なら、いっちょやってみますか。



「『竜巻』!」



【符術:Lv15】で覚えられる風属性の符。そう、今使えば相当の威力になるかな~な、風属性ですよ。まぁ、そこまでの威力にはならn



『ゴォォォォォォォォォ!!!!』



「「「「「えっ?」」」」」



投げた符は一枚だけなのに、そこから幾つもの巨大な竜巻が発生し、洞窟内の殆どを満たす。暴風が吹き荒れ、俺以外の皆は吹き飛ばされそうだ。とりあえず、風を操って全員に暴風が当たらないようにする。


という訳で、“宝鉱帝亀”を倒しました。ヘイルがいたら「明らかなオーバーキルだね!」と言っているところだな。それにしても………



「「「「……………」」」」



皆、その目はやめてほしいな。






違うんです! ボスが弱いんじゃなくて、リューニャとスノウが強すぎるんです! 決してボスが弱いわけじゃないから!

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