『最強装備(笑)』
最強装備(笑)登場。
「なんで」
どうも皆さん。現在俺達は、シャルーに会った海に来ています。
「なんでッ」
ライラにクノ、そしてリジェさんとアルネさん、俺という、端から見たら女だらけなメンバーで来てるわけだが、俺は昨日貰ったビキニ。クノは、パレオタイプの白と黄色のボーダー柄ビキニ。アルネさんは、黒色のビキニ。リジェさんはワンピースタイプの水着。
「なんでッ!」
クノの胸が大きいのはなんとなく分かっていたが、アルネさんの胸が凄い。黒色ビキニが妙に似合っていて大人な女性って感じがする。リジェさんは…………うん。人には触れちゃいけないものがあるんだよ。
それより………
全力で見ないふりしてたが、いいだろうか?
「なんでッ! 私だけスク水なのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
叫ぶライラ。そう、ライラだけスク水なのだ、しかも白。ご丁寧に胸の部分に『らいら』と名前書かれてるし。
「いいじゃないライラちゃん。ちっぱ……スレンダーボディにはスク水が似合うから!」
「今ちっぱいって言おうとしたわよね? ちっぱいって! それにリジェさんだってちっぱいじゃない! それなら私もワンピースタイプでいいじゃん!」
「いやいや、ライラちゃんにはスク水が似合うし、それに性能はいいのよ? 性能は!」
うん。性能は凄いよな、それがこちら。
〈旧式スクール水着 白〉
ダメージ軽減補正:A- (S-)
斬撃耐性:B+ (A-)
打撃耐性:B+ (A-)
魔法耐性:A- (S)
耐久値:500/500 (不懐)
≪防具能力≫
【水中行動補正:大】【水中時全能力上昇:大】
【水耐性:大】【氷耐性:大】
【魅了:大】【不懐】
【所持者固定『ライラ』】【唯一無二】
な? 凄いだろ。正直、これをメイン装備にできるくらい強い。ちなみに、【唯一無二】は、これと同じ性能の装備や武器作れなくなるというもの。
「うぅ…………性能は良くても恥ずかしいのよ!」
「あの………これ小さくないですか?」
うん。薄々気づいていたが、クノの水着なんか上だけ小さくないかな?
「ふふん。よりクノちゃんの巨乳が目立つから!」
「えぇ…………」
「この中で一番似合ってるのって、スノウとアルネさんなんじゃ………」
「そうですか?」
「ん?」
似合ってるのか? アルネさんが似合ってるのは分かるが、自分男なんで分かりません。
さて、そろそろここに来た理由を説明しようか。ここに来たのは現在、イベントボス最強と言われている、鮫を倒しに来たのだ。そして、来たはいいのだが…………
「きゅぅ………」
「ホー………」
ネーヴェとフクロが海に入れない。なので、リジェさんとアルネさんに、クノとライラの水中装備を作ってもらうついでに、ネーヴェとフクロのお守りをお願いすることにしたのだ。そんな感じで、このメンバーである。
「じゃ、行ってくる。」
「行ってらっしゃーい。」
「きゅー!」
「ホー!」
俺、クノ、ライラに、海に入れるシャルーと大福を加えて海に入る。鮫が出てくるのは、大分沖のほうらしいので、【自然操作】で海水を操り推進力に変えて進んで行く。
ライラ:便利ね。
クノ:酔いそうです………
スノウ:我慢。
水中でも会話できるフレンドチャット便利! まぁ、今回使ったのが初めてですけど。それに、シャルーに指示やお願い出来ないのが難点。
さて、結構沖まで来たけど、まだ出てこないのかな? そう思っていたら、澄んだ海の向こうから、二つの赤い光が同色の尾を引きながら、何かが迫って来た。
ライラ:来た、来た!
クノ:なんか、凄く凶悪ですね。
スノウ:おっきい。
現れたのは赤く輝く瞳に、幾つもの赤い傷がついた真っ黒の巨体、鋭いノコギリのような歯が並んだ口。こいつがイベントボス最強の鮫か…………といっても、最強の所以は海にいるということ。魔法を使わない完全物理のボスだが、海に入る場合どうしても軽装になるため、噛みつきは勿論の事、体当たり一発でも食らえば大ダメージになる。
そんな強い敵だが………
ライラ:なんか、全然ダメージ受けないんだけど。
クノ:流石の性能ですね…………
スノウ:スク水だけどね。
ライラ:それは言わないで………
ライラが注意を引きつつ、俺が銛で、クノとシャルーはそれぞれ魔法で攻撃していく。
順調に攻めていたら、ライラが噛みつきを食らった。焦ったが、ライラは気にも止めずに鮫の頭に剣を突き刺した。
クノ:ライラちゃん、大丈夫なんですか!?
スノウ:痛そう
ライラ:4分の1くらいしか食らわないんだけど…………
スク水つぇぇぇ……………
これはもう現最強と言えるんじゃないか?
その後も、ライラが注意を引いて俺達が攻撃。ライラの体力が半分以下になったら、クノが回復。ライラ以外を鮫が狙ったら、俺が【自然操作】で手助けして避ける。
そんな作業のような戦闘を暫し続けた結果。
《お知らせします。》
《大海原のイベントボス。“戦血ノ皇鰐”が討伐されました。》
《討伐に参加したプレイヤー全員に、イベント称号“大海原の証明証”が与えられます。》
なんだろう………あんまり嬉しくないというか、最強って聞いてたのに、あっさり倒せてしまったというか、ほぼ作業だったというか………まぁ、とりあえず帰りますか。
◇
砂浜に戻って来ました。道中“剣サンマ”の群れを乱獲したんだが、お米は! 〈ヤマト〉は! 何処にありますか~!
まぁ、焼きますけどね。
「その七輪どこで手に入れたのよ………」
「『買取屋』のフィさんに貰った。」
「何故『買取屋』?」
知らん。あの人変な物集める天才だからな。男物のスケスケ下着を出された時は、どんな顔すれば分からなくなったよ。需要どころか、誰も欲しがらんわ!
七輪を使い剣サンマを焼いていく。時折うちわでパタパタする。煙が凄い。しかし、いい匂いがしてきたな。まぁ、醤油はないんで塩オンリーですが………
「いやー。秋刀魚はやっぱり美味しいねぇ。」
「本当ですね。」
「♪♪♪」
どうやら、サンマは皆なにとても好評のようです。さてさて、サンマも食べ終わったところで、そろそろ戻って休みますか。
雪「現時点最強装備、白スク水」
作「ネタではないのだよ。ネタでは!」
雪「好んで着るもんじゃないけどな」
作「まぁね」




