『熱い視線』
《デスペナルティとして、三時間のステータス半減があります。ご注意下さい。》
《異名、“竜に挑みし者≪風≫”を会得しました。》
《風竜に認められたため、“竜ノ証≪風≫”を入手しました。》
《風竜王に認められたため、“竜王ノ証≪風≫”を入手しました。》
ドラゴンに殺られて、〈オステ〉に帰されたと思ったら、先ほどのアナウンスが…………デスペナルティはまぁいい。後のはなんだ! つーか、竜王と戦ってたのかよ! 少し脱力しながらも、異名と手に入れたモノの確認をする事にした。ちなみに異名とは、様々な行動で貰える二つ名みたいなもので、セットすると、色々な効果を発揮するモノだ。ただし、持っているモノから3つまでしか、セット出来ない。
さてさて、“竜に挑みし者≪風≫”の効果はなにかな?
“竜に挑みし者≪風≫”
・単独で風竜に挑み、一定時間生き残った者に与えられる異名。
『風竜は、自由を好む。』
与えられた者は、風竜のような素早さを手にいれる。
≪異名効果≫
【敏捷補正:中】【風属性強化:中】
おお~。敏捷補正とは、嬉しい効果がきてくれた。というか、この調子で行けば、他の二つも同じようなものじゃないか? とりあえず、どんなもんか確認。
〈竜ノ証≪風≫〉
【アクセサリー:イヤーカフス】
・風竜と戦い、認められた者に与えられる宝具。
『風竜は自由を好む。』
与えられた者は、風竜のような素早さを手にいれる。
≪装飾品効果≫
【敏捷補正:大】【風属性強化:中】
〈竜王ノ証≪風≫〉
【アクセサリー:イヤーカフス】
・風竜の王と戦い、認められた者に与えられる伝説の宝具。
『風竜の王は、風神より自由を授かった。』
与えられた者は、疾風となり、自由の翼を広げる。
≪装飾品効果≫
【敏捷補正:大】【風属性強化:大】
【好感度up:竜(風竜)】
【好感度down:地竜】
≪装飾品スキル≫
【風脚:Lv1】【自由強化:Lv1】
………………………ヤヴァイ。何がヤヴァイって? これ全部装備したら、敏捷ヤヴァイ事になるんじゃない?
他にも色々気になる事がある。『風竜は自由を好む。』って言う文とか、【自由強化】も気になるな、あ、アクセサリーの見た目だけど、〈竜ノ証〉のほうは、風が吹いているような模様の宝石が取り付けられた、イヤーカフス。〈竜王ノ証〉は、風が渦巻くような模様の宝石が取り付けられた、イヤーカフス。一つづつみたいだし、片耳に一つづつ着けよう。似合うかな?
◇
いやー! たっのしー! あ、どうも。現在俺は〈ツェントゥル〉に戻って来て、屋根の上を縦横無尽に駆けています。凄い楽しいです。敏捷補正の具合と、装飾品スキルの効果を試すためだったのだが、いやー! めっちゃ楽しいです。【風脚】は、その名の通り足に風を纏うスキルだが、効果は敏捷強化と、跳躍力強化、それとゆっくり着地出来るというものです。そのうち、空を蹴って飛べそうな予感。【自由強化】はよく分からん。
とりあえず、裏路地に飛び降りる。
しゅたっ! 十点!
さて、何しよう? デスペナルティの時間はまだあるし、うーん……………あ、久しぶりに神社に行こうかな? そうと決まれば、走って行こう。町中を風のように駆けて、一分もかからず神社についた。あ、巫女服に着替えておこう。メニューを開いて、巫女服を装備。町中でしか使えないが、一瞬で着替えられる便利な機能だ。
「あら、スノウちゃんいらっしゃい。」
「ん。」
境内の掃き掃除をしていた巫女さんに挨拶しつつ、中に入る。さてさて、アザミさんいるかな? 中にいた巫女さんにアザミさんの事を尋ねると、現在は新人に巫女のアレコレを教えているらしい。あれかな? 俺が教えてもらった事かな? 巫女さんに案内されて部屋に入ると。
「そこは、もう少し柔らかくですね。」
「こうですの?」
「お嬢様、こうではないでしょうか?」
「お二人共、違います。」
金髪碧眼の美少女が巫女の練習していて、青い髪をポニーテールにしたつり目美人さんが手伝っていた。っていうか、お嬢様って…………色々言いたい事はあるが、邪魔しちゃ悪いので、今日のところはおいとまするかな。
「あれ? スノウさん、どうされたんですか?」
「顔だし、でも、忙しそうだから。また来る。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。そうだっ!」
パンっと、両手を合わせたアザミさん。はて? 何か思い付いたのだろうか?
「スノウさん。此方の方に、舞いを教えるのを、手伝っていただけませんか?」
「私が?」
「はい。スノウさんは、お上手ですから。」
ふむふむ。【舞い】スキルのレベル上げに良さそうだし、アザミさんにはお世話になったしな。ここは、いっちょやりますか! 了承すると、嬉しそうにお礼を言ってくる。さて、自己紹介といくか。
「スノウ。見習い巫女。」
「わたくしは、リーフィリア・ブルーローズですわ!」
「お付きの、月見です。」
うん。どうやら、マジもんのお嬢様みたいだ。にしても、何故に巫女になりたいんだ? まぁ、人には色々な事情があるしな、俺だって女のフリしてるし。という訳で、リーフィリアに舞いを教えていく。先ずは、俺が舞う。以前のように、滑らかに舞っていく、舞い終わり皆なを見ると、ニコニコしながら拍手するアザミさんはいい。月見さんは、感心したように拍手している、これもいい。リーフィリア、お前なんで頬を赤く染めて見てんだよ。
熱い視線を送ってくるリーフィリアを無視して、少しスパルタぎみに指導していく。そして、教える事二時間。遂に、リーフィリアは見習い巫女になったようだ。良かった、良かった。
「スノウさん、ご指導感謝します。」
「スノウお姉様、ステキ。」
これも何かの縁と、二人とフレンド登録しておいた。ちなみに、リーフィリアの熱い視線は最後まで無視した。