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『■■とデスペナルティ』


主人公初めての敗北。誰に負けるかは、本編でご確認下さい。







「ふふん。どう? 魔法剣士に相応しい剣でしょ?」


「ん。」


「そうだね。」



よっぽど嬉しいんだな、店から出た後、見せびらかすように剣を抜いて眺めるライラ。まぁ、PK(プレイヤーキラー)に倒されて、奪われないようにしろよな。



「スノウ。私達は友達とパーティー組んで、フィールドに行くつもりだけど、どうする?」



ふむ。別に一緒に行ってもいいが、久しぶりにソロで戦闘したい。



「先に行く。」


「まだ、早いと思うけど。」


「偵察。」


「そう。それじゃ、後で教えてね。」


「ん。」



そんなこんなで、ライラ達と別れて、〈オステ〉の外に出る。〈オステ〉からさらに、東のほうにフィールドがあるらしい。相も変わらず動かないアルマジロを無視して、先へ先へと進む。ん~、なんも無いな~、何処まで行ったらこの荒野は終わるんですかね~。そんな事を思っていたら、影がさす。



「ん?」



上を見上げたら、ドラゴンがいました。え? 何言ってんだって? いや、俺も自分の目を疑ってるんです。なんで、ドラゴンいるんですか? まだ、レッサー・ワイバーンぐらいしか、見たことないのに、モノほんのドラゴンに会っちゃうの? とりあえず、鑑定。風竜(ウィンド・ドラゴン)? だってさ、“?”ってなんだよ、“?”って。



「グォォォォォォ!!!」


「ッ!?」



大気を震わせる咆哮が響きわたる。さて、死に戻り覚悟で、行きますか!



「『土槍』!」



出し惜しみなし、五つの符を投げつけ、土槍を当てる。避けもせずに空中に漂うドラゴン。うん。かすり傷一つないね。



「グォォ!」


「くっ!」



羽ばたくのを止めて、爪を降り下ろしてくるドラゴン。間一髪でそれを避けると、鞭のような尻尾が迫る。ジャンプ! は、悪手だな。小ジャンプからの鉄扇を当てて、尻尾の上で一回転。着地して、振り向き。



「『雷弾』!」



【符術:Lv5】で覚えた符を、五つ投げつける。バチバチと放電する塊が、五つ飛んで行き、風竜に当たる。



「グルル。」


「うーん?」



微妙? 効いてるのかな? 麻痺の追加効果があるハズだけど…………さてさて、傷の一つでもつけてやりたい。風って何が効くんだ? 考えつつも、風竜を睨み付ける。



「グォ!」


「くっ!」



地を蹴った風竜が、噛みついてくるのを避ける。不味いな、爪が来たら避けられないなら。竜の顔に手をかけて小ジャンプ。風竜さんの目に向かって、【魔力刃】を使った鉄扇で切りつける。手応えあり! 目から血が出て、飛び散る。



「グォォォォォォ!?」


「のはっ!」



暴れた竜に吹っ飛ばされる。地面をコロコロ転がる。あー、痛い。痛いぞこの野郎。



「グルルルルル。」


「ふふ。」



久しぶりだな、こんな楽しい戦いは、爺ちゃんとの勝負は勝負ってより罰ゲームだし。たまに空手部とかと模擬戦するけど、物足りないし。こんな楽しい戦いは、中国でやった百人組み手以来だ。自然と笑顔が出る。



「『土槍』!」



符を投げつけ、それと同時に走り出す。さて、出し惜しみせずに行こうか。



「【仙人化】!」



発動しようと思ったら、頭の中にやり方が浮かんだ。それにしたがい、両手を合わせて合掌する。すると、全身から力が溢れてくる。初めて使ったが、いいなコレ。



「グォォォォォォ!」


「ふっ!」



尻尾をジャンプで避け、【浮遊】を発動。滑るように空中を移動して、ドラゴンの背中に乗る。直ぐ様符を羽に張り付ける。ドラゴンが暴れる前に、離脱。



「『火球』!」


「グォォォォォォ!」



効いてる、効いてる。よし、とっておきの一撃を入れてやるぜ! 準備をささっと済ませ、全速力でドラゴンに迫る。ドラゴンのほうは、口を大きく開けて突撃してきた。まだまだ……………ここだ! 身体を回転させ横に移動して、噛みつきを避ける。くらえ!



「【竜巻風拳】!」


「グボォッ!?」



ドラゴンの横っ面に、竜巻を纏わせた拳を叩きつける。しかし、これで終わりじゃないぞ!



「『火球』!」


「グォッ!?」



俺の拳を中心(・・・・)に爆発が起こる。その衝撃で吹っ飛ばされ、再び地面をコロコロ転がる。うおおおぉぉぉぉ、痛い、痛い。ジンジンする。拳を見てみると、焼け爛れて、酷い事になっている。これ、ポーションで治るかな? それより、ドラゴンは……………へ?


訳も分からず吹き飛ばされる。吹き飛ばされる前に、一瞬だけドラゴンが口を開けているのが見えた。



息吹ブレスを吐かないドラゴンなんて、ドラゴンじゃないよ、お兄ちゃん!』



以前雹がそんな事言ってたな~と、思いながら、俺の視界は暗転した。




《デスペナルティとして、三時間のステータス半減があります。ご注意下さい。》



《異名、“竜に挑みし者≪風≫”を会得しました。》


《風竜に認められたため、“竜ノ証≪風≫”を入手しました。》


《風竜王に認められたため、“竜王ノ証≪風≫”を入手しました。》



はい? 異名? 竜に認められた? 風竜王? チョット、言ッテル意味ガ分カラナイヨ?







手加減していたとはいえ、風竜王相手に善戦する主人公。普通の人なら、最初の爪か、次の尻尾あたりで殺られます。


何故、風竜王なんて物騒なのが、二つ目のエリアで出てくるかというと、風竜王さんがかなり自由だからです。他の竜王は、だいたい住処から出ません。

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