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『プチイベント/横殴り』











なんか知らない間に面白そうな事になってるなぁ。っていうか、一体全体なんで普通プレイヤー対PKプレイヤーなんて構図になったんだ? その上━━━



『はーい。それじゃあ、正義のプレイヤー軍と、PKプレイヤー軍、どっちにする?』


「正義の方で」


『ほいほい、正義勢にプレイヤー名スノウ追加、と』


「なんで運営が?」


『いやー。ちょっとPK達が思ったより暴れてるのと、思ったより止めようとするプレイヤーが多いからだよ。因みに、正義側が勝ったら、功績に応じたアイテムに加えて、こっちで三ヶ月のプレイヤーキル、NPCキル禁止だよ。PK側は、キル人数に応じたアイテムに加えて、対人用特殊アイテムの贈呈だよっ!』


「対人用特殊アイテム?」


『そっ! スノウのゲットした、屍桜を人に限定して効果を強めた感じかな?』



成る程。これは、阻止した方がいいだろう。そうそう、上の会話の通りに、今回の件は運営も干渉してプチイベントっぽくなっている。元々、PKプレイヤー対その他のプレイヤーのイベントも考えていたらしいが、今回はその縮小版らしい。


場所は、森と草原のある特殊フィールドで、それぞれの側に砦がある。勝利条件は、相手プレイヤーの全滅か、相手の砦内にある旗を自分の所属する砦の旗まで持っていく、の、どちらかだ。


一度デスペナルティになったプレイヤーは、元のフィールドに戻る。この場合、PK側はイベント終了までプレイヤーキル不能だそうだ。まぁ、イベント後も継続の可能性はあるが、そして、普通のプレイヤーは、既存のデスペナルティの倍加である。結構重いね。



『じゃ、準備はいいかな?』


「ん」


『それじゃあ、転送ーー!!!』



視界が一瞬白くなったと思ったら、次の瞬間には草原にいた。前方には、砦が見える。さてと、砦に行って知り合いから情報収集をして、突撃が防衛か選ぶべきだが━━━


さて、スニーキングミッション開始だ!



「【仙術】、【風之主】合わせ技、『風溶かし』、『風沈み』」



ネーヴェ達に選択した味方を風に溶け込ませる技を使い、自分には自分が風に溶け込む技を使う。この技の使用中は、【気配希釈】も合わせて他者から全く気付かれなくなる。ただし、【風之主】でコントロールしないと、直ぐに何処かに飛ばされるんだけどね。


空中を正しく風となって固まって進み、イベントの最前線であろう場所に向かう。そこでは、多数のプレイヤーが入り乱れて戦闘をしている所だった。


うーん。位置的に考えて、此方が押されてる感じかな?



『主様、どうします?』


『ここだと、味方も巻き込む………ネーヴェとシャルー、柊、これから投下するから、此方のプレイヤー……白いアイコンのある人達と協力して戦って』


『きゅ!』


『!!!』


『はい!』



この一人と二匹なら、やられるような事はないだろう。一応、ピンチになったら逃げるように言っておく。



『私は?』


『竜胆は、私と一緒に引っ掻き回す』


『うん!』



とりあえず、ネーヴェとシャルー、柊を投下する。プレイヤーのいない所に投下して、『風溶かし』を解除する。敵である黒いアイコンの出ているプレイヤーのほぼ目の前、最前線に投下してしまったが、大丈夫かな?


あ、敵も味方も驚いている。しかし、柊はお構い無しに上段に構えた妖刀・屍桜を降り下ろす。



「『妖火・天断(アマネダチ)』!」



紫色の炎を纏った巨大な斬撃が放たれ、前方にいた敵プレイヤーを一瞬で消し飛ばした、何人か生き残ったプレイヤーも、続くネーヴェとシャルーの広範囲魔法によって直ぐに倒され、それに巻き込まれたプレイヤーの何人かは、柊の追撃で倒されていく。


突然の攻撃でペースの乱れる敵プレイヤー軍と、なんだかよく分からないけど、強力な援軍が来た事が分かり、勢いに乗る味方プレイヤー軍。


にしても、いきなり大技使うのか、柊。ま、いいけど



『行くよ』


『うん!』



少し敵プレイヤー軍の奥に進んで、高度をもう少し上げて、『風溶かし』と『風沈み』を解除。俺はそのまま【風之主】で浮遊する。


竜胆の方は━━━



「いっくよー! 【竜変化】!」



竜胆の身体が光輝く。光は段々と大きくなり、光が収まると、そこには白いふわふわな毛で覆われた、竜のような生物がいた。うーん。鱗じゃなくて毛だった時は驚いたが、モフモフだったので普通に嬉しかった。


とりあえず、竜胆に最大攻撃した後は、柊達の手伝いに行くよう伝える。嬉しそうに一声鳴いた竜胆は、そのまま降下した。


風に乗ってプレイヤーの驚く声と、それをかき消す轟音が聞こえた。






━━━━━竜の息吹(ドラゴン・ブレス)━━━━━━






降下してみると、竜の代名詞とも言える技によって敵プレイヤーの一角に空間が出来ていた。



「よし! 『嵐纏』」



補助系の【仙術】を使用して一気に空間に入り込む。さて、吹っ飛んでもらおうかな?



「『天嵐』」



味方プレイヤーに迷惑がかからないように、味方プレイヤーがいるのとは反対側の敵プレイヤー軍に向けて、『竜巻』を超える符を投げつけ発動させる。


五つ投げたので、五つの雷を纏った竜巻が巻き起こり、敵プレイヤーを飲み込んで吹き飛ばしていく。うむ。流石の威力だ。



「くそがぁぁぁぁぁぁ!!!」


「死ねぇぇぇぇぇ!!!」


「うぁぁぁぁぁぁ!!!」



後ろから敵プレイヤー達が怒声やら奇声やらを上げて襲いかかって来た。


だが、遅い。



「『颶風掌』」



一番先頭にいた男に向けて、風を集めた右手で【仙術】を発動させて掌底を叩き込む。鼓膜が破れるかというような、圧倒的な音とともに恐ろしい程の颶風が掌から放たれ、直撃した男の身体を粉微塵に吹き飛ばし、近くにいたプレイヤーは余波もズタズタになって吹き飛ばされ、前方は放射線状に何も無い空間が出来上がった。


空中を舞うズタボロの敵プレイヤーと、味方補正で無傷だが、悲鳴を上げて飛んでいく味方プレイヤー、楽しそうな悲鳴を上げて吹っ飛んでいくドラゴン状態の竜胆。


攻撃の届かなかった敵プレイヤーと、味方プレイヤーは呆然とした表情をしている。


ネーヴェ、シャルー、柊はジト目で此方を見ている。


誤算だった、スキルレベルが低くて弱いから修行していた。でも、風関係は凄い威力になるのは分かっていた、けど、何処かでそんなんでもないだろと思ってたんだよ、そう、思ってたんだよ。



「やり過ぎた」



こんなアホみたいな威力が出るなんて聞いてねぇよ。運営、もう修正いれてくれ………


まぁ、とりあえず倒すか






アホみたいな威力が出ます。でも、上位プレイヤー勢には普通に耐える人が出ますので、安心して下さい。

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