↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
PR
96/382

ハイドラの狂人9

高原の彼方に、霞みがかって蓮の花のような巨大な建造物が見える。


白にレンガ色の縁取りがされている。


直径数十キロに渡る蓮の花。


ヒルマ殿だ。


レンガ色に縁取られ、白や灰色や水色の石が固められた広い坂を、大男達が歩いて行く。


高原草の中に立つ櫓には、巨大な看板のようなものが立っている。


「それでは、トラフィン殿、サンザ殿。ワシはここで。彼があなた方のお世話をしてくれるオルテガじゃ。この男は若いが、一度アンティカにもなった者...。病さえなければ...今頃...。」


そういうと、カルタゴは、若者の方を見た。


「カルタゴ殿。おやめください。」


「あぁ、すまんすまん。トラフィン殿、サンザ殿。分からないことがあれば何でもこの男に聞いてくだされ。武術だけではなく、料理のことでも、遊びのことでも。オルテガは、デフィン様やモルフィン様のご親友でもある。」


「トラフィン様。サンザ様。オルテガと申します。これから、私がお二人のお世話をさせて頂きます。」


そういうと、頭を下げた。


トラフィンも、サンザの頭を押し二人で頭を下げた。


オルテガは笑った。


サンザは、オルテガを嫌がらなかった。


「くれぐれもよろしく頼むぞ。オルテガ。デフィン様、モルフィン様の大切なご兄弟じゃ。」


「カルタゴ殿。あなたのご配慮は忘れん。」


オルテガは、深々と頭を下げた。


「いや、デフィン様、モルフィン様、ノリエガ、そして、ワシとで決めたこと。皆それぞれに他のアンティカを説き伏せる気であったがの。笑。」


「皆さんが...。良くデフィン様が、お許し下さった。」


「いや、寧ろ、デフィン様のご提案じゃ。珍しく皆の意見に耳を傾けられた。ワシの議題であるのに、ノリエガめが、勇んで、全くワシと同じ事を言いおった。あの愚か者めが。」


「仲がよろしいですな。相変わらず。カルタゴ殿とノリエガ殿は。」


「何を言っておる!。おまえもじゃ!。オルテガ!。」


「はい。笑。ありがたき幸せ。して、モルフィン様は?。」


「呆れ顔でただ、笑って見ておられた。」


「やはり...。目に浮かびますな...。」


カルタゴは笑って、オルテガと言う若者の背をぽんぽんと叩き歩いて去って行った。


-----------------------------------------


オルテガに連れられ、トラフィン達は、巨大な蓮の花の形をした建造物の前に辿りついた。


見上げるような巨大な門に、ワイナ語の文字が整然とそしてびっしりと書かれている。


大勢の人々が、門を見上げ、語らっている。


写真を撮る者もいる。


大抵の人々は、門に構わず、中に入って行く。


文字は、下に行くに従って小さくなる。


門はまるで天にそびえるほどの高さだ。


3人は、門から少し離れた場所にいる。


「ご覧なさい。これは何だか分かるかい?。トラフィン。」


オルテガがトラフィンに聞いた。


トラフィンと手を繋いでいるサンザは、別の方角を向いている。


飛んでいる鳥を見ている。


「サンザは興味がないようだな。笑」


オルテガは、笑った。


トラフィンには難しい文字ばかりで読めない。


文字は、先頭の一行が特に大きく、レンガ色の門に、様々な色で書かれている。


灰色、桃、緑、黄、白、黒、青、赤...。


トラフィンは、手紙にあったモルフィンの青い紋章を門の最上段に見つけた。


「あ!。も、モル兄様の...。」


トラフィンは、思わず叫んだ。


「ん?!。何と...紋章に気づくとは何と賢い...。」


オルテガは驚いた。


サンザは、門とは全く反対の方向を見ながら、うわ言のように喋りはじめた。


「.....大闘技会......

......番付表.........

南方 マジア アンティカ デフィン、

北方 マジウ アンティカ モルフィン、

東方 マトゥバ アンティカ カルタゴ、

西方 マドワ アンティカ ノリエガ、

.....

南東方 アンティカ 該当なし

南西方 アンティカ ウルエンハ

北東方 アンティカ マタブマ

北西方 アンティカ ニルカンディ、

......

南方 ダルカン ラキティカ エノーバ 北方 ダルカン ラキティカ バールクゥァン....。」


「ん!?。い、いつの間に...サンザ...。この難しいワイナの個別文字を...な、何ということだ...。」


オルテガは目を見開いた。


「サンザは、サンザは、1度視界に入ったものは全て覚えてしまうのです。」


「い、いや...驚いた。何と言う賢さ...。」


「.....

南東方 主二位 イオニオ、

南西方 主二位 ガルマアース、

.....。」


サンザは、空で戯れる鳥達を見ながら、読み上げ続ける。


「何と...ば、番付を一目で暗記するとは...。」


オルテガは、ただただ驚くばかりだ。


...ゴーーーーーーーーン...ゴーーーーーーーーン...ゴーーーーーーーーン...ゴーーーーーーーーン...ゴーーン...ゴーーーーーーーーン...ゴーーーーーーーーン...ゴーーーーーーーーン...


大銅鑼が鳴り響いている。


「さぁ、行こう。今日の闘いが始まる。」


オルテガは力強く言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。