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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
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赤碧の帝王7

赤碧の空軍は、世界最強の航空戦闘空母ヒステリア、パイロメニア、スキゾフェニアの三隻に先導され、神帝の道の上空を進む。


三つの大きな船体は、まるで鏡でできた巨大なコンドルだ。


傾いてきた陽の光を眩く反射し、色とりどりの群衆や、様々な緑を彩るイナトナの巨木を、自らの身体に映し出す。


「あ、あれは...。」


「綺麗じゃ...。」


「何とも美しい。まるで天界の乗り物じゃ。」


「見よ。メンファーの街を映しておるぞ。」


「あな、美しき...。」


「そなたたち、あれは戦艦ぞ。」


「えぇ。何と。」


「あれが...。」


「何とも。」


無数の貴族達のざわめきが、豪雨のように広がって行く。


ヒステリアの1500mを超えるその船体の全ては、眩いピンクのメタリック装甲で覆われている。


パイロメニアは黄色いメタリック。


スキゾフェニアは青いメタリックに輝いている。


今まで不可能だった長距離迫撃砲を2門搭載したこの三隻の戦闘空母は、その戦闘力のみならず、美しさも圧倒的だ。


かつて世界で最も美しいと言われた、銀帝軍の旗艦アルキメデスに劣らない。


長距離迫撃砲は、迫撃反射艦によって、どんな方向にでも砲撃を曲げることが出来る。


全ての死角が格好のターゲットとなる。


迫撃反射艦は、マッハ14でのステルス飛行をし、次元潜航能力で、あらゆる場所に適合して潜む。


まるで小型の潜宙艇のように。


そして、来たる時、縦横500メートルの巨大なアルマタイトの鏡を展開する。


主力三艦艇のその鏡のように美しい装甲は、各々の巨大なアルマダイエンジンと連動している。


生き物のように自ら傷を埋め、古い装甲を脱ぎ捨て、新陳代謝を繰り返す。


更にそのアルマタイト鏡面装甲は、全てのレーザー砲撃や、メロウ、シカム、ヒモンの粒子砲撃など、様々な波長の攻撃を反射する。


混戦が常の空戦において、この三隻を砲撃する場合は、反射で倍加された砲撃が自軍に降りかかることを覚悟しなくてはならない。


エネルギーシールド無しで、十分過ぎる防御力を持つアルマタイト鏡面装甲は、この最新鋭艦三隻に、より圧倒的な攻撃力、そして小型飛行艇のように気ままで自由な機動力、更には、無限の船速と航続距離を与えている。


世界のほぼ全ての艦船は、エネルギーシールドを展開した、この三艦艇に対して、有効なダメージを与えることが出来ない。


そして、主力三艦艇の翼は、巨大な反重力板、そして放電翼の役割を果たしている。


鷹のように自由に変形するその翼は、自重を極限まで軽減し、小型戦闘機並みの機動性を実現している。


そして、この可変の広い放電翼は、大量の余剰のプラズマエネルギーや、熱、電子を放出する。


それは、超エネルギーの艦首砲を高射砲並みに連射することを可能にしている。


この巨大な羽根は、超長距離迫撃砲がな放たれる時、まるで不死鳥の羽根のように、激しく眩く輝く。


世界、最大、最重量級の戦闘空母でありながら、小型戦闘機並みの機動力、そして、世界最高船速マッハ43を誇る。


そして、1つの艦隊を消し去る艦首砲を、正確無比に連射する。


目をつけた獲物は、翼を広げ確実に撃墜する。


かつて逃れられた者はいない。


世界中の全ての航空艦隊は、この「死のコンドル達」の出撃を知り、例外なく震え上がる。


『...ご、ご覧下さい。皆さん。何と、リバベリアの上空を通過したのは、赤碧空軍です。続く行軍は、大方の予想を反し、赤碧帝のアマル東•南の連合軍です。...』


一国の人口以上の大群衆。


悲鳴と歓声の入り混じったどよめきが、地鳴りとなり、メンファーの地上をうねって行く。


ヒステリアの後方ゲートが開き、駆逐艦排出される。


鯨が次々と子供を産み落とすように。


そして、同じくパイロメニア、スキゾフェニアが。


親と同じ装甲をした子供達は、自分達の数倍以上ある戦艦達を率いて、三方向に分かれる。


『...ご、ご覧ください。この圧倒的な数を...。未だ嘗てこのような大艦隊がメンファーのこの空を埋め尽くしたことがあったでしょうか。す、凄い数です。そして美しい。兎に角、もの凄い数です。...』


ヒステリアと、パイロメニア、スキゾフェニアは、ゆっくりとその間隔を開け高度を上げていった。


「おぉ...。」


「神帝様より高く...。」


「此度の行進は、異例ずくめじゃ。」


「大変なことにならねば良いが...。」


「大変なこととは、何ぞ?。」


「神帝様のお怒り以上に恐ろしきことがあるや?。」


「あな、恐ろしや...。」


三つの船体が遥か上空で羽根を広げはじめた。


再び、群衆はざわめき始めた。


「見やれ!形が、形が...。」


「羽根を、羽根を。」


「何ぞ?。何ぞ?。」


「見やれ!。光り始めた!。」


「何ぞ?。この音は?。」


「目が焼けるようじゃ。」


...キュワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


『...ヒステリアが光り始めました...パイロメニアも...あ!スキゾフェニアもです!。この音は?!。トランプさん。トランプさん!。...』


大きなモーターが激しく回転する音が、地上の神帝の道にも轟き渡る。


『...この音は、この光は一体。...』


『...長距離迫撃砲射。...反射迫撃砲です。...』


『...な...そんな。...』


『...間違いない...。これは...大変な...。神帝様に向いている。...』


三つの船体は、高い空で、眩く光り始めた。


太陽が5つに増え、もはや空を直視することが出来ない。


彼方の涼しそうなその姿と裏腹に、地上は三つのアルマダイエンジンの回転音と爆風の洪水になっている。


貴族達の色とりどりの日傘は、次々と宙に舞い、飛び交う。


『...神帝様の方角...?い、いったい...........これは..。...』


空が真っ白に...。


目が焼ける。


もう、何も見えない。


宙に身体が浮く。


眩しくて、何も見えない。


...バリバリバリババリバリバリバリバリババリバリバリバリ...バリバリバリババリバリバリバリバリババリバリバリバリ...バリバリバリババリバリバリバリバリババリバリバリバリ...バリバリバリババリバリバリバリバリババリバリバリバリ...


雷の数千倍激しい爆音が続いて轟く。


これ以上は鼓膜や網膜が持たない。


激し過ぎる光と音。


空を見上げることが出来ない。


....ピシュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーー...


三つの太陽から、眩い光の柱が、神帝の第一神殿 メルエン•ラ•カーに向かって発射された。


あろうことか...。

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