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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
45/364

謀略10

『...ジンム陵 第7ゲート。ギガサニー•トリオール殲滅!。殲滅しました!。領府直属軍が第6から第5へ進行中!。恐らく、残りは地上の個体のみです。...』


兵曹達はラジュカムを通し、意志を伝達している。


ラジュカム(全能信号置換翻訳通信装置)は、脳波、音声、様々な信号を受信し、言語化する装置だ。


精度は高い。


その兵曹の骨格や肉付きから縮小された実物に近い音声に変換される。


更に、ラジュカムの扱う信号を1秒間に数回から数万回別の暗号形式に変換し、そして解読する装置をパスタップと言う。


パスタップzetaゼータシナプス方式をハイドラが、パスタップ粒子coreコア方式をアトラが使っている。


ジンム陵にヤマキが入った。


もう心配はいらない。


ジンム陵の地下通路は13000年前に巨大石で作られたもの。


高さは40m。


あの小型の兵曹がジンム陵の地下の戦闘に適している。


市街地戦でのギガサ二ー•トリオールによるザバナ殲滅作戦は一定の成果を上げた。


でも、ギガサ二ーとトリオールの結合体は、ザバナ殲滅を目前に、ザバナを解放し、自分達も散らばって逃げ始めた。


自らの脚の形状を変え、スサノオのデータに無い、驚異的な跳躍力を見せた。


まるでバッタのように一気に包囲網を飛び越えた。


一部のギガサ二ー•トリオールは、自らがボワガイガー(炭化照射器)の盾となり、生き残ったザバナを包囲網の外へ逃した。


虐殺をしていた張本人が、まるで救世主気取り。


奴らの狙い。


きっと都市に散らばり潜み繁殖し、反撃の機会を探るつもり。


それまでは、ザバナは共闘する同志ということね。


奴らを歩兵とサラバスターが追っている。


総数は、ザバナ80、ギガサ二ー•トリオールが500。


依然として状況は深刻。


しかし、サラバスターに攻撃力を補強された人間は無敵。


スサノオの想定戦闘力は装甲兵の53倍。


奴らが幾ら知能が高いと言えど、人間には及ばない。


奴らが殲滅されるのは時間の問題。


所詮獣の浅知恵。


人間には及ばない。


...ブルブ..ルブ..ル..ルルル....ルル..ルゥ..ゥ...ゥゥ...


...ギ..ュワ..ア...ゴ..ゴーーーーーーーーー...


...ブ..ルブル...ブル...ル..ルル..ル.ルル...ルル..ルルルゥゥ..ゥゥ...


空まで獣達の咆哮が届く。


怯えた鳴き声。


眼下で体長30mの化け物達が中央分離帯を横切って行く。


最も多い集団。


1800組の歩兵•サラバスター小隊に追い詰められて行く。


周到に。


ポイントの111の方角。


特別救助隊の格納庫がある。


片側14車線の公道 ルート31。


平常時は、イザナギの制御の元、2m間隔で数億台の陸用車が密集し、時速180km〜200kmで整然と移動をしている。


今は一台も陸用車はいない。


見晴らしは最高ね。


こんな時に不謹慎だけど。


『...ギガサ二ー•トリオール、およびザバナの個体。各歩兵•サラバスター隊が追跡中。...』


1人の歩兵を、3〜8体のサラバスターが援護している。


移動に際して、3体のサラバスターが腕を組み、中央に兵士を乗せて走る。


時速100km。


まるで運動会の騎馬戦。


アンドロイドは頑丈。


無理な体勢で長時間稼働しても、腰を痛めたりはしない。


サラバスターのコパーソンズの運動能力が圧倒的に高いことも、この柔軟な対応を可能にしている。


バラクターが同じ事をすれば、ものの3分で兵士の股関節は粉々になるわ。


多分。


『...こちらミルコ。奴らは繁殖力が強い。人間に遭遇させるな。絶対に。格納庫に追い詰め粒子線で一気に炭化する。...』


奴らは確実に避難壕を破ることが出来る。


セキュリティコードが必要な、ジンム陵の第7階層にまで進んだ。


ザバナにも敵愾してるトリオールが教えるかもしれない。


歩兵隊の中央には30m級の銅色の兵曹。


金属の巨大ゴリラがいる。


赤く強い光を放つ目が、横に10個以上連なっている。


車のライトのような光。


この兵曹ミルコは放電翼を持っていない。


飛ばないが高速で走行する。


あの直属軍のヤマキと同じタイプ。


3S級のミルコがいる限り、歩兵•サラバスター隊は優勢...。


でも、この胸騒ぎは何かしら...。


『...サラバスター隊。どこだ?。誰が指揮を執っている?。...』


カーンが。


やはり何か懸念があるみたい。


『...こちらミルコ。エレーンに変わってサラバスター•歩兵隊を援護しています。ギガサニー•トリオールの群れを追い詰めました。間も無くポイント1111。特別救助隊格納庫。...』


『...何!。おい!。ミルコ!。そこは袋小路だ。歩兵隊は登れない。それ以上進むな!。...』


『...なぜです?。ボワガイガー(炭化照射器)で一網打尽に焼き殺します。...』


『...待て、こ、これは罠だ。..』


『...え?。罠?。追い詰めているのはこちらです。...』



格納庫裏にギガサ二ートリオールが集結してる。汗


「罠よ!。ミルコ。反射装甲の裏に集結してる!。そこは裏で全ての公道に繋がっているの!。」


格納庫の反射装甲に隠れてる。だからレーダーに映らない...汗。


『...中に入るな。囲まれる。止まれ。...』


ハッ!。汗


反射装甲を開いたら、ミルコの粒子線もボワガイガー(炭化照射器)と弾き返される!。


「ミルコ!。反射装甲がある!。ボワガイガー(炭化照射器)は撃てないわ!。」


『...メラニー?。だとしても反射装甲を開くにはセキュリティキーを開ける必要が。我々ですら復号機が無ければ...反射装甲さえ開か...汗。ハッ。汗...』


まずい...。


滝のように汗が流れる。


『...ジンム陵のセキュリティキーを奴らは開けた。ボワガイガーが、我が軍のボワガイガーはそこに集中している。...』


『...ボワガイガー....。ここに...こっちに100機あります。...』


もし、今ここに雄が...成熟したグレード9以上の奴が来たら。


こちらが全滅。汗


我々は全ての歩兵隊とボワガイガー(炭化照射器)を失うことになる。汗


「ミルコ!。深入りし過ぎよ!。今すぐ撤退して!。」


『...ビル群の躯体ダメージが大きく、第7区では粒子線を使えない。ボワガイガーが必要だ!。生命線だ!。...』


『...まさか...。全軍撤退!。全軍撤退!。戻れ!。来た道戻れ!。...』


『...ミルコ少尉!。反射装甲が!。反射装甲が立ち上がりました!。...』


ダメだわ...。汗


『...な、何...汗。ま、まじか...。汗。マジか!。マジか!。止まれーーーーーーっ!。戻れーーーーーーーー!。来た道戻れーーー!。...』


歩兵がパニックってる。


ミルコまで。


『...背後!。背後!。大型のギガサ二ー5体!。体長60m。グレード9。...』


.....汗。


ぐ、グレード9(ナイン?)。


『...反射装甲側。ギガサ二ー•トリオール2200体。...』


ど、どこにこんな数が。


『...挟み撃ちだ。...』


『...全滅してしまう。...』


万事急須...。


『...大型ギガサニー。こっちに...うわあ!。ね、ね、熱線吐きます!。熱線!。ね、ね、熱線!。き、来ます!。...』


「指示出して!。座標を!。」


『...た、頼む、メラニー!。...』


「撃つわ!。地上。反射装甲から離れて。デカい奴らを叩く。」


火力が足りない...。


私の粒子線では。


『...どこだ?。どこにいる!。メラニー!。...』


地上で何人もの兵士がカンデラポインター(照射位置指示灯)を照射してる。


クッ...射角が取れない。


ここからでは。


太陽塔マハ•ユージーンが射角を遮る。


甚大な被害が。


避難壕に数万の人。


「移動するわ!。」


『...グレード9(ナイン)高エネルギー反応!。...』


ま、間に合わない...。


間に合わ...汗。


『...ヒィッ...。』


『...うわぁぁぁ!...』


『.......』


...ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー....


うわああああああああああああ!。


閃光が。


空全体が焼けるほどの。


...


...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


空に残骸が噴き上がる。


無数の残骸...。


...ブゥワワアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ...


爆風が吹き荒れる...。


...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...ウォォーーー...


歓声?。


『...落ち着け。笑。こっちから逆に挟み撃ちにしてやる。笑。アイスだ。背後は心配するな。俺が始末する。...』


!?


兵士達は全員無事...。


『...デブリ来ます!。...』


...ドン...バシィ...ドンドン...バリバリバリバリ...ドン...ズゴーーーーン...バシィン...バシィ...ドドドド...パリン...バシィ...ドゥン...ゴーーーン...ゴゴゴゴ...ズドーーーーーーーーンガン...バラバラバラバラ...ドン...バシィ!...ドンドン...バリバリバリバリ...


デブリが豪雨のように降り注いでいる。


上半身が吹き飛んだグレード9。


ギガサ二ーの脚や腕が散らばっている。


煙を吹き上げながら。


断面は真っ黒に炭化している。


巨人が来る。


ガンディール方面。


ルート13から。


右側が銀色左側は白い。


金属の鷲のような放電翼。


目は左右で形も数も違う。


発してる光も左右で違う。


「待ってたわ!。アイス。」


『...あっちは全部片付いた。躯体がヤバいなこりゃ。...』


アイスが歩くたび、アスファルトが噴き上がる。


...ドーーーーーン...


ミルコの3倍の大きさがある。


...ドーーーーーン...


...ドーーーーーン...


アイスはX級。


『...よぉ。アイス。やっと来たか。マナが中々しぶとくてなぁ...。後何回かしか撃てねぇと思う。スサノオのデータ見てくれ。...』


ダンナが...。


『...了解です。ダンナ。遅くなりました。蛹化始まりましたね。ミルコ。サラバスターをザバナの追跡に出してくれ。半分くらい出してもいい。俺が変わりをやる。ギガサニー•トリオールを殲滅する。...』



==================================================================


白い蛹がガナンの上層に浮いている。


ファザスの光に照らされながら。


中央の管はまるで象の鼻のように蠢いてる。


甲虫の背中にも、モアイの顔にも見える。


まるで月が街まで降りてきたみたい。


メガラニアが息を潜めて眠っている。


...ズターーー...ーーーーーン...


...ガシャガシャ...


...ダーー...ーーーーーーー...ーーーーン...


来た!。


サルファマスドラの壁面を伝って。


ギガサ二ーの雄。


グレード6。


300m付近。


横に移動してる。


体長は30m前後。


背中が焼け爛れてる。


削り取られた痕から体液が滴っている。


生々しい。


エレーンに吹き飛ばされた羽根。


傷が蠢いている。


また直ぐに生えて来そう。


周りに何体もの兵曹が取り付いている。


3B級17体。


A級が5体。


2A級が2体。


どれも15mに満たない若い兵曹。


...ズド..ゥ..ゥーーー...ーーーン...


大気が激しく点滅する。


空中からギガサニーに粒子線を放ってる。


...ドーー...ーーーーン...


少しずつ炭化は進んでる。


でも、時間がかかり過ぎる。


...ズドーー...ーーーーー...ーーーーーーン...


ビルが激しく揺れる。


地面から振動が伝わる。


...ガシャ..ァァ...ン...


...ガシ..ャァ...パ..リーン...


『...来るわよ!。レディエードが!。...』


..ドーー...ーーーーーーーン...


ガナンの影から大きな兵曹。


壁伝いに。


100m超級。


別格で大きい。


女王蜂みたいに。


あれがエレーン。


中央軍の女兵曹では最強。


卵型の頭部。


形態は女のマネキンに近い。


目は三日月かハート型。


左右に2つずつ。


光は薄いピンク色。


蜘蛛のようにガナンの壁面にしがみついている。


...ガシャァァ...パリン...


ガナンの七色の鏡面に、エレーンの爪が突き刺さる。


手足が長い。


白鳥のように大きな綺麗な羽根。


ピンクがかった金属色。


長い腕。


大きな手でギガサニーの頭を掴む。


爪が頭に食い込み白煙を上げている。


...ガ..ラ...ガラ...ガ...ガラ...ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ...


...ガ..ラ...ガラ...ガ...ガラ...ガラガラ...


...ガ..ラ...ガラ...ガ...ガラ...ガラガラガラガラガラガラ...


『...鳴き出した...。...』


『...見ろ!。あっちもだ!。...』


まるで蝉。


地上で歩兵達がレーザー砲を捨て始めた。


次々と。


銃口が沸騰し始めた。


...バー...ーー..ーン...


レーザー砲が爆発している。


『...姉さん!。何とかしないと!。汗。...』


ルーファスが。


「心配ないわ。雄のはただの電子レンジ。共有進化はしない。」


『...今の...とこ.ろは..ね。...』


エレーンの声。


確かに。


こいつらは簡単に進化する。


既存のデータは当てにならない。


『...ね..ぇ。カー...ン..が兵..曹を..上げ....る。ケ..ィテ..ィ。援....護を..お願い。...』


『...了...解よ!。...』


ケィティがカーンの前に出る。


ここから2キロの距離。


メリカトルトーアとサルファマスドラの間。


ルート30と31が交差しているおかげで、見晴らしが良い。


金属のダチョウのような羽根。


赤い光を下弦に纏う。


羽ばたくと一気に数百メートル飛翔する。


シムキャストからカーンが立ち上がる。


アスファルトが砕け散る。


白い城のような戦車 シムキャスト。


最上階の兵士が落ちそうになった。


ガードバーにしがみついてる。


女兵士?。


おっちょこちょいね?。笑


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


カーンの体内から破裂音が轟く。


衝撃波がここまで。


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


カーンが巨大化して行く。


全身真っ白な兵曹。


あっという間に低層ビルの高さを越えていく。


白いセラミクスのような身体。


極限まで筋肉がせり出している。


横一文字の目は青い強い光を放っている。


まるで中世の鉄仮面。


リンと同じ型の放電翼。


巨大な斧のような翼。


ビルの30階位の大きさに。



...ゥゥウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


空から。


何か落ちて来る!。


目の前を通過した。


墜ちて行く。


地面に。


...ドッスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


『...うわぁぁあ...。...』


巨人が墜ちて来る。


真っ二つに割れアスファルトにめり込む。


焦げて黒くなっている。


『...へ、兵曹が...。...』


え!?。


兵曹?!。


...ドッスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


『...うおぉー。我が軍の兵曹が。...』


「そんな...。」


頭を下に、折り重なるようにもう一体。


体長は20m前後。


頭を地面に尻を持ち上げた状態で生き絶えた。


頭部は炭化し崩れている。


持ち上げられた尻の高さは、歩道橋より高い。


『...下!。地上!。気をつけて!。落とすわよ!。炭化させた奴!。...』


エレーンだ。


!?


捕まえていた奴?。


え?。


『...良く見て!。ギガサニーよ!。私がいるのに兵曹が死ぬワケないでしょう?。怒...』


『...まるで人間...だね。...』


『...妙に色っぽいのがキモい。...』


『...こいつら雄よ?。...』


『...もう一体行くわよ!。メラニー!。ぼうっとしてないでそっちで炭化して!。...』


....ゥゥウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


墜ちて行った。


ここから100m下の地面。


落下して頭が半分潰れてる。


両腕をもがれてる。


エレーンに。


立ち上がって逃げようとしてる。


まだ生きてるじゃない...。


あいつを炭化?。


あたしが?。汗


キモ過ぎるわ...。


...ゴ...ゴゴ...ギャ..ワ.ワワ...ヮヮーーーーーー...


上空から怪獣の悲鳴。


エレーンに怯えている。


まるで大人に脅されている子供。


エレーンがギガサニーを掴み壁面から引き剥がして首の骨を折る。


あの女だけは強烈...。


ホントに。


容赦ない。


『...タ..カ.ム...ラ!。こい...つ..も..お願...い。私..が...抑え...てる。...』


『...誰に...言って...る!。..せ..めて...隊長....殿..と呼..べ!。バカ...もの。私..はただ...の隊長で..はない。親衛..隊すな...わち..全軍...』


『...早く!。他の...が飛び..立っ...たら...終わ..りよ!。あ..んた..のパワー...が必要...なのよ!。...』


ギガサニーを掴むエレーンに続いて、ビルの影から銀色の赤ん坊が顔だけ覗かせる。


タカムラだ。


『..やりゃ...ぁい.いん...だろ...うが。...』


巨大な赤ちゃんがボヤいている。


『...クソ!。偉...そうに...。...』


赤ちゃんが大きくお口を開ける。


タマゴを丸呑みするみたいに。


眩しい...。


強い光。


...ゴゴオォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


タカムラの粒子線がギガサニーを黒く炭に変えて行く。


...ギエェ...ェゲ..グワ...アァ...ァァ..ギエ..ェェ...


ギガサニーが暴れている。


断末魔。


必死で抵抗してる。


でもエレーンはビクともしない。


...キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ゴゴゴゴゴゴオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


粒子線が威力が増して行く。


『...トド...メだ!。行..くぞ!?...』


『...いい...わ。来..て!...。』


...ブゥウワオオーーー...


エレーンがシールドを展開する。


青白いエネルギーの壁を。


ギガサニーを押さえつけたまま。


...


...


...ゴゴーゴゴオォゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


閃光は激しさを増す。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


爆炎と衝撃波が広がる。


ギガサニーが炭になって粉々に砕け散る。



....ガガガ....


....ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


メリカトルトーアの上層からサルファ•マスドラに閃光が走る。


一際太い光の柱。


粒子線とは明らかに違う色の光。


上空の巨大ガマガエルがスズメバチ目がけ熱線を放出している。


灰色の方。


一番大きい兵曹。


羽がない。


....ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド...


レビン。


あれは。


...ババババババババババ...バシャーン...バリバリ...パリン...ガシャン...バリバリバリバリ...ガシャーン......ババババババババババ...バシャーン...バリバリ...パリン...ガシャン...バリバリバリバリ...ガシャーン...


...キャーーー...ギャァァァァァ...うおーーー...うわぁぁ...ギャァァァ...キャーーー...キャーー...キャアアァァァー...うわぁーーー...キャーーーー...おおぉ...ヒイィ...キャーーー...ギャァァァァァ...うおーーー...うわぁぁ...ギャァァァ...キャーーー...キャーー...キャアアァァァー...うわぁーーー...キャーーーー...おおぉ...ヒイィ...キャーーー...ギャァァァァァ...うおーーー...うわぁぁ...ギャァァァ...キャーーー...キャーー...キャアアァァァー...うわぁーーー...キャーーーー...おおぉ...ヒイィ...キャーーー...ギャァァァァァ...うおーーー...うわぁぁ...ギャァァァ...キャーーー...


ビルの反対側から残骸噴き出してる。


...ゴゴオォーーーーーーーーーーーー...


別の兵曹が真上をゆっくりと通過する。


後衛まで飛んでいく。


何かを大切そうに両手で持って。


体長40m。


コウモリのような大きな放電翼。


羽根の下弦が青白い光を放つ。


揚力アドバタイズが発生してる。


黒に近い銀色の身体。


目はイナズマの形に似ている。


一つ目。


青い光。


卵型の頭部。


口はバッタを彷彿とさせる。


スタークだ。


アルマダイの反重力風。


...ブゥウワアアァァァーーーーーー...


強烈な風が吹く。


装甲車が地面から浮く。


...ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


着地した。


ここからの距離は3000。


救助用装甲車の横。


アスファルトが噴き上がる。


凹み塹壕が出来た。


地面が揺れている。


装甲車から隊員が降りて来る。


慌ててストレッチャーを引いて。


まるで小人。


スタークは灰色のブレザーの男をストレッチャーにそっと寝かせた。


『...頼む。メガラ..ニアを救っ..た英雄.だ。...』


『...ハッ!...』


『...承知..しま.した!...』


スタークが指の先でヘルメットのシールドを上げてやっている。


少年?。


流石に良く見えない。


私でも。


『...呼吸を..してい...ない。...』


!?


何?


墜ちて来る。


...ボタ...


...ドダッ...


...バチィ...


...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ダン...バサァッ...


...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ダーーーーーーーーーーーーン...


...ドダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


車線に粘度の高い液体と、塊が落下して来る。


...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


サルファの頂上付近から。


...バシャアッ...


...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ゴボ...


...ゴゴギ...


...シュゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー...


...ゴギ...


...ゴン...


有毒なガスと悪臭が白いガスとなり濃霧のように視界を遮る。


煙の切間。


上空にはデュランダル•レビンの姿。


灰色のスズメバチ。


デカいガマガエルの頭が引っ張られてる。


変形するほど。


レビンはワイヤーを掴んでるの?。


メリカトルトーアから。


...ボゴ...バギィッ...バギィィィーーーーーー...


鈍い音だけ遅れて轟いて来る。


甲殻の砕ける鈍い音。


マナの頭が引きちぎれてる?。


ワイヤーがグニュグニュと動いてる。


あれは触覚!?。


予想外に硬い。


...ギ..ギ....ギエェェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴ...ゴオ..ォォ...ォーーーーーー...


マナの咆哮。


遥かに上空で悲鳴を上げている。


引きちぎれた頭部から体液が噴出している。


強酸がガナンの壁面を溶かす。


まるで爆発しているみたい。


マナが突進するを


あんな目に遭いながら。


狂ったように。


激突する。


レビンに。


...


...ズーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...


衝撃波が広がる。


レビンごとメリカトルトーアめり込む。


...ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン...


...ババババババババババ...バシャーン...バリバリ...パリン...ガシャン...バリバリバリバリ...ガシャーン......ババババババババババ...バシャーン...バリバリ...パリン...ガシャン...バリバリバリバリ...ガシャーン...


ガラスの破片や残骸が宙を舞う。


...ギュ...ワワーーゴ.ゴゴ...ゴーーーーギ..ュ...ワ...ワ...ーーゴ...ゴゴ..ゴーーーーーギ...ュワ..ワーーゴ...ゴ...ゴゴーーーーー...


マナが咆哮を上げる。


...ババババババババババ...バシャーン...バリバリ...パリン...ガシャン...バリバリバリバリ...ガシャーン......ババババババババババ...バシャーン...バリバリ...パリン...ガシャン...バリバリバリバリ...ガシャーン...


レビンとマナが組み合ったまま、メリカトルトーアの上部に激突して行く。


マナはレビンを鋏で掴みながら300mの巨体を執拗にぶつける。


躯体のダメージは甚大。


鉄骨がむき出しになってる。


『...メリカトルトーアが...』


「見ろ!あ、あれを見ろ!。」


「大変だ!。こ、これは大変なことに... 。」


「...あぁ...。あぁぁ...。」


『...メリカトルトーアが...』


『...た、倒れる。...』


『...メリカトルトーアが倒れる......』


人々の悲鳴がうねりとなり空に広がって行く。


...キャーー...キャアアァァァー...うわぁーーー...キャーーーー...おおぉ...ヒイィ...キャーーー...ギャァァァァァ...うおーーー...うわぁぁ...ギャァァァ...キャーーー...キャーー...キャアアァァァー...うわぁーーー...キャーーーー...おおぉ...ヒイィ...キャーーー...ギャァァァァァ...うおーーー...うわぁぁ...ギャァァァ...キャーーー...キャーー...キャアアァァァー...うわぁーーー...キャーーーー...おおぉ...ヒイィ...


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