ダヌアの空に164 / ドンキ編25
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
…
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
あかん…完全に怒らせてもうた…。
耳ごと吹き飛びそうや。
まるで共鳴する宇宙の土管。
あり得へんほど巨大の警笛。
大地ごと激しく揺れとる。
まるで大しけの海。
この星の3つの月全部に届く勢いや。
イモーランがワイとエリザベスを包み込み、護ってくれとる。
この灼熱の地獄から。
イモーランの樹脂のような身体は、ワイらにピタッとひっつき護ってくれる。
激しすぎる狂った熱からも、衝撃からも。
守護球の保持者であるワイが、名前を呼んだのに、ラプロスもイモーランも消えてない。
意志も気配も消えたが、まだワイらを護ってくれとる。
でももう限界や。
相手が悪すぎる。
そして、ワイが憑代では、守護神はホンマの力を発揮できない。
ワイにも分かる。
やはり救世主でないと。
トリスタンの皇帝でないと…。
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
…ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…
吹き荒れる暴風。
荒波のように畝る大地。
灼熱の大地。
熱線の応酬と爆発で溶けた溶岩は、まるで固まる気配が無い。
ホンマの地獄絵図や。
『…エース復活よ!…』
〈※ ラムダ13 によるパスタップの音声〉
『…ナイジェル…行けるか?…』
『….た..多分…だ..だ..大丈夫…い…イケると思う…』
『…リタ…少し休めるな…』
『….ご..ご…ごめん…リタ…ありがとう…』
『…お互い様よ…良かったわ…』
地上におる戦車隊は、蜘蛛の巣を張って凌いどる。
ファザス•フォーメーション•シールドと言う、アルマダイ•エネルギーの巣を、共同で張って。
嵐の中の蜘蛛のように、この過酷な環境を凌いどる。
強靭なアルマダイシールドが、まるで台風の中の蜘蛛の巣や。
心許ない白い光を放っとる。
この平野のあちこちに。
そして、アルマダイ(生命エネルギー)は無限でも、機材は保たへん。
アルマタイト(生体金属)以外の部品が溶け始めとる。
ワイの装甲も…メガネも…や…。
…ドボッ…
「あかん!汗」
エリザベスが….!汗。
溶岩に沈む。
息できへんやないかい…汗。
あかん!…汗
窒息してまう。
「浅瀬はどこや!….汗。」
あっ…あっちは浅いぞ!。エリザベス。
「あっち行くで!おい!」
エリザベスが分かった言うとる。
ワイの身体感覚には、エリザベスの脚の痛みも、窒息しそうな苦しみもある。
身体がつながっとんねん。
当たり前や。
溺れてしもとる。
脚が震えて感覚もおぼつかない。
痛い、怠いをとっくに越えとる。
ごめんやで…。泣
ワイ以上に痛いはずや。苦しいはずや。
もう、オルガナイト(アページ用燃料)もない。
「よっしゃ、どないや?息できるか?」
…ブルルルルル…
大分高台になっとる。
…
..
….ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…
!?汗
ひぃぃ!…。
な、な、な、何や!?。汗
あかん!。汗
後ろでドでかい衝撃波が…。
大地が畝っとる。
ボルボーレがまた手を大地に叩きつけたんや。
はっ!?汗
津波が来るで!。
逃げな!エリザベス!。
アカン、脚を奪われて動けへん。
ブースターしかない。
もうワイのコントロールやない。
既に動かん。
『…つ…つ..津波が!…よ…よ溶岩の津波が..ドド…ドンキの…』
『…いかん!..ドンキが..飲み込まれる…』
「エリザベス…」
もうアカンか…。
誰が限界を越えた愛馬に命令できるんや。
まともな神経やったら。
『…ドンキ!…ドンキーーー!…』
….ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…
迫って来る。
山のような溶岩の津波が…。
なんぼ何でも、これは生き残れん。
ここまでか…。
これまでか….。
でも何とかせな。
この溶岩の津波。
しかし、エリザベス無しでワイに何が出来る…。
だとしても…引くわけにはいかん。
…ゥ…ゥ…
?。
…ゥゥゥ…
「ん!?」
…バッスウゥウーーーーーーーーーーン…
「ふぎゃ!うぐっ….」
….ボボボボボボボボボボボボ…
風が容赦なくワイの口に入って来る。
口を引き延ばして来る。
め、メガネ…メガネが….。
『…飛んだ!…』
…ゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーーゴゴゴーーーーーーーー…
凄まじいGや。
エリザベス….。泣。
お前は最高の名馬や…泣。
『…ど..ど…ドンキが…か..か…かわしたぞ!…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
ボルボーレが吠えよる。
ワイが逃げたんを怒ってる。
知らんがな!。
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
あ、あかん!。
ブチ切れおる。汗
空まで爆音の振動が…。
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
ま…眩しい….。
な….。
腕がまた光っとる!。汗
あかん奴やこれ…。
『…ボルボーレの..前脚が!…』
『….に..21億カルーデラ!…あ…あ..あれでまた踏みつける気だ…汗…』
『…ふ…吹き飛ば..されるわ…今度こそ…ドンキが…』
『…あ…ぁあ….』
あかん!。
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…
「エリザベス!高く!」
この脚…まるで巨大ビル…。
津波の中に立つ巨大なビルに見える。
しかし、なんちゅう寸胴な腕…。
ぶっとい神殿の柱や。
エンタシス言うねん。
この形。
細かい模様が入っててこいつの巨大腕は、土偶のようや。
なぜこんな生き物が存在するのか…。
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…
溶岩が激流のように大地を流れて来る。
爆発に巻き込まれる…。
巨大な脚…これ以上は近づいたら蒸発してまう。汗
!?ひっ….。
近い!..。
あかん潰される!汗。
「エリザベス….」
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…
…
..
…ッッ….
…ッ….
….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン….
『…ひっ…』
『…ドンキ!…ドンキーーーーーーーーーー!…』
『…キャアアアアアアアァァァァァーーーーーーーー!…』
『…し…静かに!…ど…ど…ドンキを…と…と…捉えてる!…』
『…どれだ!?…』
『…と…と…と…飛ばされてます!け…結晶山FE-7のほ…方面……こ…こ…これです…』
『…うっ…激突するぞ!…』
『…爆炎が…』
…..ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
『…うう..ぅ…』
『…皆んな…捕まって!…緊急回避よ!…』
『…うっ…クッ…ど…どこ行った?…』
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーーー…
『….体制…立て直し..ます…』
『….ラムダ13…巡行モードに..復帰…』
『…オッケー…主翼展開…』
『…ラウール…全攻撃翼(部隊)..の状況確認…』
『…確認します….』
『…あぁっ!…防御翼が…』
『…どうした…』
『..い..いや、気のせいか…』
『…しっかりしろ…ラウール…』
『…す…すみません…』
『….これ終わったら先に休め…』
『…しかし…』
『…いいから…』
『…ツワモノよ…』
『…見て!..あそこ!…』
『…ん?…何だ…』
『…ドンキよ!…』
『…リタ…拡大だ…』
『…了解…ほら…羽ばたいてるわ…』
『…ち…小せぇ…』
『….装甲騎兵なんて…そんなもんっすよ…』
『….羽ボロッボロじゃねぇか…焦げて傷だらけ…』
『….ミー(me:私)にはツワモノのペガサスに見えるぞ…』
『…誰もおめぇに聞いてねぇ…』
『…か…か…辛うじて…う…う…浮かんでる…』
『…ドンキは溶岩地帯を抜けるわ…結晶山B-2の影に入れる…』
『…ボルボーレ来ます!…ドンキまで13秒...』
『…そうよ…急いでドンキ!…』
『…ロスター!…ティラーソーン射撃用意!..少しでも遅らせる…』
『…了解…』
『…666km…すげぇ速度だ…』
『…歩調とまるで合ってない…まるでリニアだ…』
『…あぁ…あ…あんなのに…ぶ…ぶ…ぶつかったら…ド…ド….ドンキは…』
『…ティラーソーン全弾命中ずら…ボルボーレ頭部に全弾ずら…』
『…ボルボーレ加速中…減速しません…ダメージありません…』
『…周回軌道外郭へ…』
『…ちょっと皆んな…軌道変えるわよ!…』
『…しめた!…ドンキが気づいたぞ…』
『…ドンキ降下中…B-2の…え!?…』
『…ま…ま..前に…?..び…B-2の前にお…お…降りた?…』
『…何やってんだ…汗…』
『…ドンキ着地!…G-8へ..結晶山G-8方面へ向かってます…速度305km…ほぼアページの最高速度…』
『…何考えてんだ….汗』
『…無茶しやがって…』
『…ツワモノよ…』
『…直ぐに追いつかれるわ…』
『…ボルボーレ加速中!…ドンキの方向です…』
『…2分で追いつかれるわ!汗…』
『…ど…ど…ドンキ速度低下…じ…時速220km…ボルボーレ距離1000…じ…15秒…ドンキ…速度…さ…更に..て..て…低下170km…アページ限界だよ…寧ろ走れることが..き…き…奇跡だよ…』
『…ドンキももう限界を超えてるわ…バイタルが…』
『…あぁっ!ドンキがクワント•ポール展開!…』
『…クワント•ポール?…』
『…な…何する気だ!?…』
『..あぁぁ…ボルボーレ…ドンキに接近!…』
『…ヒールターンだ…』
『…ヒールターンすか?ジャミーの?…』
『…ファイヤーフォックス分隊の得意技やで…知らんのか?ミーは知ってたぞ…』
『…そうなのか?汗…』
『…ポールに騎馬ごと体重を乗せてターンするのよ…とても危ない技よ…』
『…ファイヤーフォックス隊はヒールターンで全国制覇をしたんよ…おまえ知らんの?ミーは…』
『…ミーミーうるせぇ!お前はニャンコか?…』
『…ドンキの装甲割れてます!..危険ですよ!即死です!辞めさせないと…』
『…ヘザー…プリマスで知らせろ!…』
『…間に合わないわ…汗…』
『…そもそも…あのターンは元々はドンキホーテが編み出したものだ…』
『…マジっすか!?…』
『…むむ?それはミーも知らん…ロベルトは博識…』
『…奴の個人タイトルはまぐれでは…』
『…ボルボーレ…ドンキに接触!3..2…キャアアアアアア!ど…ドンキーーっ!…』
『…ドンキーーーーー!…』
『…ドンキーーーー!…』
…ゴッ….
『…ボルボーレB-2に激突!…』
….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
『…結晶山!B-2崩れます!…』
『…山崩れが!…』
『…土砂に巻き込まれたか!?…』
『…メインモニター!B-2に切り替えろ…』
『…何か動いてる…走って来るぞ…』
『…見ろ!ドンキだ!…』
『…ドンキだ!…』
『…やったわ!…』
『…山崩れに飲まれる…』
『…ぎ…ぎゃ…逆方向に…は…は..走ってるよ!?…』
『…あれがヒールターンだ…装甲騎兵の…』
『…音に聞けー!近くば寄って目にも見よー!やぁやぁ!我こそはー!ハイドラ首長国連邦ーー!…』
『…何で名乗りを…』
『…お…おい!ドンキのパスタップだ!通信できるか?ヘザー…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…ひっ…汗…』
『…うぅわっ…』
『…生きてやがる…山の下敷きになったのに…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…す…す…凄まじい音量…』
『…ブチ切れてるぜ…』
『…あのままだ…ダメージ受けてない…ドンキの攻撃以降変わってない…』
『…艦長!ファザス展開お願いします…マッハで!…高速で岩が飛んで来るわ。…』
『…ラウール!…』
『…はい!…』
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
『…ひぇ…岩が吹き飛んどる…』
『…すげぇパワーだぜ…』
『…気をつけて…この数…交わしきれない….耐ショック体勢…お願い!…』
『…すげぇ貫禄…』
『…何か言った!?怒…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…めちゃくちゃキレてるぜ?…』
『…どっちが?…』
『…あん?怒…』
『…ドンキの名乗りが嫌いみたい…』
『…ぼ..ぼ..ボルボーレ…う…動くよ!…』
『…コースが湾曲してる…速度400…ダメージがあるみたい!…効いてるみたい。…』
『…いや…加速する!重力計もまた軽くなってる…』
『…あいつの身体どう言う仕組みだ?…』
『…ボルボーレ加速!進行方向にドンキ!…』
『…と…と…トルカカから…は…は..は離れようとしてる…ドドドンキは…トッ..トルカカからととと遠ざけようとしてる!…』
『…え?!…本当だわ……距離が9000に開いてる…』
『…そう言えば…ボルボーレがトルカカとドンキを迷うことが無くなった…』
『…音に聞…近くば寄って目にも見…やぁ…我こそ…ハイドラ…首長….ハイドラ陸軍…第7…..第…』
『…声が枯れてるわ…もう声になってない…』
『…でもボルボーレには届いてる…』
『…あいつ…ただのボケなんかじゃないぜ…宇宙一最高の大ボケだぜ…泣…』
『…さすが我が友…ツワモノよ…泣…』
『…見て…ドンキ…ドンキホーテの甲殻装甲から..血が…』
….ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…
『…ぼ…ボルボーレ…か..か…加速..じ…じ…時速700km…』
『…ロベルト…ドンキへの補給をカリギュラで演算…我々がその間奴を引き寄せる…ヘザー…ドンキにプリマスで伝令を!…』
『…分かりました!…』
『…了解!…』
『…ドンキ、アページ時速260km…追いつかれる…ど…ど…どこに向かってる…』
『…次やったらドンキ持ちませんよ!今度こそ即死だ!…』
『…おまえ…さっきもそう言ってたぞ?…』
『…ミーの友を信頼せよ…奴はやる…』
『…しかし…もう装甲が持たない…破損したアルマタイトではあの速度の590kgの重さ…ドンキの身体ごと吹き飛びますよ!…』
『…そうだ…ラウールの言う通りだ…次はないよ…』
『…辞めさせる?…どうやって…』
『…バイタルも大分下がってる…生きてるのが不思議なくらいだ…』
『…ラウール…任せるしかない…通常の騎兵なら熱で蒸発してる…今のドンキには3聖獣の力が宿っている…』
『…ドンキ!婉曲して今度はDE-11に向かってるわ!…』
『…あっちも袋小路だぞ!…』
『…はっ!汗…ど…ど…ドンキがまたクワント•ポール展開!…』
『…何!?…』
『…転回っても…180度?無茶やろ……』
『…それしかないです!…』
『…トルカカに…ボルボーレが気づいてしまう…』
『…いかん…ドンキは方向が分からなくなっている….ヘザー!プリマス!…』
『…はい!…』
『…ドンキが!ドンキが!…』
….ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド….
『…はっ!ぶつかる!ドンキ!ぶつかる!キャアアアアアアアアアーーーーー…』
『…おぉぉ…』
『…いや!見ろドンキが!…』
『…ターンした!…』
『…やりやがった!またヒールターンしやがった!…』
『…ボルボーレ結晶山DE-11に激突します!…』
『…避けようとしてる…』
『…無理だ!…』
『…回避不能!ボルボーレ!DE-11に激突します!…』
….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
『…来たぞ!…』
『…結晶山!DE-11崩れて行きます!…』
『…ボルボーレがめり込んでいくぞ!…』
『…や..山よ…お前は一体何千兆トンあるのだ…ボルボーレは…なぜ潰れないのだ?…』
『…知らんがなそんなこと…』
『…見ろ!ドンキがもう一度ターンした!…』
『…華麗な技…』
『…ほ…ほ…ホントだ…..こ…こ…今度は…な…な…南南西150度転進…し…し…針路南南西150度回頭…』
『…ドンキの胸に!右胸に何か刺さってるわ!…』
『…ポールの…クワント•ポールの柄が!…』
『…あぁ…ぁ…ドンキバイタル20切りました!…』
『…ちょ…ちょっと…血だらけよ…』
『…身体が曲がってる…泣…』
『…アページ…いや..エリザベス爆走中…エリザベスの脚も曲がってる…人工骨が出ちゃってるよ!…』
『…エリザベス時速425km…さ、最高速…アページの最高記録です…』
『…ドンキが血を吐いてるわ…もう見てられない…』
『…沈黙してる!ボルボーレが!おい!やったか!やったかもしれんぞ!…』
『…まさか?…』
『…また来るわよ!ファザスお願い!…』
『…待て!分からんだろうが…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…うわっ!…』
『…ひっ…』
『…ほらね…甘いわよ…』
『…来たぞ..ボルボーレバイタル…68…でも下がってる!ボルボーレがダメージ受けてます…』
『…68?!…す…すげぇ…あからさまに下がってる…』
『…キャアアアアアアアアアーーーーー…』
『…なんなの?……』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…何ちゅう咆哮…』
『…ん?どっちが?…』
『…あん?怒…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…さっきより激しいわ…壊れた山ごと吹き飛ばして来る…』
『…可愛くねぇ犬だ…こりゃ離れなきゃダメだ…ブルブルが来るぞ!…』
『…ねぇ!165,273に退避します…そこからドンキが補足出来る場所へ巡航するわ!…』
『…了解…』
『…ぼ…ぼ…ボルボーレが…だ…だ..段..々…ぶ..物理の法則…慣性のほ…法則を…う…う..う..受けてる…』
『…確かに…物理の法則に逆らえなくなってる…もしかしたらドンキが勝つかもしれない…』
『…ボルボーレ…ドンキを見失ってます…』
『…お…音に聞け…ち…近くば寄って….寄って…目にも….見よ…..やぁ….やぁ…我こそ….ハイドラ…首長国….ハイドラ陸…第7…師団….第52装甲騎兵…..騎兵陸士…タンジア…タン…タンジア…の州…ハナイヌア…ボビ村にぃ……せ…ゴホッ…ゲホッ…生を受け…..グェッ…父…知らずーー…母も逝きーー…だがぁ〜…字はソウイチ…名は..ドンキホーテと申す……う…腕…覚え…怪物…ボルボーレ……我と…ゲェッ..ゴホッ…手合わせを願う….いざ尋常に..勝負…勝負……』
『…全力で…叫んでるぜ…泣..無い力振り絞ってよ…』
『…正に…ツワモノの魂の叫びよ…』
『…ドンキ…何て勇敢なの…泣..今まで..ごめんなさい…』
『…ボルボーレがドンキに追従…速度333km。距離2100…』
『…大分速度が落ちた…』
『…あんなデケェの相手に一歩も引かねぇ…あんな事できるか?…』
『…全身全霊でぶつかってるわ…』
『…ツワモノよ…』
『…ドンキに頼るしかないのか…ラウール…さっきのは?防御翼は?タイクーダイは?…』
『…さっきは捕捉したと思ったのですが……』
『…どど…ドンキcv-23に向かってる!今度はじ…ジーンとササーンのいる場所に…』
『…彼等はどのくらい回復してる!?…』
『…ラムダ18が音信不通なので分かりませんが….断絶前に動けるラキティカを数体確認しています…』
『…今のボルボーレならもしかしたら…』
『…巡航軌道に戻ります…被弾1…小さい岩盤よ….損害なし……』
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
『…ダメだ…ドンキ追いつかれます…』
『…何?…』
『…ドンキの速度が100kmを越えません…』
『…あと…30秒…』
『…なんだ!?…』
『…見ろ!…』
『…ボルボーレが前脚を上げて….…』
『…ボルボーレ高エネルギー反応!前脚にエネルギーを集中させてます!…』
『…さっきの奴…間穴線を前脚に…』
『…う、嘘だろ……』
『…ボルボーレ加速します!前脚を上げたまま…350…400…お…追いつかれる…』
『…ドンキ!ドンキ!…』
『…ボルボーレ!エネルギー量703億カルーデラ…』
『…703..?億?…』
『…え……』
『…そんな……』
『…ひとたまりもねぇ…』
『…艦長!緊急離脱する!イーシャス!Ee375まで戻る!フルスロ!手伝ってくれ!…』
『…了解よ…』
『…ナイジェル!ドンキをこのまま捕捉…』
『…り…了解…パ..パ..パスタップを..か…カナイヒャクに移管する…ひ…ひ…100匹くらい生きてるよ…18のバラ撒いたやつが…』
『…ボルボーレ…ドンキまであと700…』
『…前脚を着くぞ!…』
『…まさか!…』
『…ヒィィ…』
『…あぁ…ぁ…』
『…そ…そんなのありかよ……』
…ッ….
…ッッ…
…
….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…
『…ヒィィッ…』
『…うぅ…』
『…ぐわっ…』
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…フルスロットル!全速離脱!…』
『…やってます!…』
『…爆風に巻き込まれるっ!…』
『……ウッ…』
『……クッ…不意打ち…』
『……グハッ…ラムダですら…全速回避..…』
『……ドンキ……』
『…だ..だ…だ….ダメだ…..土煙が…カナイヒャクの背丈じゃ…』
『…..バイタルは取れるだろ…』
『…バイタル…は…は…反応が..な…な…無い…』
『…えぇ…』
『…おい!チー牛オタク!ちゃんと調べろ!…』
『…く…く…暗く…く…苦しい…』
『…止めろガレス!ナイがまた寝込んだらどうする!…』
『…待ってボルボーレも反応が無いわ!…』
『…おい…ボルボーレ!バイタル20…バイタル10…バイタル3…や…や…やったかもしれない…』
『…あれだけの爆発….あの割れた甲殻で無事な訳な….…』
….
..
『…!?…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
『…ひっ…』
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
…TRRRRRRRRRRRRRRRRRRRTRRRRRTRRRRRRRRRRRRTRRRRRRRRR….
….ドゥンドゥンドドドド…ドゥンドゥンドドドド…
『…バイタル50…バイタル80…バイタル98…ボルボーレ生きてます。…』




