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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
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ダヌアの空に159 / ドンキ編20

… ドゥンドゥン…ドドドド…ドゥンドゥン…ドドドド…


これ、何の音や…ホンマに…。


飛沫が飛び散る。


灼熱に溶けてぬかるんだ大地の。


あいつの出す爆音に。


ごっつい振動や。


この地獄のリズムに合わせて、300mの巨体が揺れる。


何やこの踊り…シュールを超えとる..汗。


そしてこの、赤い光を放つ、黒い大地のうねり。


ラプロスと奴の熱線の応酬で、大地はドロドロや。


溶けて光る大地に、佇む怪物。


ここは何や?。


地獄よりも恐ろしい場所なんちゃうか?。汗


鬼が実在しても、あれには手も足も出ん。


何億匹かかったとしても…。


…TRRRRRRRRRRRRTRRRRRTRRRRRTRRRRRRRRRRR….


「うわあぁっ!汗…ま、ま、眩しい….」


全身が虹色の…。


何ちゅう光や…。


目が眩む…あ、無いんやった。


ラプロスにやったんやった…汗。


…TRRRRRRRRRRRRTRRRRRTRRTRR….


…ま、またや!汗。


「まるで地獄のネオン街やー!」


我ながら上手い例え。


そう思わんか?。


流石ワイ。


….ブルルル…


「エリザベス…汗」


脚の弱ったエリザベスには、辛い状況や。


滑るし、踏ん張りが効かん。


そんな中で、500kmで走るんは、至難の技や。


それだけアページは優れた装甲馬や。


しかし、蒸発せぇへんのは、この薄い黒い膜が、イモーランが、エリザベスごと、ワイを包み込んでくれてるからや。


ワイは、エネリウム線の飛来に際して、イモーランの名前を呼んだ。


ボルボーレのエネリウム線に、イモーランは耐えきれんと思たからや。


奴らには、お役目がある。


大変なお役目が。


この星の全てを解放すると言うお役目…。


それには強敵を倒さなアカン。


犠牲にはできん。


時空が捻じ曲がってまぅ。


2度と平穏は訪れへん。


ここが魔界になる。


ボルボーレは下っ端と言うことや。


トロイは言うとった。


次の戦いで、空人(ソラト)に負けたら、地上は完全に悪神の支配下に落ちる。


イモーランは、エネリウム線では消えなかった。


守護球にも完全には戻ってない。


言葉も意思も感じられないが、こうしてワイを護ってくれとる。


ワイの名前の呼び方が悪かったんかもしれん。


でも、助かった…。泣


蒸発しとる。


エリザベスもワイも。


イモーランの助けがなければ…。


…グゥウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


「ひぃぃっ…泣」


まるで大型タンカーの汽笛。


いや、もっとえげつない音や。


ボルボーレが咆哮が轟く。


確実にワイに反応しとる。


このちっぽけなワイに。


山よりもでかいのが。


覚悟も把握もしとる。


どんな化け物かも。


騎兵隊で最初に教わること。


恐怖の全ては未知から来ると。


知れば、見れば、恐怖は消えると。


桁外れの暴力は恐怖を麻痺させ正気を呼び起こすと…。


そんなんはデタラメ。


こいつのあらゆることがトラウマや。


感情が死に、絶望と、緊迫が、心を逃さへん。


髪の毛の一本たりとも。


ワイの自慢のソバージュの…。

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