ダヌアの空に148 / ドンキ編9
赤土の壁。
流れが段々と早よなる。
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…
羽音が、洞穴の壁に反響して、揺さぶって来る。
ワイの頭ごと。
『…シ..ン..バ..23 ..左舷…後方…..展…開…』
耳おかしなりそうや…汗。
ラプロスの右後ろ脚の2本の鉤爪にワイとエリザベスは乗っかとっとる。
まるでクレーン車や。
銀色の鉤爪。
直径2mほどでホンマにゴツい。
巨大サボテンみたいにゴツゴツしとる。
『…結…晶..山…67….背面….退避….』
上昇するにつれ、ラプロスの隙間から見える空。
デカなって行く。
吹き荒れる風、激しい振動、強いG。
爪が硬すぎて時々蹄が滑る。
命懸けの絶叫マシンや。
加速しながらラプロスもデカなって行きおる。
早よ上がらんと洞穴から出られんくなる。
ホンマに。
信じられん。
ごつなって複雑にリアルになって行く。
傷も重厚さも汚れも荒々しさも。
鋼鉄の巨大な生き物。
幻覚にしてはリアルや。
大きな羽根の細かい振動。
この動きは戦闘機や戦艦とはちゃう。
虫とも鳥ともちゃう。
『….トラ…イセ..ッ…プス33….ラム…13…指示…..再度…攻撃…』
ほんでこのパワー。
途轍も無い。
目下の洞窟は爆風で何もかも、わやくちゃや。
鍾乳洞も岩も土も地下水も。
もし本気で羽ばたいたら消し飛んでまう。
何もかも。
ワイは旗艦レバンナにも乗ったことがある。
あれは凄かった。
でも、これは比べ物にならん。
桁外れや….。
正に神の力や…。
ほ…ホンマに天空の神や….。汗
…ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド………………..
!?汗
お..音が消えた…。
…
..スゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
ち、地上に出た…。
ラプロスがゆっくりと羽ばたき上昇して行く。
ま..眩しい…。
朝日が丁度…差し込む。
『….こち…ジグ…ス4…未確…飛行…体….補足….』
変化暗号通信機が隊の通信を拾いおる。
流石ジグルスや…。
もう捕捉しとる…。
無限のゾーグ平原の赤土。
遠くまで見渡せる。
彼方まで。
朝日が一気に明るく染め上げる。
ええ気持ちや。
綺麗や。
不謹慎やけど。
『….識…別….不….能….識….不能….』
それでもほんの一部分や。
平原はそれほど広大や。
いや広大言うレベルちゃう。
『…..ラム…13….ラ….ダ13….緊….事…発生….未..確飛行….体…足….ラ………3へ…』
…ドーーーーーーン…..ドーーーーーーーーーーーーーーーン..
….ドドドド…ドドドドドドドド…
「ぁ…..!汗」
ら、ラプロスが翼をまた広げた!。汗
折りたたんどったんかいな…。
羽根を広げただけで空を上昇しおる。
….ビュウウオォウウーーーーー…
突風にさらわれそうや。
途轍も無くデカい銀のグライダー。
朝日を弾き返しながら飛んどる。優雅に。
『….ラフ….ィ..キ…全隊オール…』
遥か下の赤土の地面。
大きな大きな影が通り過ぎる。
雲のような大きな影。
アルガードがまるで米粒や。
『….何…?!….き…巨大….艦…影..空…300….』
綺麗や…。
「今、ドンキが見ている景色は、超視力の世界。犬神 やあたし達と同じ。人間の視力以上のものが見える」
トロイの声でイモーランが話しかける。
なるほど…色はこんな複雑で光はぎょうさん情報を持ってた訳や。
ワシは、目をラプロスにやってから身体全身で光を感じるようになった。
景色を感じるようになった。
「そもそも肉体は全体で電磁波を感じるものなのよ。生死に関わるからね。目は電磁波の解析と映像化に特化する器官として、あなた達の脳の近くに作られたの。そして、あなた達生き物の視力は、私達のものとは違い、DNAに刻まれた莫大な視覚データの集積結果なのよ。」
ん?何て…?汗。
ゾーグ平原が広いことは分かる。
どこを見てもどこまで見ても荒野。
そして、今のワシには全部見渡せる。
『…ナイジェル…ねぇ…汗…何かしらあれ….ジグルス4..から…も入電して…る…』
変化暗号通信機がラムダ13の音を受信しおる。
『…んん?…な…な…何かって?..』
『….ほら.あれ…光ってる…かなり..大き…いわ…』
『…ひ..光?….ら..ら…乱反射だよ…何も映ってない….』
え?汗。
見えてへんのか?。
ラプロスの軌道の内側、銀色の平たいカメムシが浮かんどる。
長い長い触覚をぎょうさん出しながら。
ラプロスと比べたらホンマにカメムシサイズや。
風になびくあの触覚はレーダーや。
先端が赤や青、黄色に光ってる。
朝でもめちゃ綺麗や。
アルマダイ推進器が、テールランプにも見える。
まるで車高の低いスポーツカー。
止まって見えるんは、ラプロスが、めっちゃ早いからや。
『….確かにレーダーには…でも何の?….』
あかん。
これはラプロスやと伝えんと…汗。
…ブゥゥウォ…
…ビュウウオォウウーーーーー…
風が激しなって来た。
ラプロスの爪の間からめちゃ強い突風が吹き込む。
4〜500mでも、めちゃ高い。
落ちたら一貫の終わりや。
脚すくむわ…。
エリザベスの。笑
ラプロスは朝日を背にまた旋回始めた。
ちょっと傾いただけやのに凄い風圧…。
落ちそうや…汗。
『….三..方…向….展….開…』
『…んん?!…ん!…あぁ!汗….リタ!そう..だね!その通りだ….汗…な..な…なんだ…こ..これ…こ…このし…し…質量…ちょっと!…ロベルトこれ!…』
どうやらラプロスの姿は見えてへんらしい。
『…分かってる…光だけじゃない…風もだ…凄いことになってる…』
『…各艦の間隔を..調整する…ロスター…カリギュラ13へ連携…』
第1太陽グラディアの光。
ラプロスがようけ反射しおる。
『…ほーい…おーーーい……航空隊…全隊…の野郎どもーー?…13(サーティーン)より…航空…隊….全隊へ…..コントロールをカリギュラ13へ…さっさと移管しな…繰り返すぜ…コントロール….カリ…ギュラ13にとっとと移管しやがれ….野郎ども…どうぞ?…』
『…ザケんな!…ちゃん..とやれ!…』
『…るせぇ!..パニクらないようにワザとやってんだろ!..黙ってろクソハゲ!…』
ん?
『…てめ…チーフの俺様に向かって…クソハゲだ?ざけんな!…ボケ面のミルク飲みダッチワイフが!怒…』
何か揉めとる…。汗
『…アぁん?怒…ダッチワイフ?このド..変態極道ハチマキ…』
ん?
『….やめなさい!…面白合戦やってる場合じゃないのよっ!怒…』
『…あ…?汗…何?…面白…?…』
『…い…いや喧嘩なんだが…汗…』
んん…?。
….KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKkkkkkkIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEEEEEEEEEEeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー….
「わわ…汗」
ら、ラプロスの咆哮や…汗。
びびったぁ…汗。
心臓飛び出すか思た。
あ…無いんやった。汗
『…何だ?…今のは…』
『…凄い..音圧…』
『…あ…汗…言語解析機が反応しています…』
「ラプロスやでこれは!」
『…げ、げ、言語解析?…え!?..汗…い、い、い、生き物?…』
聞こえてへんのか?。
『…まさか…生き物ならレーダーに映るわよ…』
やっぱり。
調子悪いんか?ワシのパスタップ。
『…で、解析機は何と?ヘザー…』
「ラプロスやぞー?それ!」
「ドンキ!変な事やって落ちないでよ?」
「変な事ってなんやねん。怒」
「その両手。何で口にくっつけてんのよ?ちゃんと捕まっててよ?墜ちないでよ?」
…ブゥゥウォ…
…ビュウウオォウウーーーーー…
「墜ちへんわ!」
…ゴゴ…ゴ…
「ひいぃっ…汗」
「ほら!」
『…高度な..言語では…ありません…ただ..強い攻撃的な意思を含んでいます…』
あかん。
全然聞こえてへんわ。
『…て、て、てことは…や、や、やっぱ、い、生き物か?…』
どないなってんねん。
『…重過ぎる…あんな..重いもの..生き物のワケがない…』
『…ラプロス…だったりしてなぁ…笑…』
せやから、そうなんやて!。
『…な訳あるか!…アホ黒人…』
『…んだと?怒…この全身モアイ!….黙ってろ!…』
….ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーーーーーー…
また向きを変えた。
段々と方向転換がスムーズになりおる。
ラプロスは慣らし運転しとるんや。
多分。
しかし、凄まじいGや…汗。
振り落とされんようにせんと。
《….うひひひ…天空の神が騎兵を掴んでおる…うひひ…あの凶暴な輩が….どうしたことじゃ…》
『…だってよ…笑..ジェイ•ディー..がそう..言ってるぜ?…』
ワシも言うたがな。
『…クソが…呼び捨てにするな…大神官様だぞ..』
『…貴様ら!…少しは…黙ってろ!…』
『…うへ!汗…』
『…さ..さーせん。汗…』
…..。
「ドンキ!こっちに集中よ!」
「分かっとる」
《…はて…奇跡じゃ…あの気性の荒いラプロスが…》
『…艦長…あの光ラプロスですよ…』
『…ラプロス…….にわかには信じられん…』
《…うひひひ…気に入ったのじゃろうか…あのブサイクな騎兵が…うひひ…》
誰がブサイクやねん。
失礼な。
《…しかし…なんじゃ…先程から….この凄まじい妖力は…神帝を完全に封殺しておる…》
ん…妖力?。
《…うひひ…あれを見よ…あの騎兵の肩…うひ...》
ワシの?。
『…騎兵?…騎兵って言ってるぜ?…』
《…あ!..あれは…イ…イモーラン!?汗…. 奴が…なぜ騎兵の肩に…?…》
んん。?
《…うひひひ…何を企んでおるのか..汗…あの怪物めが…うひひ…》
怪物?汗。
….バタバタバタバタバタバタ….
…ブウウゥゥゥゥゥゥオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー….
焦った。汗
吹き飛ばされる所やった。
あの変な高い山に激突するとこやった。
地面がぐんぐんと流れて行く。
高度も大分上がった。
ゴンドラに乗って地上を見下ろしとる気分や。
山も沼地も一瞬や。
風が吹き荒れる。
髪が顔にへばりつく。
邪魔や…。
何で鼻に入るねん!。怒
「ドンキ。準備は良い?。地上まで滑空よ?」
脚がすくむ。
エリザベスの。w
頭部装甲のシールド閉めなあかんわ。
….ウィィーーーーーーーーー…ゥ..ゥ…
あかん。
壊れてもうてる。
ええわ。まぁ。
「いつでも行ける。離してくれ!」
遠くの青い空。
結晶山、ゆっくりと流れるゾーグの広大な大地。
多分これが見納めや。
「ラプロスから合図が来る。待ってて」
トロイの声は懐かしく温かい。
黒いゴム人形になってもうたけど。
そして、ワシは今、あの巨大な怪物を目の当たりにしとる。
...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...
ボルボーレの全身が虹色に光っとる…。
な、な、なんやこれ…汗。
『…見て!ボルボーレが反応してるわ!…』
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
ラプロスは構わず悠然と旋回する。
崖の横…。
あの銀色の。
動いとる?。
なんや?。
小さいの。
トルカカや!。
と、と、トルカカや!。汗
トルカカおった!。
坊やや!。
這って兵曹に近づいとる。
あかんやん!。
こんな近くにおったら!。汗
「おおーーーい!おおーーーーい!と、と、トルカ…」
….KKKKKKKKKKKKKKIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiYYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEEEeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー….
「ひいぃっ!汗」
な、な、な、何ちゅうデカい鳴き声や。汗
し、し、心臓飛び出すわ。汗
あ、汗。
無いんやった。心臓。
『…姿は..見えませんが…やはり..居ると..考えた方が…』
『…備えた方が良さそうだな…ラウール…航空隊全体へ第1級戦闘配備…』
『…了解…』
咆哮が彼方でこだましとる。
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「くっ…汗」
ラプロスが加速する…。
凄いGや。汗
爆風が大地をめちゃめちゃに殴りつけとる。
ラプロスの起こす爆風が洞穴群を一気に崩落させた。
ラプロスはもうジーンよりデカなっとる。汗
この大きな羽ばたきが、大地を揺るがし、巨大な岩や土を吹き上げる。
まだまだ巨大化する。
!?
ラプロスが爪をゆっくりと伸ばす。汗
「ドンキ!今よ!」
イモーランの声と同時に。
ゴツいクレーンのアームのような爪。
銀の棘棘のゴツゴツの。
こんなデカい爪を見た事がない。
何かのパイプラインみたいや。
「よしゃ!行くで!エリザベス!」
….シュウウウウ…
….バッスウゥウーーーーーーン…
….バッスウゥウーーーーーーーーン…
エリザベスのスラスターが火ぃ吹いた。
今のエリザベスは火を噴くペガサスや。
大きな2つの羽を広げた。
風が吹き抜ける。
青い空と赤茶色の大地の間。
空は自由や。
飛ぶのはいつぶりやろか。
風は若干痛いが…。
…パタパタパタパタ…
か、髪がメガネに当たる…。
「うっとうしいわ!」
『…未確認の光..浮上して行くわ…物凄い速さよ…』
ラプロスはどこへ行くんや…。
イモーランは反応せえへん。
ただワイの肩に座っとるだけや。
「騎馬の脚は治したわ。」
これはトロイではない。
だが、イモーランの中で、トロイは生きとる。
…ウィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーンン…
エリザベスが羽根を更に広げる。
着陸時の旅客機みたいに。
浮力を得るためや。
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーゴゴゴゴゴゴ….
スラスターが逆噴射を始めた。
着陸や…。
正にペガサスやな。
ワイと言う王子も乗っとることやし。
なんて言ったりなんかしちゃったりして。笑
視界の計器が動き始める。
計器….ん?!。
見えるんや!?。
頭部装甲のシールドも!。
「人間に見えるものは全て見えるわ」
そうなんや…。
パスタップも反応しよる。
暑っ...頭の装甲開こ…。
…ガチャン..ガチャ…
皆驚くやろな。
ワイがトルカカやなんて…。笑
イモーランは、トロイの身体と引き換えに、ボルボーレを騙す力をくれた。
完全なる擬態。
もうワイはトルカカにしか見えんはずや。
『…装甲騎兵がいるぞ…識別コードを…』
ん?。
ラムダ13の音声や。
装甲騎兵?。
どこに?。
『…..お…い..見…あ..何..だ….』
ワシのパスタップが、小隊のチャンネルを拾っとる。
『…..何…ぁ…?降り…き…ぞ…何..か..…』
『…し?し…識別コード…と、ト…トルカカ…トルカカ!?…』
せやろ。
せれでええねん。
ワイはトルカカや。
『…そんなはずはない…しっかりしてくれ…』
『…ナイジェル..もう一度だ…』
『…い、いやぁ…と、と、トルカカです…トル、トルカカだとカリギュラが…か、こ、カリギュラ14も…ペルセアの、け、検証も….』
『…装甲…騎..兵……』
ん?。
『…ヘザー!混戦してるぞ!どうなってる?…』
『…わ…分かりません…今調べます…』
『…..…れ?見….事..あ…ぞ?..あ..の..ブサイク..…』
んん?
『…どう言うことだ…』
『…ナイジェル…一緒に見ようか?…』
『…ロベルト…私が見るわ….』
『…あぁ…頼む…』
『…トルカカは..あそこにいるわ…』
『…あ…..?….あれ……..ドン..キ……じゃね?…』
んんん…!?汗
ワシ、ホンマに有名やな…。
何でやろ。
『…..何…喋……..ぞ?…あの…ブサ…..ク…』
ふむふむ。
『……何….ドンキ………るの….し…?…汗…こ…ん…な時….…』
なるほど….。
普通にバレとる…。
ん?。
ん!?。汗
バレとる!?。汗
「て…ぎょええぇぇーーーーーー!汗。普通にバレとるやんけーーーーーーーーーーーーっ!。泣」
「あら?隠れてる。崖の下。あの陸用戦車の小隊が。危険だわ…汗」
「誤魔化すな!ゴルぁ!…てか…汗……お、お、お…おま…おま…カエルに戻っとんぞ?。汗」
〈狼狽えるな!ワシの呪術は完璧じゃ!怒。おまえがワシを蛙と呼んだらワシは….〉
〈ん?〉
〈ふむふむ…〉
〈ん?汗〉
〈んん?汗〉
〈ぎょええぇぇーーーーーー!汗〉
「ええぇーーーーーーーー!?汗」
〈す…すまん。手違いや…〉
「て、て、手違いて…汗..何してくれとんねん!汗」
〈やかましいわ!静かにしとけ!〉
「な、何とかしてくれ!汗。ハイドラの命運が!みんなの命がかかっとんねん。汗」
〈騒ぐな!ドアホ!トルカカやと10000回念じろ!思い込め!そのくらい強気で行け!あほんだら!〉
ん?…汗。
頭、真っ白なった。
今…何て?…汗。
あほん、だら?。
あほんだ、ら?。
ワシ何でアホ言われてんの?。
あ、ほんだら?。
ワシの目と心臓…。
いやいや…。
あほ、んだら?。
ドアホ?。
ワシがドアホなんか?。
…..。
…。
…ビローーーーーン…
「理不尽過ぎるやろがぃ!」
〈ひぃぃ…い、い、痛い!伸ばさんといてくれ…〉
「おまえの責任や!イモーラン!。怒」
〈すす…すまん…泣。まだ新しい身体に慣れてなくて…泣〉
「言い訳すな!怒」
『…ぼ、ボルボーレが、むむむ、む、向きを、か、か、かえ、変えてる…』
オタクのナイジェルの声や。
ラムダ13の。
やはりラプロスに耳やったからお陰でよう聞こえ…。
いやいや、耳はやってない。汗
『…光学..モニ..ー!…』
『…見て..!装甲騎兵の方を向いてる!…』
ん?
『…ひぇっ…何なの?汗..あの装甲騎兵は…』
『…ドンキさん..だわ!..旗を..背負…ってる!ハイドラ軍…の旗を…』
あ…..?ワイ?。
確かにドンキ…ですけど…何か?。汗
『…か、か、艦長…か、かか、拡大します!…』
『…いらん!。放っとけ…』
『…うへ!..は、は、は、はい…』
…やっぱ誤魔化せてないやんけ。汗
「ドンキ!」
完全なる失敗や…。汗
『…ボルボ..ーレ…プリズム…シー…ルド展.,開!…』
...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...
「ひいぃぃぃぃ!汗」
また、ボルボーレが反応しよる。
平原に佇む高層ビルが。
激しい光。
昼間のネオン…。
これが…?ぷ、ぷ、プリズムシールドや!汗
空で見たのと全然ちゃう。
激しくスパークしおる。
いや、スパークちゃう。
まるで高圧電流の爆発や。
爆発しおる。
ボルボーレの甲殻の上で、めちゃ爆発が起きてる。
虹色の強すぎる電気爆発。
あんなもん食ろうたら一巻の終わりや。
...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...
「ドンキっ!何ぼーっとしてんのっ!」
お…?。汗
またトロイに戻っとる…。
化けタヌキか…。こいつ。汗。
ややこし。
「引きつけて!」
...trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrrtrrrrrrrrrtrrrrrrrrrrrrrrrrr...
「ねぇ!ボルボーレを引き付けて!。奴さえ騙せりゃ良いのよ!」
へ?。汗
あ….汗。
「た、確かに…汗…」
….ドゥゥゥン…. ドゥゥゥン….ドドドド…ドゥゥゥンドゥゥゥン….ドドドドド…..
ボルボーレが亜空間に頭をぶつける音…。
空に山が激突しとる。汗
あいつが頭を振ると、亜空間が歪んで爆発しよる。
….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…ドドドドドドドドドドドドドドド…
!?
ん!?汗
げげ!汗
…お…わわわ..わわわわぁぁぁ…汗。
「ちょっと!ボルボーレがトルカカを見てる!」
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
地震や…。
地面が波うっとる。
あぁ…ぁ…あ。
ぼ、ボルボーレが動き始めた。
山脈が加速しおる。
な、な、な、何ちゅうド迫力…。汗
家みたいなデカい岩がぎょうさん噴き上がっとる。
…ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…
また向きを変えとる。汗
土砂を噴き上げてゆっくりと。
巨大な掃除機や…..汗。
何ちゅうデカさ…。
….グウゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
み、耳が…汗
無いんやった…。
いやあるある。
んん?汗。
わ、わ、わ、ワシを見とる?汗…気がする。
いや、そんなはずはない。
「ちょっと!ドンキ何やってんのよ!」
気のせいや…気のせい。
めっちゃビビる。
めっちゃビビるやわ。
こ、こ、怖っ…。
怖っ!…。汗
「向き変えちゃうわよ!早く!早く!汗」
….グウゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
ほ、ほ、吠えた…泣。
「ひいいぃぃぃえええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーいい!汗」
「何やってんの!早く引きつけて!汗」
鼓膜破れるぅぅ….泣
遠くで反響しとる。
怖い!。
こ、こ、怖過ぎる….泣。
もう帰りたい。
こんなん生身でよう立ち向うたな?…トルカカ。
….グウゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ….
「ひいいぃぃぃーーーーーーーーーーーー!汗」
「はー!やー!く!ボルボーレが!トルカカを見てんのよ!怒」
『…まずいぞ!…トルカカに気づいたかもしれない…』
『…ヘザー…トルカカに回線を…ロベルト…あの騎兵に注意..を向け..られ..ないか?…』
『…お…ぉい…ドンキが何か…叫んでるぞ?…』
『…また何か…召喚してんぞ?…』
『…ただの悲鳴よ…』
…ガンッ!…
「痛!泣」
「なーにやってんのよーーーぅ!早ぁやく!引きつけなさいよーぅ!怒」
頭突きしおった。汗
トロイが。
あ!?汗。
トルカカの方を向いとる。
ボルボーレが!。
こりゃあかん。汗
「…お、お、おお…おおお…お、音に」
「早く!は!や!く!ー!汗。」
【…ぁやぁ!我こそは〜!ハイドラ首長国連邦〜〜!ハイドラ陸軍 第7師団〜!第52装甲騎兵団〜!装甲騎兵陸士長〜!…】
「な….…汗…何言ってんのあんた…汗」
『…集音器が…あいつの声だ…』
『…ど…ドンキの声を拾ってる…ドンキホーテの声をパスタップが…全軍オールが拾っています…』
『…な…..何で?….』
【…タンジアの州〜ハナイヌア♪ ボビ村に生を受け〜〜父は知らずーー♪母も知らずーー♪だがぁ〜字はソウイチ!名はドンキホーテと申すものなり〜〜!腕覚えの怪物ボルボーレよ〜〜!我と手合わせを願うー!いざ尋常に勝負!勝負〜〜!…】
『…何言ってんのかしら…ドンキさんたら…汗…』
『…何で..名乗り…上げてん..の?汗…』
『…イーシャス…こっちに集中だ…気流が..荒れて..る…』
…す、凄い…説….
ワシの声がパスタップで全軍に流れとる…説。
空の拡声器、全部鳴っとる…説。
『….む、む、向きを、か、変えた…騎兵に、む、向きを….』
リタ
『…動き..始めた..わ!…』
ロベルト
『…ドンキ…に向かっ..てる..ぞ!…』
…ドドドドドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴ…
山脈が迫って来る…汗。
「来たわ!あの山の後ろよ!ドンキ」
あ、あれか!汗
南東1.2kmに結晶山が。
「り..了解やで!….説」
「なに…汗。またやるの?それ….説」
間に合うか…。
…ドドドドドドドドドドドドドドドドゴゴゴゴゴゴ…
『…お、おい….汗…な…何だあれ…』
『…何だ?…』
『…い、いや…ちょ、ちょ、ちょっと、ま、待って!…』
『…え?…』
『…に、に、2時の方向、ひ、ひ、飛行物体…き、巨大な飛行物体!ざざざ座標 34,226,17…デカい…汗…今度は見えるぞ!ど、ど、ど、どデカい!…』
『….あ…..あれが….ラプロス…な…….何たるデカさ…』
『…羽ばたいてる…ラプロスだ….戻って来やがった!…』
『…大きさ全然違うわ…汗…』
『…凄い速さだ…』
『…デカ過ぎる…』
『…おぉ…ん汗…10倍になってんぞ?汗…』
ほ…ホンマや….汗。
とんでもないデカさになっとる。
『…で、デケェ…う、嘘…ウソだろ?汗…』
太陽の光を焼けるほど反射しよる。
太陽が落ちた思うほどや。
胴体だけで、もうボルボーレよりデカい。
「ドンキ!鼻水!鼻水が出てる!」
『…ラ….ラプロス..から..高エネルギー…反応!汗…』
『….!?汗…ヘザー….全軍オール…ファザスだ…』
ヘザー
『…了解…』
『…な…….18圭飛んで4000万カルーデラ…な..な..何だこの桁外れなエネルギー量…』
『…急げヘザー!…』
『…こちらからコントロールします…』
『…ナイスよ!…』
『….来るぞ!汗…』
『…ま、ま、間に、あ、合わない!…』
『…キャアアアアァァァァァァァァァーーーーーー…』
『…やられる…』
…
..
…ッッ….
…ッ….
….
…
….ゴゴゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーゴゴーーーーーーーーーーーーーー…
『…ゥゥ…』
『…クッ…』
『…凄い…光…』
『…目が…目が焼ける…』
…
..
….
…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…
…
『…な、何ちゅう威力…』
『…離脱!離脱!..緊急!…』
あかん!汗。
ラムダ13がキリモミして墜ちよる。汗
あかん!。
墜落する!。汗
『……フラップアップ…trrrrtrrrrrr…フラップアップ…trrrrrrtrrrrr….』
『…艦首上げろ!…墜落するぞ!…』
メチャ噴射しとる…。
色んな所から…。
『…やってますわ!…何この重さ..』
よう喋れる…。
『…踏ん張れ!…』
か、回転止まった?汗。
『…チーフこそ!…』
体勢立て直した….。
もう普通に飛んどる。汗
しゅしゅごい…(鼻水)。
『…ぼ…..ボルボーレ…ボルボーレに、ち、ち、直撃…』
空に飛び散っとる。汗
あのボルボーレの….ボルボーレの甲殻が。
たったの一撃で….汗。
『…あっ!面舵です…』
『…了解!…』
【…全軍離脱!….全軍離脱!…陸隊は…結晶山の背後に…】
『…これは…ファザス..じゃ…防ぎ…きれない…』
『…か、艦長!…20km地点まで全軍を後退させましょう…』
『…トルカカをどうする?…』
『…我々か..ティゲルで回収を…』
『…来るぞ!爆風!…』
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…
『…キャァァーーー…』
『…ぼ、ボルボーレが後ずさった?…信じらんねぇ…』
『…す…すんげぇ…汗…』
【…全軍…耐衝….耐衝….全軍…】
『…なぜ…ラプロスが..ボルボ..ーレを?…』
『…ラプロス..は.我々の…味方..なの..か?…』
『…本艦も..ファザス..を展..開し…てい.,ます…』
『…衝撃..波…第2波..来ます…』
『…耐衝…用意…』
『…やっぱ…ドンキだ…ドンキが呼んだぞ…ラプロスを…』
ナイジェル
『…ど、ど、ど、ど、ドンキが?…ど、ど、ドンキが?…た、た、助けてくれた?…』
『…ドンキが…天空の神..ラプ..ロスを..召喚したぞ..』
『…やり…おる…ドンキ..っち…』
『….ウォーーー….頼むぞドンキ!…ウォーーー….ウォーーー….やっちまえ!ドンキ!…ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….やったぜ!…ウォーーー….ドンキ!..ウォーーー….頼んだわよ!ドンキ!ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….敵を取って!…ウォーーー….行け!ぶさメガネ!..ウォーーー….ドンキ!…ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ドンキ!ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….待ってました!…ウォーーー….ウォーーー….ドンキ!ボルボーレを倒して!……ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ドンキ! …ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー….ウォーーー…』




