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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
312/364

謀略24

…ケンタ…良い子にしてるんだぞ?…


…パーパー…パーパ…


…賢いわね…もうパパが分かるのね…



…ケンタ!危ない…


….キーーーーーーーーーーーーーーーー…


…ドンッ…


…パパ!パパ!…


…何だ今の?…


…何があった?…


…おい!あそこ見ろ!…


…パパ!パパ!パパ!…


…酷いなこれ…


…何でこんな事が出来る?1等市民は鬼か…


…シッ!モニターされるぞ!…



……



…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


うーん。


….ドーーーーーーーーン…


何?…この音…。


凄く揺れてる。



…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


…ドーーーーーーーーーーーーーン…



はっ!汗。


《…緊急速報…》


寝ちゃった…。


パンツが冷たい。


やっぱちょっとチビってる。


《…緊急速報…》


モンハン怖かった。


あ…..泣


あぁ…ぁ、、、姉ちゃん….泣


もう許してくれないかな…。


見捨てられたかも…。


え!?汗


時計…。


〈0:00〉


点滅してる….。


電気も消えてる。


お部屋が冷たい石みたい。


明るくて暖かいはずのお部屋が。


夜?。


もう夜?。


いっぱい寝ちゃったんだ…。


部屋の壁だけテレビになったまま。


テレビも壊れちゃったの?。


…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


「うわっ!」


まただ。


凄い音。


何この音。


背中をどつかれたみたいな。


お家がめちゃくちゃに揺れてる。


絶叫マシンより激しく。


…ガシャーーーーーーーーーーン…


…パリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


「うわああああああぁぁ!」


….


..




シャンデリアが落ちた..。


キッチンの。


何がぶつかってるの?汗


…パッ…


窓からオレンジ色の光。


….パパパッ…


眩しい!。


何の光?。汗


…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


…ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


怖いぃ…。


《…中央アトラ軍がネオジンムに侵攻…橙宝院エパールへ砲撃を開始しました…》


えぇ…。


中央アトラ軍が?。


な、何で?汗


橙宝院エパールを…。


窓の外…。


…タタタタタタ…


あっ!。


真っ黒な巨人達が囲んでる。


ビルより大きな怪人達。


待って?


あれ全部そう?!


えぇっ!


沢山いる。


学校のみんなより沢山。


後ろに1番大きな奴。


もの凄く大きい…。


サタンかもしれない。


あれはサタンなのかもしれない。


サタンは夜に来るってアニメで言ってた。


あれはサタンだ。


絶対に。


だって大きな鎌持ってるもの。


2つ釣り上がった目。


青く光ってる。


ヘッドライトみたいに。


あんなマッチョ見たことない。


他の怪人と比べてもダントツにデカいしゴツい。


ブルドーザーみたい。


アメフトのヘルメットみたいなゴリラ。


下から牙が生えてる。


カジキみたいな背ビレがある。


3列の。


青く光ってる。


やっぱりサタンだ。


絶対サタンだ。


でも….。


少しだけ…カッコいい…。


《…右将 デュランダル•レビンによる暴走と見られています…》


デュランザル…。


でも、大砲撃ってるのは橙宝院エパール


《…アトラ平和統治の象徴である橙宝院エパールを中央アトラユミル軍が砲撃を開始しました…》


橙宝院エパールから粒子の大砲が沢山出てる。


大砲があるなんて知らなかった。汗


《…臨時ニュースです…本日21:46 中央アトラ軍が橙宝院エパールに対し砲撃を開始しました…》


!?


あ…あれは….汗


黄金に光る巨人が沢山出てくる。


泰安陵の地面が開いてどんどん出てくる。


赤い服?着てる。


金色の槍を持って。


凄い数…。


怪人達より大きい。


黄金の骸骨みたいな巨人。


歴史の本に出てくるイビルそっくり。


ダーシー菩薩と最後に戦ったイビル達と。


何でイビルが橙宝院エパールから…。


《…右大将 デュランダル•レビン率いる中央アトラ ユミル軍が橙宝院エパールを包囲しています…》


…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ルデ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…デ..ュ…ラー….ン….ダ…ル…


怪人達が足踏みして何か叫んでる。


《…ジッタデアテンです…侵攻を開始するようです!…ジッタデアテンか聞こえます!…いよいよ本格的に侵略を開始するようです…アトラの伝統的な侵略行進曲…ジッタデアテンです…》


大きくて低い音。


洞穴のような声。


ここまで聞こえてる。


でも、みんなで声を出して、勇気を振り絞ってるみたい。


痛いの我慢してるみたい。


僕にはそう聞こえる。


だってイビルの方が強そう。


数だって多い。


何かを庇ってる?。


何を護ってるの?痛いの我慢して。


《…ユミル軍は他師団兵曹団を含むおよそ3万の兵力を投入していると見られます…》


あの怪人達は兵曹?。


ユミル軍の兵曹?。


3万…?。


どこに…。


僕でも数えられるのに…?。


《…対して、橙宝院エパール側は、自警システムおよび僧兵曹で応戦中…》


あれが僧兵!?。


骸骨が?。


嘘だ!。


あれはイビルだよ!。


…パパパッ…


….パパパパッ…


眩しい!。


沢山の光…。


窓から。


テレビの光と同じに。


イビル達が、光線を撃ってる。


粒子砲だ。


ネオジンムのビルや建物目掛けて。


居住区コンドミニアムにも。


壊れてる。


凄い火事。


….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


….ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


地面が鳴ってる。


この居住区コンドミニアムも揺れてる。


《…Live / Neo Jinmh : ご覧ください!ユミル軍はネオジンムの市街地を砲撃しています。民間施設への砲撃は国際法上許されない行為です…》


違うよ!。


撃ってるのは橙宝院エパールだよ!。


《…ユミル軍による侵攻は、アトラ北軍の動きとの関連があると見られています…》


寒い…。


エアコンも止まってる。


….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


うわあぁ。


ひいぃ。汗


…ドタ…


痛い。


コケた。


《…橙宝院エパールのラドラ大司祭は…このユミル軍の侵攻に対し..アトラ建国以来の叛逆との声明を明らかにしています…》


….あ..ぁ…あ…


今度は、橙宝院エパールが火事だ。


《…また、ラドラ大司祭はイズラバーン侵攻中のリン•ジェノス宰相及びスレーター•カーン左大将に対し救援要請を行ったとみられ…QSDE監査連合は、中央アトラ軍の分裂は避けられないものと見ています..》


こっち見てる…汗。


サタンが。


モンハンとは違う。


大きくてもっとリアル。


怖すぎる…。


でも…大砲撃ってるのは兵曹の方じゃない。


思ってたのと違う。


兵曹は守ってる。


ビルや建物…。


イビルに撃たれながら。


僕は何見てるの?。


【…5分で防衛シャッターが閉まります…居住民は退避区域まで退避してください…5分で防衛シャッターが閉まります…居住民は退避区域まで退避してください….】


警報だ。


【…繰り返します。5分で防衛シャッターが閉まります…居住民は退避区域まで退避してください…5分で防衛シャッターが閉まります…居住民は退避区域まで退避してください….】


え?。汗


防衛シャッター?。


ど、ど、どうしよ。


装甲が一度閉まったら警報が終わるまで開かない。


空気も水道も電気も止まっちゃう。


僕が残ってるのに…。


たいひくいきって…。


出なきゃ。


とにかく出なきゃ。


居住区コンドミニアムを。


直ぐに。


…..タタタタタ…


あっ!。汗


マーツマンのフィギュア!。


お部屋に。


…..タタタタタ…


….ウーーーーーーーーーーーン…


マーツマン…。


どこ?。


どこ!?。


ベッドの所にも無い。


おもちゃ入れにも…。


ママ!どこに片付けた!?


ど、どうしよ?。


どこ!?。


ベッドの下?。


無いよ!。


ママ!もぅ。


「どこに片付けたの?」


僕の宝箱…。


もぅ。ママ!。マーツマンどこに隠した?。


…..タタタタタ…


5分…。


ハッ!。汗


ドアが開かない….。


どうして?!。


ダメだ。


出られない…。


僕死ぬかもしれない。


ネオジンムはイザナミのお陰で快適に暮らせる。


イザナミからのエネルギーが切れたら、ここはただの鉄の箱になる。


僕死ぬかも。


《…Live / Neo Jinmh : ご覧ください!ダーシー菩薩を奉する橙宝院エパールの地下から…何かが運び出されています…何か大きなコンテナが運び出されています…金塊でしょうか…》


金塊?。


金ってこと?。


違うよ?。


運び出してるのは、檻に入ってる生き物。


白い小さな生き物。


色の違う生き物。


沢山の。


もの凄く沢山の。


《…確認ができました!金塊です!1兆トンの金塊…今、正に運び出されています….埋蔵..ユミル軍の目的はやはり橙宝院エパールの金塊の強奪です…》


でもテレビでは違う物運んでる。


金?を運んでる。


どっちがホント?。汗


兵曹達が庇ってるのは檻の中の生き物。


沢山、沢山、大砲を受けながら。


背中や顔、頭に…。


運ばれてるカゴを身体で護ってる。


何でやり返さないの?。


兵曹達が倒れて行く…。


あんなに沢山大砲ぶつけられたら…。


イビルやめてよ…。


神様の召使いが何で…。


あぁ…また、兵曹が倒れた。


《…1兆トンの金塊…今、正に運び出されています…》


あれは金じゃない。


動いてる。


カゴの中の生き物。


…まさか…。


まさか…。


【…防衛シャッターが閉鎖済み、防衛シャッターが閉鎖済み…防御シールド展開開始前500秒前….】


もうダメだ…。


僕はダメだ。


ママ、姉ちゃん。


僕、家族じゃなかったんだね。泣


….ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


….ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


どうしよ…。泣


もう一度ママに会いたい。


姉ちゃんに会いたい。


ペットでも良いから。


クローンでも良いから。


ユリママにも。


ユウマにも。


《…近年、アトラ ユミル隊による度重なる侵攻に対して…ペリア•エカシー アトラ統合議長代行は、人道上許されない反逆行為としてデュランダル•レビン右将に対し、制裁宣言を発動する模様です…》


あ….。汗


サタンがこっちを見てる?。


1番大きな…。


僕小さいから見えてないよね…。


あんなに遠いんだもん。


…ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


え…こ、こっち来る?。


こっち歩いて来るぅ…泣。


でもここじゃないよね。


他の高層ビルか居住区コンドミニアムだよね?。


僕のとこじゃないよね。


隠れよう。


《…また、ペリア•エカシー議長代行はユミル隊の暴走は各軍による独立採算方式が問題と考えており、近く、軍部による採算方式を廃止する旨の決議を行うとの見方を示しました..》


ダメだ。


逃げられないもん。


見てない間にこっち来たら…。


怖いよ。


怖いよぅ。


え!?。


こっち来る?。


心臓が飛び出しそう。


あ..ぁ…ぁぅ。


怖くてう..動けない。


えっ!えっ!。


この居住区コンドミニアム?。


僕の所?。


ここ32階なのに…。


もっとちっちゃく見えたのに。


こ..ここ..こ壊すの…。


壊すの?僕の家…。


まだ僕がいるのに。


近づいて来る。


近づいて…。


この部屋じゃない…。


そんなことない。


だってこんなに沢山お家が…。


うわあ…泣


僕を見ている?。


うわああああ。汗


僕を見てる!。


怖い….


何で僕なの?。泣


食べても美味しくないよ?泣


僕悪いこと…悪いことちょっとだけだもん。泣


ママ…姉ちゃん..。


怖い….


ひょっとして閻魔様?。


た、助けて…。


姉ちゃん。


助けて。


大きな目..。


助けて。


光ってる。


怖いよ!


怖いよぉ…。


お姉ちゃん….。


あ。


いなくなった…。


橙宝院エパールが見える。


ひっ…。


覗いてる!。


食べないで!


食われる!。


目が合った..


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァーーーーーー!泣」


怖いよ怖いよ。


怖いよぉぉぉ。


「うわああああああああああああん!」


大きな目…。


めちゃデカいサタン。


指だけで窓が隠れる。


姉ちゃん…。


姉ちゃん助けて?。泣


..タ…..る…で…ょ!…


…ドン..ドン…


殺される。


食べるの?。


….ドン….ドン…ドン…ドン..


…ンタ…けて….ケン…


「あっち行って!あ、あ、あっち!うわああーーーーーーーーん!」


また見てる…


…ドン…..ドン….


怖いよぉ..。


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァーーーーーー!泣」


..ター!..開け..さい!ケン…!


…ドン..ドン…ドン…


!?


玄関叩く音。


….ンター!…ケンター!…ケンターー!…


姉ちゃん?。


姉ちゃん!?。


姉ちゃんだ!。


姉ちゃんが来てくれた!?。


「姉ちゃん!助けて!姉ちゃん!」


….ドンドンドンドン…


…ケンタ!いるの!ケンタ!返事して!ケンタ!ケンタ!ケンタ!ケンタ!…


「姉ちゃん!姉ちゃん!姉ちゃん!」


….グゥウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァーーーーーー!泣」


….ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン…


…ハッ…ど..た…ケ….ターーーーーケンターーーーーーーーーーーー…


「姉ちゃん!姉ーちゃん!姉ちゃんー!姉ちゃん!僕ここだよ!姉ちゃん!姉ちゃん!」


….バンバンバンバンバンバン…


…ケンタ!…私!…開けて!…ケンタ!…


「え!?開かないよ!イザナミが!姉ちゃん!」


…シ……ト…ック….レバー…よ…


「怖いよ!姉ちゃん助けて!姉ちゃん!助けて。泣」


…落ち着け!ケンタ…シフトロックレバーよ..いつも教えてるでしょ…シフトロックよ…


「いつもの?」


…いつも…キッチンの壁…


あ!?そうだ…汗。


…7763…いーい?…7763よ!?…


そうだ…!


….タタタタタタ…


壁が全部テレビだから見つからない。


どこ?。


どこ?。


確かここにあったのに..。


見つからない…どうしよ。


姉ちゃんまで死んじゃう…。


…大き…モニ…ター….下…


そうだ!。


あった!。


こっち側の下の…あった!。


7……7…..6….3…..


あ!あ…開かない…どうしよう…汗


「ね、姉ちゃん!開かないよ!姉ちゃん!…」


…しっかり…して!男…でしょ..!も1..回やって!…7…7…あ!エ..ンタ..ー押した!?…


「エンマーって何?」


…エンターよ!エンター押すの!点滅を押すのよ!光ってるの押して!…


「エンター…あ!光ってる!緑の!?姉ちゃん!緑…」


…それよ!早く!早く!…


「うん!」


….カチンッ….


消えた…点滅…。


….ガチャ..ガチャガチャ..ドゴン….


重い音。


ロックが外れた。


あんな重い鍵がかかってたんだ。汗


僕が押して開く訳ない。


…ウィィィィィーーーーーーーーーーーーン…


空いた!。


「…ケンタ!ケンタぁ!ケンタぁぁ!ケンタ!」


「姉ちゃん!」


「いた!ケンタ!」


「姉ちゃん!」


姉ちゃんだ。


姉ちゃんがギュウしてくれる。


痛いくらい。


僕もギュウし返してる。


だって会いたかったんだもの。


頭撫でてくれる。


「良かった!良かったぁ!良かったぁぁ!良かった…泣」


姉ちゃんに頭撫でられたの子供の時以来。


禿げちゃうくらい。


「姉ちゃん…」


「怪我してない?ぶつけたりしてない?」


姉ちゃんが…優しい。


そうだ…僕が子供の頃は姉ちゃん優しかった。


「うん。」


「ごめん…ごめんね…1人にして…ごめんね…良かった…泣」


姉ちゃんがまたギュウしてくれる。


悪いのは僕なのに。


「姉ちゃん。ごめん。泣。ごめんなさい。泣」


「こんなに震えて…ごめんなさい..怖かったね?もう1人にしないから…私が一緒だから一緒にいるから大丈夫。もう大丈夫だよ。」


姉ちゃんも震えてる。


「うん。ごめんね…姉ちゃん僕のせいで」


「うぅん..悪いのは姉ちゃんの方。ごめんね。大切な弟なのに。」


「姉ちゃん…」


姉ちゃんが頭撫でてくれる。


しゃがんだまま、僕の目を見ながら。


「さっ、行こっか。」


「うん。」


街が燃えてる…。


僕の街が…。


もうどこにも逃げられない。


でも、ここにも居られない。


熱いし息が苦しいから。


姉ちゃんまで巻き込んじゃった。


僕のせいだ。


….ドタドタドタドドドタドタタドタ…


「あ!いた!クリステルさんいたわよぉ!ここ!ここ!お子さん達!」


誰…。


「あ、ありがとうございます!マーガレット様!は!よ、良かった!あんた達!あんた達!」


ママ!。


「ママ!」


「ママ!」


「大丈夫?ケガはない?」


「うん」


ママが抱きしめてくれる。


ギュウウッて。


痛い位に。


僕と姉ちゃんのおでこをほっぺに交代でひっつける。


ママ涙目だ。


てか、泣いてる。


「大丈夫。ケンタはまたチビってるけど」


言わないでよ!。


「クリスさん。行くわよ!あの兵曹達がいる内に!」


あの兵曹って…?。


「私がここへ来る時も、ユミル軍の兵曹が大砲を防いでくれたわ。盾になってくれたの。」


やっぱりあれはユミルの兵曹。


「エリサ!あんたそんな危ない思いをして…あんたって子は!泣。」


ママが姉ちゃんの頭を抱き抱える。


「…あなた方…発言に気をつけて…治安警察が聞いてる….気づかないふりして…」


マーガレットって言う人が囁く。


「…見た事誰にも言っちゃダメよ?。良いこと?。あなた達も。ユミルが攻撃してたって言うの。…それにしても..こんな小さな子..がいるのに….防衛シャッター….閉めようとするなんて…」


また、マーガレットが囁く。


「…仕方が…ありませんわ…マーガレット様…私達は..」


「…等級なんて..関係ないのよ…人間に..上も下も無いの….行きましょう。憲兵隊が先導してくれるわ。」


「さ、行くわよ。2人とも。」


「あ、マーツマン…」


「置いていきなさい!そんな変な消しゴム!」


えぇ!。


嫌だ!。


「嫌だ。取ってくる。」


「ダメよ!坊や!治安警察隊が出てきたら憲兵隊は逆らえない」


「ケンタ。我慢だよ!」


「そうよ。行くわよ。」


「うん…」


「ねぇ。坊や。知ってる?おばさんの車、フェルラーよ?。乗りたく無い?」


え?…汗


フェルラー…。


フェルラー!?。


「きょとんとして。笑。ランボーなんておもちゃよ?直ぐ来るなら助手席に座らせてあげかるかも。笑」


え!。


「乗りたい!」


フェルラーの助手席乗りたい。


「乗りたい!乗りたい!凄く!」


「じゃあ決まりね!着いてらっしゃい!」


「申し訳ありませんマーガレット様」


マーガレットがママにウインクしてる。


何で?。


「ケンタあんた単純ねー。」


「いつになったらワガママ治るのかしら。この子。」


「走って2人とも。デュランダル•レビンが護ってくれてる内に」


….


….



「…あれ…これ…カロン..じゃん….おばさん……フェル..ラー…ど..こ?..」



「…あれ?…言って..なかった?…1等市民はこれをフェルラーって呼ぶのよ?…」


「…えー..ーっ…」


「…さぁ乗って!…」


「…えーー…ーー..ーっ!」


「…いい..から…乗せて…頂き..なさい!…」


….フォォゥゥーーーーン…


「…踏む…わよ…みんな!…シー…ト..ベル…ト..お願い…」


….フォォゥゥーーーーン…


…ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


….コーーーー..ーーーー….ーーーーー…


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