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トリスタンの皇帝  作者: Jota(イオタ)
296/364

ダヌアの空に133 / バイキールの魔女編 3


『….犬神ゾアーグ犬神ゾアーグ実体化します!…』


叫んでる。


ラムダ9のレーダーの人が。


犬神ゾアーグがメインモニターに映る。


これは、地上の10式(戦車)からの映像。


まだ、半分透けてる。


まるで、空にも届くツインタワー。


頭は雲で隠れてる。


〈…目じゃ、目を狙うのじゃ…復活したら人の攻撃は効かなくなる…〉


===========

[※犬神ゾアーグ: 犬の頭部を持った神。魔界(アマトの世界)の悪神。体長200m。青犬神と白犬神は2体1対で存在する。青が格が上。5兆度の熱戦を吐く。青の犬神ゾアーグには8つの目。白の犬神ゾアーグは顔に目がなく鎖骨に6つの縦の目。やはり複眼。青は王笏とバーター(槍)を、白はカーサと大剣を持っている。背中には幾何学的に抽象化したような羽。青のみ胸に扇状の首飾り。毛並みは汚れている。二体とも黄金の腕輪、足輪。黄金の腰巻。大きな模様が彫られている。アマトの神話では、ゾアーグはドーベルマァと呼ばれる。神々がこの星の生き物を作る際、犬神ゾアーグは掟を破り、ケラムやゾーグに化け物を創り出したと言われる。]

===========


少し掠れてる声がドラド様。


直接心に話しかけてくる。


….ケ…ヶ…..ヶ……ケ…..ケ…


…….第3..…….団…..ペ…ル…ー…プ…..か….入..電….ボ…ボー…レ….と….ウル…エ..ン…ハ…激..突……交..戦….状態…す…..


集音器壊れたかね?。


犬神ゾアーグの咆哮。


音源はオパを挟んで反対側…。


発生源がまるでデタラメだよ。


あまり壊れることないんだけど…。


….南東..方….ア..テ.ィ…カ…ウ.ル…ン…ハ…交戦…中….


「….あれっ!元に戻ってる!?目も!顔もだ!いつの間に?」


え!?。


ほ、ホントだ…。


ササーンに叩きのめされて、もげたはずの首や顔。


〈…そんなはずはない…奴にそんな力は無い…〉


でも、戻ってる。


2匹とも。


「…何か変ですね?」


フネさんが、モニターを見てる。


『…バウザン..粒子砲アルカロンで..吹き飛ばせ!…』


『…了解…』


粒子砲アルカロンてことは、私らが吹き飛ばすって事だね…?。


….ゴゴゴゴ…ゴゴ…ゴゴゴーーーーーー…


ラムダ9が真上を旋回して行く。


赤いテールライトの残像を残して。


平たく重い身体をギリギリで持ち上げながら。


たくさんのアンテナが飛び出てる。


触覚みたいに。


20mを超える鋼鉄のカメムシ。


『…ブリュイエール…!..下がれ..レオパード…が..粒子砲アルカロンを撃つ…』


…倒れ..る..ぞ……ブ….リ…ュイ…エー….ル..が….


声はイヤホン(ヘッドセット)からだけじゃなくて、スピーカからも漏れてる。


あ…あぁ…。


ブリュちゃんが倒れる…。


立ち上がれたことが奇跡だよ。


深傷を負った大きな生き物の苦しみ。


何100回も見てきた。


自分の重みが、硬い甲殻を押し潰す。


大きいから、痛みもそれだけ大きい。


レッドアイなら、楽にしてやれる。


だけど…。


ブリュちゃんは、気高いだけに、苦しいはず。


あ…あんなに..ズタズタにされちまって…汗。


待っててよ。


ブリュちゃん。


オパちゃん…。


今、婆ちゃん達が助けに行くから。


ね?。


待ってて。泣


….ケ…ヶ…..ヶ……ケケケ…ケ…..ケ…


…..嘘..だ…ろ?…あ..んな..所…から….?..…


….惑.わ…さ…れて..は…


…..ど…う..な…ってん…だ………..あの…婆さ..ん達…は……


…エ…メ..ド….ラ..ド..様…..よ…警…ター…..シーエ…リ..ウ…砲….破壊…を..先…と….


….い….け..ま….せ..ん….


「…ウメさん。前に出しとくれ。粒子砲アルカロンの撃てるとこまで。」


フネさんの目にも涙。


いくら鬼だって、あれ見て、普通でいられるワケないやね。


「ん?…何か言ったかい?おトメさん?」


「いや、なんも…汗」


勘が鋭い…。


「ん…..泣….ん…了解だよ…。みんな。安全ベルトね。揺れるよ。この先ゃ断崖絶壁崖だからね…」


ウメも目を拭ってる。


…て。


….ん?。


断崖絶壁?。汗


聞いてないよ…そんなの。泣


…ドーーーーン…ゴン…ゴーーーーーーン…


レオパードの高圧炉アルマダイエンジンが脈を打ってる。


大きな生き物の心臓みたいに。


…ズズーーーーーーーーーーーーーン…


レオパードを反重力クラッチが揺さぶる。


この50mもある鉄の塊を。


…ア..ン.テ….カ….苦…….中…南東…….アン….ィ….ボル….ー…レ….群れ….苦戦..中…..ルエン….押さ….て……す…


…ガガン…ゴゴ…


…ブゥウォォォォォーーン…


振動がシートごと大きく揺さぶる。


首が座らない。


…ガゴン…ゴゴゴゴ…ドドドド…


…ンン…


…ドドーーーーーーーーーーーーン…


方向を変え始めた。


サスペンションが大きく揺れ、風景が一気に流れる。


この73000tの艦体。


アルマダイの浮力で今は1000分の1以下。


…ガガガ…ゴゴゴーーーーン…


反重力ベアリングや、反重力クラッチもアルマダイの浮力で動く。


…ドーーーーン…ゴーーーーーーーーーン…


アルマダイが無ければ、この艦は大きな鉄の重り。


『…バウザン!…時間を稼げ!…』


『…了解…』


…ドドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


…バイ..ン…レ….ノ…ル..ズ… ネリ…ウ…エン…デ….ト….ター….ー…エネ…ウ….砲…高エネ….ギー….応…


歩き始めた。


…ズドゥゥーーーーーーーーーーーーン…


ウメが目まぐるしく切り替える。


アクセル、スロットル、ボタン、レバー。


私らにゃ分からん。


….そ….れは…偽….物..で….す….


それが何で、何の意味があるか。


男らにも重くて癖のある器具ばかり。


目にも止まらない速さ、そして1ミリもずれない。


無言で無表情。


没頭してるように遠くを見てる。


身体はまるでダンスを踊ってるようさ。


魚と戯れるみたいに。


こんな大きな重戦車を軽々と動かす。


ウメは、やはりハイパートローラーの世界覇者。


操縦用ゴーグル、そして、カーキ色のTシャツの上にオレンジのパイロットベストを着た、お団子頭の真の勇者。


…本….師…団…援軍…..請…ラ…..ダ13…第3…師….ペネ…….プ….り…貴…..に….援要..…


….ゴゴ..ゴゴゴゴ…ゴゴ…ゴゴ..ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴ..ゴゴゴゴ…ゴゴ….


大地が振動してる。


この様子じゃ、地上に、かなりの数がいる。


『…アルガード隊…所定位置に到達後..砲撃を開始…』


…ゴゴゴゴ…


映像が切り替わった。


ラムダ9からの映像に。


この大きなクレーターの底面から巻き上がる土煙。


100輌近い。


10式と蜘蛛型戦車アルガードが、犬神ゾアーグを取り囲んで行く。


『…アルガード ムファサ隊…ラフィキ隊…プンブァ隊….シモン隊 青の両サイドに就きました…』


蜘蛛型戦車アルガード隊。


犬神ゾアーグの真横に付けた。


距離は800くらい。


あれ以上離れたら犬神ゾアーグにゃ効かなくなる。


アルガードの4連粒子砲ティラーソーンが。


国では、アルガードは大きな戦車。


街中にいたらビルより大きい。


ケラムの生き物だって寄せ付けやしない。


1輌あれがいたら、みんな安心する。


けど、犬神ゾアーグに比べちまうと、まるで、おもちゃだ。


…ボ……ル…..ー..レ…..数..?….


…….ルボ….レ…ん…十…..ち…体…ボ…ボ….ー…..4…..は…ん..ん….


『…シンバ隊、ナラ隊、スカー隊、ザズ隊、正面所定位置に!。オパの防衛に入ります…』


こっちの隊はギリギリまで近づいた…。


犬神ゾアーグは、動きもしない。


…アル..ガー..ド…プンバ…隊…位置…補..正中…


…10式 FK1隊、GH4隊、SH7隊、白 正面…オパの防衛に入る…


『…10式隊 犬神ゾアーグとの距離500…』


….惑.わ…さ…て..は….け..ま….せ..….


10式は最新鋭の戦車。


…ヶ…ヶヶヶヶヶ….ケケケケケケ….


対人戦闘用の。


…砲撃..を..開始…


…砲…撃..開始…


…コーーーーーーーーーーーーーーーーー…

…ゴゴーーーーーーーーーーーーーー…

…コーーーーーーーーーーーーーーーーー…

…ゴゴーーーーーーーーーーーーーー…

…ドーーーーーーーーーーーーーン…

…ドーーーン…


犬神ゾアーグに無数に突き刺さる。


光の針が。


…ドドドドン…ドン…ドン…ドン…ドン…ドン….ドン…ドン…ドン…ドン…ドン…ドン….


着弾して爆炎が噴き上がる。


「おかしくないかね?」


「何だいタフ。何かおかしいかい?…」


…ハ…..イ…….ラ..空…軍 ….9艦……デネブ….反射迫……艦 2隻……撃墜…しか…エネ….ウム…砲…第…2..射….本….直撃….


….都市….認…中….


「トメ。透明にするよ。」


トメ…とうめい…わざとかい…?。


微妙だね…。


「あぁ。やっとくれ。」


ウメがレバーを引く。


….ウィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


サイドパネルが開いてく。


同時に内壁も透明に。


全方位見渡せる。


まるで宙に浮いてるようだ。


メドハン11に制御された、モニターがそう見せてる。


これは、横や下、下界を見るための映像。


….…3…師…….特…….撃….第3….波…..エネ………ウ..ム……ン….デー…ト….侵………中…


……やっ………….れ….た……



…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


地面も流れはじめた。


…ズズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


レオパードが加速する。


一つ間違えば転げ落ちるこの急斜面。


…バババ…バババ…


砕け散った岩がボデェにぶつかる。


鋼鉄で出来た黒い脚。


昆虫の脚。


トローラーさえ紙箱のように踏み潰す悪魔の脚。


…ズガゴーーーーーーーーーーーーン…


噴煙が噴き上がる。


白にピンクのライン。


これがこの子が悪魔じゃない証。


この子は、女の子さ。


年老いてはいるが、確かに女の子。


私らと同じ。


塗装が禿げて、艶消しの銀の地金が見える。


自動洗浄すら、ろくにしてやれない。


すまないよ。


全然、水が足りないもんで。


…ジジ…ジジジジジジ……ジジ…


関節の役割をするベアリング。


アルマダイの力で浮いている。


青い光を纏って浮いている。


部屋を埋め尽くすくらい大きな鋼鉄のきゅうが。


….ガスゥッゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


亀裂が走った岩肌。


….バババ…ババ…


緑の小さなトカゲが走り去る。


飛び散る岩を逃れて。


近くで見たら驚くよ。


あの4つ目のトカゲ。


何せ4mもあるからね。笑


レオパードのコックピットは地上15m。


…第3…..団…別…撃翼…エ…デー…ト…領….に侵行…..中…


レオパードは身籠ってる。


大きな種子を抱えてる。


卵を抱えた親蜘蛛みたいに。


アモイの守護獣ジャミナキラの。


昆虫のサナギに近い種子を。


…ガッ…


…ゴゴガ…


レオパードが足場探ってる。


….グググ…ゴゴゴゴ…


…ガ…ーーーーー…


….シューーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


地面が途切れた…。


クレーターの縁を越えた。


な….なんだこりゃ….。


高過ぎて下が見えない…。


…ひぇ…汗


殆ど直角じゃないかい…汗


地面が…ず…随分と下に…。


…ブゥゥオオオォォォーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


強風が吹く。


足元が寒くなる。


…良くこんな所に立っていられる。


白い反重力翼が見える。


出し入れ可能な18個の羽。


図体に比べて随分と小さくて頼りない旗。


回転して艦体の重さを持ち上げる。


…ピリリリリリリリリリリリリリ…


…ひっ…


ホログラムが飛び出す。


赤い光の。


私とウメのコンパネに。


このクレーターの長い辺は13キロ。


大分 大きい。


楕円の灰皿みたいな形。


真ん中に犬神ゾアーグ2匹と、近くに、オパ、ブリュイエール。


ラムダ9のモニターからだと、どれも豆粒みたいに小さい。


地上の雲海の中にいる。


大きく広がったアルマダイの雲海。


まるで、聖夜の電飾みたいに。


「底までの高度差800。犬神ゾアーグまで距離2100」


モモちゃんがイヤホン(ヘッドセット)を外して振り返る。


「…あいよ…汗」


結構な距離….そして高さ…汗。


….ビュゥゥゥゥ….


風が岩の隙間のクヌンの枝をしならせてる。


高度が高いから壁から冷気が来る。


腰が冷えるよね。汗


…ドーーーーーーーーーーーーーーーン..


ひぃぃっ…。


…ゴーーーン…


…ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


レオパードは、直角の壁を躊躇無く進む。


岩を蹴散らし崩しながら。


砕け飛ばしながら。


鋼鉄の煙突みたいな6本の太い脚が。


5本同時に滑ることもある。


…ズドーーーーーーーーーーーーーーーン..


一気に降りて行く。


…ゴゴーーーーーーーーーン…


ジェットコースターなんてもんじゃない。


眼下が、丸見えだ。


…ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


ひぃぃぃ…泣。


足がすくんで座ってられない。


ホント落ちるかもしれない。


こんな岩の硬い急斜面。


臼みたいにつるっつるの。


…ドーーーーーーーーーーーーーーーン..


…ゴーーーン…


こんな高さから、落ちたら、流石の重装甲もお陀仏。


ぺちゃんこ。


お煎餅になっちまうよ..泣。


…ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン…


…ガゴン…


掴まるとこが無さ過ぎる。


この崖。


いくらなんだって。


「へへへ。笑。大丈夫かい。トメ。笑。あんた。笑。真っ青じゃないかい。わはは。わはははは。笑。モモちゃん。ウメ。この顔見とくれよ!あっはははは。笑」


「な…何だい!タフ!お、お茶ぶっかけるよ!。」


「トメ!覚悟をおし!笑。人のことメスゴリラなんて言うからだよ!バチが当たったんだ!。」


「ホントにトメは口が悪い。」


何さ、ウメまで!。


「これこれ、喧嘩しないでくださいよ」


…第5艦…隊 反射….迫…撃…艦撃….墜….失敗…ター…シ…ー….エネリ…..ウ..ム….砲…..ランカー….ェ….州….エブ..ラ..ンを….直撃…


「え?…」


…ドンドン…ゴ…ドドドドドドドド…


ひっ…。汗


大きな岩が転げ落ちてく。


…ドーーーーーーーーーーーーーーン…


ひいぃ。汗


…ゴガンッ…


…ゴ…


……ガ…..


…ドーン….


…ひぇ…汗


「ここしかないね…フネさん。シーラカンス初めとくれ。地盤は大分 緩いけど。直接モモちゃんとやるからね?」


あのね…ウメ。


「ウメさん、それシークエンス!」


そうそう…。


「上出来ですよ。ウメさん。おトメさん。粒子砲アルカロン発射用意。本艦を、砲撃位置で固定。ピーカーと連結。ピーカーはショットアンカーでレオパードを固定。」


「頼んだよ。トメ。」


ウメが振り返る。


『…レオパード11…その位置から狙えるか?…』


バウザンは別のモニター見てこっちを見てない。


疑いもしてない。


「おトメさん。どうだい?。いけるかい?」


「あぁ。いけるよ…」


高いのが無理だけど。


…嘘だろ….あ…あん..な..所…から…狙.う…気..か….


「バウザンさん。行きますよ。おトメさんが、ここから狙います。」


そうだ…。


「フネさん。伝えとくれ。目の位置がメドハンはわからないんだ。」


『…レオパード11…砲撃用データをチャンネル16に転送する..良いか?…』


バウザンは仕事が早い。


「トメさ…あ、いや、6117に出してちょうだい。砲撃手んとこ直に。」


「…..射線上の戦車が、え…と..良く見えないね…む?…ム…ファ…サだ!…影響範囲に入っちまう.…」


『…聞こえてる。分かった…ティザー..蜘蛛型戦車アルガード隊全軍に指示…ファザスを展開…同時に射線から後退させろ..…』


『…了解です…ムファサ隊…ラフィキ隊….プンブァ隊….シモン隊…ファザスフォーメーションシールド展開と同時に10時の方角へ撤退…急いでくれ..レオパードが粒子砲アルカロンを撃つ…』


…..ラフ..ィ…キ…リ..ーダ…ー..…か…ら…..各...艦….ファザス….展..開…後…後退…レ..オ…パー…ド..…が..粒子砲アルカロン..を撃..つ……


…ラ…フィ…キ..1….了…解….


粒子砲アルカロン…?….ど..こに…い.る…レオ….ード..…


….再….び…ター…シー….エ..ネリ…ム…砲….高エ….ルギー……応…


…ラフ…..ィ…キ….4….了…..解….


….位…置…327…27….2660….


….あ..の….辺だ..


…拡大..し.て?….も..っと…10倍…く..らい…に…


…..おい…あ..そこ…だ….あん…な…とこ..ろに..…


…お..ぉ.ぉ…あ..ん…な所..に…


…ウゥゥゥゥーーーーーーーーーー…


..ドーーーン…


…ドーーーーーーーーーーーーン…


「艦体固定。モモちゃん。連結頼むよ。」


反重力クラッチが切り替わる。


アルマダイ直流…。


レオパードの浮力が切れて、艦に全重力がのしかかる。


もう、後戻り出来ない。


….ゴガーーーーーーーーーーーーーーン…ン..


「連結だけで行けそうっすかね?」


「いや、ショットアンカーはレオパードのだけじゃ無理だね。かなり緩いから。ピーカー[※]にも撃たせておくれ。」


===========

[※ピーカー :レオパード付き重戦車。50m級。8足歩行の鉄のハエトリグモ。ルビーのように赤く綺麗な大小12個の複眼を持つ。正面の4つの複眼から粒子線を放つ。軍用犬や警察犬の知能を継承しているため、知能•忠誠心や、学習能力が高い。]

===========


…無…理…だろ……あ…の…距…離…で…


…絶..対…無..理だ….拡..散….して…目.を….狙う…って…


蜘蛛型戦車アルガードか、10式の砲撃手だね。


坊ちゃん方。


しっかり目をかっぴらいて見とき。


このおババの1番銛もりを。


「取り敢えず、ウィンチ掛けないとですね?ジニリウムワイヤーの。」


「そだね。ヒッチこっちから出すよ。」


「確かに脆いっすねぇ。硬度が46。粘度33。質量17/f。これだと、4つ必要だな…。出せます?4つ」


….誰….か….


「いやね、崩れた時、何か来たらお終いだなと。」


…それ……は….偽…物…


「でも、これウメさん、ギリギリっすよ?。崩れたら全部行かれますよ。下まで。800m下まで。いや、1000か。」


「ちょっとぉ。笑。脅かさないでよぉ。笑。わかったわよ。ヒッチ4つ出すわよぉ..笑」


「3つだと喧嘩になるしねぇ。笑」


「タフは黙っとき。お邪魔虫は。」


「トメはまだ根に持ってんのかい?」


「やめて下さい?。お2人とも。」


フネさんがオコになったら大変だからね…。


「あざーっす……。」


….サラマンダー..マロン…コテツ…..モコ..見えてる?…


モモちゃんがイヤホン(ヘッドセット)の専用マイクでピーカーに話しかける。


….見えたら合図…


モモちゃんの手の動きが、パスタップでピーカーに伝わる。


まるで、シーホエールのショーさながら。


…良し!…笑….良い子ちゃん達…


…コテツ!よそ見する子は何だっけ?….


….そう…そう…良い子…偉いね…笑…


…いーい?…レオパード11を固定するよ…


…皆んなで落っこちないように助けてあげよ?…


…覚えてるかな?…これ…こっち見て?..分かるかな?…こてい…いつも練習してるね?…


モモちゃんが、『固定』のハンドサインを見せてる。


…そう….マロンそうだよ…皆んなに教えてあげて…


…コテツ….こっち向いて…これ何だっけ?…これ何?…


今度は、『フック』のポーズ。


….モコ?…そう….フック….フックをどうするんだっけ?….


…そう!…偉いねモコ….


….さ..始めるよ!….


….マロン….サラマンダー..準備出来たら私に合図….


マロンとサラマンダーのフロントアイがパッシングする。


マロンは女の子。


そして優等生。


優しくて、面倒見が良い。


みんなのまとめ役。


…そう…偉いね….そうだよ…


….そしたら?…


….そう…地面にショットアンカーを打つよ。…


「ちょっと。ウメ。モモちゃん。メドハンの計算じゃ。4連結でも崩れるね。砲撃後、アンカーは直ぐに外さないとダメだよ。さもないとみんなお陀仏だよ。一緒に。」


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